カテゴリ:小説のおはなし
ここだけの話、17年前もそうでありましたが、本を出すと、大好きな本屋さんに、心安らかに行くことができなくなるのであります。
どうしても、自分の本が置いてあるか、気になる。 ないと、当然、落ち込む。 あればあったで、これは、売れていないのであろうかと、落ち込む。 じつに、難儀であります。 ちなみに、どんなに高名な作家であっても、自分の本が売れるのを目の当たりにするのは、奇跡に近いとか。「裏平安」を出した時、熊本の本屋さんで、平積みされていた拙著を手に取った、見目麗しい淑女がいたのでありました。 その淑女、裏を眺め、なかをめくり、しばし、思案中。 おお、神よ! 奇跡が、いま、ここに起こるであろうか。 眺めていると、その淑女、本を置き、いずこへか、風のように去りぬ。 ふっ、奇跡は、やはり、起きねえもんだぜ。 寂しく呟いたあの頃でありました。 写真は、昨日のモスラ。 ここまで、たくましく、成長中。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.06.13 22:40:50
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