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ふらりかずたま ひとり言 

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2011年01月07日
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カテゴリ:旅行・山関係
新(あらた)しき年の始めの 初春の 今日降る雪の いや重け(しけ)吉事(よごと) 
去年今年(こぞことし)貫く棒の如きもの 

新年には必ず思い出す2つの作品。

上の和歌は万葉集最後の一首で、詠み人は大伴家持。系譜上は神を祖とする古代からの有力な軍事氏族である大伴氏は、藤原氏との政争に敗れ衰退していきます。家持自身も左遷され、失意の日々を過ごしていました。左遷の翌年、赴任先の因幡で詠んだ初春の和歌がこの作品です。解釈は「新年のはじめの、新春の今日を降りしきる雪のように、もっともっと重なれ、吉き事よ」。一族の再興を願う家持の叫びが聞こえるようです。「新しき年の始めの初春の」とは、ずいぶんクドイ表現ですが、これさえも、切羽詰まった想念の激しさを感じさせます。

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苫小牧上空

下の俳句は、正岡子規の直弟子・高浜虚子の作。解釈は「昨日を去年と言い今日を今年と言ってもそれは人間の定めた時間の区切り。大自然の悠久の歩みは変わることがない一本の棒のようなもの。人の世の変転など大したことはない」。晩年の虚子が敗戦後の日本人の動揺や変節を見て、心境を詠んだのではないかと思われます。
家持の歌の対極にある達観・諦念に満たされた一句ではないでしょうか?

新年というのは、自分の夢を神仏に祈り、自分の計画を心に刻む節目として重視されてきました。私のような不信心者でも初詣には行きますし、神仏に願い事もします。なかなか虚子のように達観できないのが凡人の悲しさです。とは言え、一年の節目として厳格にしきたりを守ってきた両親が亡くなってからは、まねごとをするだけに終わっている私の「去年今年」は登別温泉。

12月31日夜明け前に家を出て、羽田へ。8時発のJAL便は天候調査の結果、引き返すこともある条件付きで出発すると言います。「え~っ、俺らの飛行機(所有しているわけではない)は?」。母ちゃんがカウンターで確認。「8時35分の便からは正常運航するって」「やった~っ、ついてるなぁ」。定刻、ボーイング773は羽田を離陸できました。

安定飛行を続けたJAL便は新千歳空港に無事到着。ここから登別まではレンタカーです。別に急ぐ必要もない温泉三昧旅、でもサッサと手続きを終わらせたい。でも母ちゃんのリクエストで、まずは土産物ショッピング。

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これまでは入手困難な「じゃがポックル」という北海道限定販売のスナック菓子を買って、土産にしていましたが、今回からメインは同じカルビーの「いも子とこぶ太郎」。低温でカリカリに上げたジャガイモと歯舞産の昆布のスナック。すでに人気に火がつき始めていて生産が追い付かず、お一人様3箱限り。母ちゃんの指令に従って、私も手伝い、2か所の店で計12箱を購入しました。「じゃがポックル」は3箱だけ。ちなみに「いも子とこぶ太郎」の購入数は最終的に(登別でも買ったので)計20箱。これらを宅配便にはしないでレンタカーに積んだまま移動します。帰りは上野まで乗り換えなしの寝台特急「北斗星」個室なので、持ち運びも置き場所も大丈夫という考えです。主婦は細かい。

レンタカーは格安のサイト経由でマツダレンタカーに予約してあります。ナビ・ETC・スタッドレスタイヤ装備のマツダデミオ・4WDを3日間借りて、なんと11400円(自動車保険込み)。それにNOC(事故などで車両が使えなかったときの営業補償。MAX5万円くらい)を免除する保険が3日間で3150円。計14550円。同じマツダが、Web会員割引を使っても約20000円、NOC保険を加算すると23000円なのです。「どうなってるんだ、このサイトは」と不安でしたが、マツダから予約確定メールが届き、ひと安心です。

では出発。一般道路は圧雪と凍結で真っ白ですが、高速道路は完全に除雪されています。最初に向かうのは水族館。昨年も一昨年も水族館に行っています。なんでだろう?

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デンマークのお城をイメージした「ニクス」

登別マリンパーク「ニクス」。メインは「銀河水槽」と名付けられた、1万匹のイワシとエイ・サメがつくる光のウェーブ。テレビ報道のクリスマス・イルミネーション特集で紹介されていたのです。餌がたっぷり与えられたエイやサメはイワシを襲いませんが、イワシたちは彼らが近づくと回避行動をとります。ライトアップされた水槽内をフツーに泳いでいたイワシたちが群れの形を変えたとき、鱗に当たるライトの反射も変化するので、光のウェーブになるのです。たまたま、ほかの入場者がいなかったので、しばしイワシたちのシンクロウェーブをたっぷり観賞することができました。

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「銀河水槽」 イワシたちの通常の泳ぎ
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エイが上を泳ぐと下に集まる

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エイが底を泳ぐと上方へ回避

アシカやイルカのショー、ペンギンの散歩なども特別めずらしい内容ではありませんが、寒さにめげず頑張っている飼育員たちには拍手です。

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流氷の天使は北海道の水族館が似合う

閉口したのは中国(大陸か台湾かは不明)からの団体客。マナーも何もあったものではなく、ずいぶん不愉快な思いをさせられました。これはホテルでも他の観光ポイントでも同様です。「赤信号みんなで渡れば怖くない」の感覚でしょうか。日本人も外国に行くとああなのかなぁ。

早く温泉に入りたいので早々にチェックイン。創業70周年を迎えた万世閣に連泊です。じゃらん口コミでは、わが家の及第点基準である4点に届いていないホテル。しかも今回はH旅行社の間違いで正月割増がかからなかった仰天格安プラン。大して期待もしていなかったのですが、そこは天下の名湯・登別温泉にある老舗旅館。十分満足のいくサービスと食事でした。何といっても温泉がいい。母ちゃんは「肌がすべすべになった気がする」「湯温が私にはピッタリ」と。2日間で私は7回も入りました。おかげでお肌はしっとり、色白の美男子に磨きがかかったような…母ちゃんは「それは勘違いだろう」と言いますが…。

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大晦日といっても旅先のこと。何をするわけでもなく年を越します。餅つきや年越しそば振る舞いもあったのですが、夕食をたらふく食べて、紅白を見ながらうつらうつらしている間にカウントダウンが始まり、夫婦で「本年もよろしく」のごあいさつを済ませました。母ちゃんの方はそのあと「年賀メール」の往復で大忙しでしたが、私は初日の出見たさに就寝です。





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最終更新日  2011年01月07日 22時44分08秒
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