ふらりかずたま　ひとり言　

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  スキー場の草刈りボランティア

  あれやこれや慌ただしく、ブログ更新もママならず、ついに10日以上も空白を作りました。書くことはいっぱいあるのに残念！　直近の行動を報告させていただきます。8日の土曜日は、久しぶりに栃木・三依集落へ。スキー場の草刈りボランティアです。家を５時過ぎにスタートし「じねんと倶楽部」の拠点、中三依の蕎麦処・古代村に集合しました。古代村全景。紅葉が美しいスキー場と言っても地元自治会が民有地を借り上げ整備した手作りゲレンデ。ゲレンデは縦横200メートルもない可愛いスキー場で、もっぱら地元の子供たちがスキー学習に使用しているとか。スキー雑誌はもとより、インターネットでもなかなかゲレンデ情報は拾えませんが、野岩鉄道中三依駅から徒歩１分、「ふるさと体験村」の一角を占める、れっきとした現役。名称は「みよりファミリースキー場」です。最大斜度15度くらい。ロープトウ１基。コースは約１５０メートル１本。1日券600円、子供は200円（かな？）。超初心者にはぴったり。なお、人工降雪機はありません。温泉「男鹿の湯」がそばにあり、その中で食事もできます。宿泊は「体験村」にケビンが何棟かあるのでバッチリ。このスキー場の歴史は古いらしく、地元の50歳代の人たちもここでスキーを覚えたそうです。ここでスキーを覚えた三依の選手が県大会にも出場したとか。15年ほど前ロープトウが設置されるまでは、スキー板を担いで登っていました。民間業者が関与していないので、運営は中三依自治会。地元小中学校のスキー授業の際には、ＰＴＡの会員が休暇を取って指導と監視を交代で行っている状態。日光市と合併したときに教育委員会に助成を申請しましたが却下され、今でも「手弁当」が続いています。１年経ったゲレンデは２メートルにもなるススキ、背の低いチガヤが覆い、シーズン前に刈り取ってしまわないとスキー場にはなりません（写真上）。これまでは自治会有志とＰＴＡ、子供たちだけで草刈り作業を行ってきましたが、渓流釣り愛好者のグループ「男鹿川じねんと倶楽部」も、お世話になっている三依に恩返しをしようということで、今年から協力することになりました。呼びかけに応じて母ちゃんと２人で参加させていただいた次第です。地元住民、子供の作業。野岩鉄道職員も協力早朝の三依は曇天、気温１℃。幸い風は弱く、作業を始めるとそんなに寒さは感じません。長そでＴシャツに作業用のジャージなど着込んで、足回りは長靴。首にタオルを巻いた「勇ましい」スタイルです。「協力」と言っても、都会暮らしの私らは草刈り機の操作ができません。刈り取られたススキなどをフジやアケビのツルで束にしてゲレンデから運び出す、刈り残ったススキを鎌で刈るという役割です。鎌を使ったことのない母ちゃんも、へっぴり腰で頑張っていました。鎌というのは力を入れるだけでは切れません。悪戦苦闘しながらどうにか要領がつかめたようで、来年からは戦力化するでしょう。集められたススキの束を子供たちと一緒になって斜面から運び降ろしていきます。大人数でかかったせいか予定より早く片づけることができました。草刈りが終わったスキー場。あとは雪を待つだけ作業終了後は、子供らを前にして「じねんと倶楽部」からの参加者が一人ひとり挨拶。たいして役に立たなかったのに照れくさくて…。それでも、地元の人たちから感謝の言葉と大きな拍手を受け、ホッとした私たちでありました。話によると、ゲレンデをきちんと整備し、一面のラベンダー畑にする計画もあるとか。そうなれば、新たの観光名所ができるかもしれません。

  2008年11月12日

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  芭蕉の気分で一句　　日光街道徒歩行軍の３

  回向院のあるあたりは小塚原と呼ばれていて、時代劇でも名の知られている小塚原刑場があったところです。日光街道の沿道に刑場を作るとは何とも悪趣味ですが、見せしめだったのでしょう。東海道・品川宿の近くにも鈴ヶ森刑場が設けられていました。小塚原刑場では、明治初年に廃止されるまで磔・斬罪・獄門などで20万人が刑に処せられたそうです。当時の記録によると、処刑された人の遺体は埋葬されるのですが、浅くしか埋められなかったため、雨が降ると遺体が露出して腐乱し、それを野犬が食べるといった凄惨な光景だったとのこと。いま、刑場跡には延命寺が建てられ供養の首切り地蔵（右肩写真）が安置されています。その北隣が回向院。刑死者・牢死者数万人が葬られています。品川の鈴が森には八百屋お七、白井権八、天一坊など芝居で有名な人物の墓があり、小塚原にも高橋お伝、ねずみ小僧次郎吉などがいます。回向院に設けられた吉田松陰の墓（合掌）しかし、小塚原は尊王攘夷以来の国事犯の墓が多くあります。有名人では吉田松陰、橋本左内。安政の大獄、桜田門外の変、坂下門外の変などで刑死した志士の墓もズラリと並んでいました。また、回向院入り口には解体新書のレリーフが掲示されています。「ターヘル＝アナトミア」という解剖学の書籍を片手に、前野良沢、杉田玄白などが刑死者の解剖を行って検証したのがこの場所。のちに「解体新書」として翻訳・出版され、日本の医学発展に多大な貢献をしました。回向院門前（右）と観臓記念碑のレリーフ回向院前で他のチームを待っている間、ほろ酔いのじいさん・ばあさん集団と会話。日光街道について教えてくれたり、ついには「千住新橋を越えて旧日光街道に入ったところに、モツ鍋の●●（店名忘れた）という店があるから、千住のＳに聞いたと言って寄んな。サービスしてくれっから…」と、何とも親切な話まで。ありがたいことです。また、解体新書のレリーフを見ていると、老夫婦が「なんで解体新書なの？」と話しています。説明文はありますが、薄暗くて読みづらいようです。「袖振り合うも多生の縁」とはこのこと。「あのですね」と解説して、事のついでに「この奥に吉田松陰や高橋お伝の墓もありますから是非」と、臨時観光案内ボランティア。親切は気持ちいい！コツ通り（骨が散らばっていたから、そう呼ばれるとのこと）という悪趣味な名前の道を北上して4号線との合流点に向かいます。4号線に入ってすぐに「素盞雄神社」。荒々しい神輿振りの大祭と子育て銀杏（いちょう）、松尾芭蕉句碑で、参拝者は少なくありません。蘇芳に近い色彩の社殿に、やや黄金に色づき始めた銀杏の枝がかかり、風情を醸し出しています。本殿ではお宮参りと見えるご家族が祈祷を受けていました。社殿にかかる子育てイチョウの黄葉。右の石碑は芭蕉句碑この神社は安産と子育てで御利益があるとされ、今も信仰が絶えません。子育て銀杏は高さ30メートル、幹の周囲は3メイルの巨木ですが、その太い幹には子供の成長と安産を願う絵馬がびっしりと掛けられています。ここでも、地元の老人に話しかけられ、神社脇にある派出所のおまわりさんたちからも「日光まで行くのか？　気をつけてな」と励ましを受けました。ここまでで約半分。草加まではあと11キロほどあります。しかし、ひざの痛みを訴える人が出てきました。わがチームのリーダーとＹさんが足を押えています。「彼らもか」と心配していたら、木立のなかのやぶ蚊にボコボコ刺されていたのです。「前の晩に酒飲んだから体が酸性になってるんだよ。蚊は酸性体質の血が好物なんだ」などと、憎まれ口をきく私でありました（年のせいか？）。隅田川に架かる荒川大橋を渡ってすぐ左に「奥の細道　矢立初めの碑」が建てられています。階段を下りて川岸に降りるとそこは芭蕉「奥の細道」旅立ちの場所。深川から千住までは見送りの人たちと舟でやってきました。芭蕉の矢立初めの句はあまりにも有名です。　　　 行春や鳥啼魚の目は泪（（ゆくはるや　とりなきうおの　めはなみだ）別れに際し、見知らぬ東北への長い道中に不安と惜別の思いが込み上げてきたのではないでしょうか？　護岸には、千住宿の浮世絵、旅立つ芭蕉と弟子の曽良（そら）の姿が描かれています。私も負けずに俳句に挑戦。でも難しい！　 宮参り　社殿かざりし　黄の公孫樹　 後れ蚊の　ひそと寄りくる　芭蕉句碑　 秋陰り　映す隅田に　舟ひとついよいよ、草加に向けて国道4号線を北上し続ける単調な行程が始まります。次の集結ポイントは草加市の富士浅間神社。普段歩き慣れていない人には、足の疲れも加わってキツイ9キロになると思われます。私は足立区の地元民ですから、この先の単調さを紛らわすために、あまり知られていない「観光スポット」を案内することにしました。北千住駅入り口交差点を越えて、荒川本流に架かる千住新橋を渡ります。「整備された河川敷で草ぼうぼうの個所には、ホームレスの小屋が必ず建っています」「高層の建物は足立区の生涯教育施設で、上層階は都営住宅です」橋の上で説明していると、自転車のオジサンが「どこまでだ～？」と声をかけてくれました。下町の人たちは心優しい気さくな人ばかり。話しているうちに疲労感が消えて、「よっしゃ～」となるから不思議です。この後も、おじさん・おばさんたちの声がけで、背中を押してもらったと感謝しています。町の人たちに背中を押され、元気いっぱいの黒チーム「あそこが元キャンディーズのスーちゃん（田中好子）の実家」「ここで殺人事件があった」「ここの鮨屋はいい値段をとるがおいしい」「この卸問屋は、会員になると問屋価格で食料品が買える」「超ムダな足立区役所。でも最上階のレストランは安くて見晴らしも良い」　　：私の変な「観光案内」は果てしなく続き、会話も弾んで歩行ペースは快調、黒チームは集団の先頭を進みます。リーダーの携帯に実行委チームから、途中で1時間ほど休憩するように指示が出ました。「？」と首をひねりましたが、とりあえず「デニーズ」で大休止。そうこうしている間に他のチームも次々と入店してきました。店内はオレンジのヤッケがやたら目につきます。再出発！　秋の日はつるべ落としと言いますが、もう夜です。相も変わらず、私の「観光案内」は続きます。「ド●キ●ーテはこのマンションの住民ともめた」「あのホテルは、もと目●エンペラー。繁盛してる」「このラーメン屋はラーメン220円、餃子150円で結構うまい」　　：「じゃぽん」の看板と激安ラーメン店「夢屋」（別の日の写真）足立区北部の保木間には「じゃぽん」という温泉施設があります。その案内板を見たときにチームみんなが「あっ！」と気づきました。ここで休憩すればよかったのに。ただし、温泉に入ったら、そのあと歩けなくなるのは確実！　ということで、埼玉県境向けて前進です。草加・富士浅間神社に到着。すでに真っ暗です。富士浅間神社は富士山信仰に由来し、江戸時代初期に建立されたそうで、境内には高さ5メートルほどのミニ富士山が作られています。今はフェンスで囲われていますが、以前はこれに登れば富士山に登ったと同じ御利益があるとされていました。同じようなミニ富士山は都内の浅間神社でよく見かけます。他県にもあるのでしょうか？弱い外灯の光を頼りに神社の境内を見て歩きました。お寺と違って怖くは感じません。ここを出ると本日のゴール草加駅入口交差点は目前。街道の両側には草加せんべいのお店が多数あります。昔、おせんというお婆さんが、残りご飯を搗いて餅にし、薄く延ばして焼き、醤油をつけて売り出したのが草加せんべいの始まりとか。そういえば、お腹もすいてきました。ゴール！　実行委員会のメンバーがドリンク・サービスをしてくれます。冷たい飲み物がのどを滑り落ち、同時に、胸の奥から熱いものがこみ上げてきました。そのあと、チームのメンバーが手をつないで本日の感想を発表し合いました。私は、日本橋を出発するときに定めた目標「楽しく、思いやりを持って」が達成できたことを感謝するとともに、背中を押してくれた町の人たち、サポートし続けてくれた実行委員会の人たちへの感謝の言葉を述べました。当初スケジュールより1時間以上遅れましたが、参加者全員がみごと歩き切ったのです。徒歩行軍、参加できてよかった！　ＥＳ開発協会、実行委員会、参加者の皆さん、本当にありがとうございました。

  2008年11月01日

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  「私の墓碑銘は何？」　日光街道徒歩行軍の２

  開校式が終了して、いよいよ出発地点の日本橋へ移動。日本橋というのは「お江戸日本橋　七つだち～」で有名な橋。1603年に初めて架けられ、東海道・中山道などの五街道が確立されてからは日本の道路の中心となりました。明治時代、橋の中央が国内諸街道の起点と定められ、今も橋の中央に日本国道路元標が埋め込まれています。橋の中央は車道のど真ん中なので、元標のレプリカが橋の袂の元標広場に据え付けられています。ここが出発点。私の属するのは黒チーム。リーダーは若くてガタイのいい（おまけに顔まで良いからムカツク！？）男性社労士・Ｋさん、メンバーは若くてスリムな女性社労士・Ｙさん（きゃしゃな脚で歩き通せるか？）、若くて勢いのある民間企業の営業マンＳさん、それに高齢者の私、計4名です。そのほかに赤、黄、本隊チーム、先導や救護を受け持つ実行委員集団に分かれて班ごとに歩きます。とはいえ、昼食ポイント・浅草寺までは各チーム団子状態。チーム内でペアになり自己紹介ワークをしながらの移動です。マイクはないけれど勝利者インタビューのように相手のことを聞き出し、その後チーム全員に紹介していくという趣向です。今回は第1回ということで不十分感は拭えません。歩きながらですからメモは取りづらいし、国道沿いなので聞こえづらい。それでも、ワイガヤと質疑応答、昼飯のときにいろいろ話せましたから互いのことが少しはわかったかな。現在、国道4号線は日本橋からまっすぐ北上して上野を経由していきますが、今回は南千住あたりまでは旧街道を経由します。最初の集結ポイントは小伝馬町牢屋敷跡、今は十思公園と言われているところ。出発から15分くらいで到着です。公園内には吉田松陰が処刑された終焉之地碑があり、死刑執行時に打たれた鐘もあります。隣接する大安楽寺は境内が処刑場だったとのことで「江戸伝馬町処刑場跡」の碑が建てられ、延命地蔵が祀られていました（皮肉な命名！）。牢屋敷は明治になって間もなく市ヶ谷刑務所に移されて廃止されています。ここでのワークは、自分の墓碑銘を考える。園内にある吉田松陰の辞世を刻んだ「終焉之地碑」に因んで考えられたワークです。周知のように、吉田松陰は長州藩出身の思想家・教育者で、安政の大獄で死刑になった人物。彼の松下村塾から輩出した青年たちが回天の志をもって明治維新を断行していきました。処刑にあたって松陰が詠んだ辞世は「身はたとひ武蔵の野辺に朽ちぬとも　とどめおかまし大和魂」。この歌が当時の志士たちに与えた影響は計り知れません。ワークでは、自分が死んだら墓石にどんな言葉を刻んでほしいか、裏を返せばこんな人間になりたいか言葉にする、つまり自分軸を明確に表現するということが求められます。実行委員の説明を受けて実際に作業したのは私くらいでしょうか、時間が短かったように思います。私が書いてほしい墓碑銘案は、　　　思いとおこないを分かち難く　　　　自他共の幸せを追い続けた人　　　　　ここに眠る自分軸として、　　　私の喜びは自他共に笑顔で生きていけること　　　　私の楽しみは自他共に心豊かに成長できること　　　　　私の願いは人間が人間として尊重される社会をつくること公園を出発した私たちが次に目指すのは、浅草寺雷門。ここに到着すれば昼ごはんにありつけます。徒歩行軍の幟を掲げて「ＧＯ！　ＧＯ！」。ニンジンがぶら下がって勢いが出始めたのか、このあたりから各チームのスピードに差が出始めました。　若手が集まる我が黒チームはさすが早いです。人気アニメのフィギアが並ぶBANDAI新本社国道6号線、通称水戸街道に沿った浅草橋・蔵前周辺は雛人形や玩具、店装品を扱う会社がズラリと並んでいます。ドジョウ料理で知られた「駒形ごぜう」本店は開店早々で外にも来店者。「食べたい！」とかわめきながら、写真をパチリ。でも、写真では腹は膨らみません。ハラヘラシの我がチームは、どこで昼食をとるか歩きながら相談。3代目の父親と4代目で元経営コンサルだった息子の、「店舗経営バトル」がテレビで紹介された、雷門脇の老舗「ときわ食堂」が面白そうということで早々に決定してしまいました。食欲をそそる「駒形どぜう」本店のたたずまい先導の実行委チームに次いで雷門に到着です。「各チーム自由に昼食をとって、14時25分までに南千住・回向院に集結してください」との指示。あらかじめ食事場所を決めてあった我がチームは一目散に「ときわ食堂」へ。ラッキーなことにテーブルが１つ空いていました。広くもない店内は満席。数分後くらいから店の外に列が出来始めました。「先んずれば人を制す」とは、まさにこのことです。テレビで紹介されたとおり、「ときわ食堂」のメニューは新旧入り混じっています。昔ながらの丼物や定食があり「たこのカルパッチョ」があるという具合。番組によると「3代目と4代目が注文の多寡を競い合っている」のだとか。全体として、4代目の新メニューは値が高く設定されています。私たちは好みが揃って「ネギトロ丼定食」を注文しました。洗面所を借りたついでに厨房をのぞきこみました。4代目らしき人が奥で調理しています。戦場のような厨房に声をかけるわけにはいかないので、チラ見で席に戻りました。観光客で込む浅草寺雷門と「ときわ食堂」（写真左）込み合っているので、のんびりするわけにもいかず、食事を終えてすぐに出発しました。とはいえ、集合までまだ1時間以上あり、移動距離は２．5キロほど。「食べたすぐだから、おなか痛くならないようにゆっくり行こう」と決めて歩行開始です。東武線浅草駅前で6号線とはお別れ。都道464号線、通称吉野通りへ。この道路沿いには皮革関係の会社が多く、良質の靴や鞄などが安く入手できます。皮革産業は台東区の地場産業として全国に名をはせています。今戸を抜けると、いわゆる「山谷のドヤ街」になります。江戸時代から木賃宿（素泊まり専門の安宿）が密集していました。現在も「ドヤ」と隠語で呼ばれる簡易宿泊所が多くあって、日雇い労働者などが集まってくる場所。今は地名変更で「山谷」という住所はありませんが、南は東浅草から北は南千住、東は橋場から西は千束までに及び、大阪・西成のあいりん地区（釜ヶ崎）に次ぐ規模です。建て替えが進み、町並みはずいぶんきれいになりました。その代わり、昔のように200～300円で泊まれる宿は無くなりました。歩きながら見た看板では、鉄筋建ての個室で素泊まり2000円台、ＬＡＮケーブルなど完備でも3500円以下、古い雑居部屋なら1000～1500円くらいの料金設定です。アパートのような簡易宿泊所。室内設備はビジネスホテル並みという町は小ぎれいになり一見しただけでは分かりませんが、山谷に集まる日雇い労働者は、相変わらずピンハネ・賭博など暴力団などに食い物にされています。現在もキリスト教会などの炊き出し等が行われ、救済活動が続いています。聞いたところによると、最近はコミックマーケット（同人誌のイベント）で上京した若い人たちが、節約のためこのあたりの簡易宿泊所を利用しているそうです。時代の変化を感じます。足立区に住み、馬齢を重ねている私は周辺の道案内役。このあたりから草加までは詳しいのです。歩きながらニート・フリーターの問題も話し合いました。日雇い派遣をやめる必要があること、彼らに安定した職場を提供すること、あるいは「社内ニート」の声を取り上げ、仕事を通じて生きがいを見つける援助をすること、そのためにESクレドが有効だということ…泪橋交差点を過ぎるまで議論は続きました。地下鉄日比谷線・南千住駅下の陸橋を越えると、もう集結ポイント回向院です。予定より30分も早く到着しました。（また、長くなりました。回向院から草加までは次回へ）

  2008年10月29日

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  夢しか実現しない！　日光街道徒歩行軍の１

  日本ＥＳ開発協会の主催で「太陽の下のてらこや　日光街道徒歩行軍」第1日に参加してきました。第1日の行程は東京・日本橋から埼玉・草加市までの20キロです。この企画は「かっこいい大人を世の中に増やす」を合言葉に日本橋から栃木の日光東照宮まで142キロの道のりを歩き通すという壮大なもの。最近、社会や職場において蔓延しつつある「甘え」と「エゴ」体質が社会に大きな影響を与えており、それらを解決するには「感謝の心」への気づきが必要である。体験型研修を通じ、日ごろ気付かなかった「周囲への感謝の念」を取り戻し、気概を持って仕事に取り組む「かっこいい大人」を増やしていこう、という趣旨で始められました。歩き通して得られる達成感は「次の一歩」につながっていく、というわけです。開校式　「感謝の心と言葉を探そう」土曜日朝8時30分、東京駅近くのビルに集結した参加者は、おそろいのオレンジヤッケと名札・に身を包み、開校式に臨みました。まず、矢萩大輔会長が「今の日本では、思いやりを持って他人に接すことや、感謝の念から生まれる喜びや気づきを与えられることが、極めて少なくなっている。長い道のりを歩きながら、周囲への感謝のこころ・感謝の言葉を探してみよう」とあいさつ。続いて徒歩行軍実行委員長が、「日光東照宮の鳥居と陽明門の延長線上に北極星があり、星たちがそれを中心として回っていることを例に挙げ、会社は経営理念を中心として回っているが、揺るぎのない自分軸はなんだろうと考え、気づきを得ていきたい」と発言されました。講義　自分軸を持つ大切さ特別講義は、人材育成コンサルタントとして活躍しておられる篭池哲也先生。講演テーマは「自分軸を持つ大切さ」。41歳とお若いですが感銘を受けることの多い内容でした。出発前ということで短時間の講義にならざるを得なかったことが心残りです。講義のポイントを箇条書き風にまとめてみます。・行動することでしか結果は出せない。・行動の源泉は「感情」。感情は物事の受け止め方、解釈。感情から発して「何のために行動するのか」を自分でつかむ。・他人から入れられたスイッチは簡単にＯＦＦされるが、自分自身で入れたスイッチは簡単にはＯＦＦされず、行動が持続できる。・自分軸を持つとは、感情をコントロールして自分の価値観を発見すること。どのような自分軸を持つかによって、同じことをやっても結果が変わる。感情のコントロールを説く篭池哲哉先生・貢献／成長　　愛とのつながり／重要感／変化／安定という6つの感情のうち、自分は何を求めているか自覚すること。・マザーテレサは常に貢献を意識していた。貢献は愛とのつながり・重要感・変化の感情をコントロールできる。何のために行動したのか、自分のためより誰かのために！を大切にしてきた。・感情をコントロールし、人間関係を改善し、信念や価値観を発見すること。自分軸を持つと、中長期的に安定した感情を持つことができる。つまり、ブレのない行動ができるということになる。・自分が行動するとき、感情を形作るのはフォーカス、言語、フィジオロジーの三角形。これをコントロールすることで感情は一瞬に切り替えることができる。・フォーカスは信念。朝一番に新聞テレビのネガティブ情報を頭に入れるとポジティブ情報は入らない。朝はポジティブ情報を受け入れやすい雰囲気を作り、ネガティブな情報・発想を頭から排除しよう。・言語。プラスの言葉が人生に生活に効果的な役割を果たす。プラスの言葉を使っているとマイナス言葉・否定語は脳が理解できず、常に前向きでいられる。・フィジオロジーは身体の動き。何のためにやる！　今できることをやる！　予測を上回ってやる。（まとめがヘタでごめんなさい）サプライズ！篭池先生から金の「夢バッジ」プレゼント！！持っているのは日本女子ソフトボールチームと私だけ！！篭池先生と友人の福島正伸先生が、今年2月に日本女子ソフトボールチームの強化合宿に招かれ、激励講演をされました。日本チームはシドニーでアメリカに敗れ、五輪種目として最後となる北京で雪辱を期していました。その彼女たちに「夢しか実現しない！」と鼓舞されたのです。結果はご存じのとおり。金メダルを獲得したのです。なかでも上野選手は中学時代から「金メダル投手になる」という夢を追い続け、グローブには「総ては心から」「非常識に挑戦」という言葉を縫い付けて、2日間で3連投、413球をひとりで投げ抜きました。彼女たちが、北京に向けて追い続けた金メダルへの夢。その象徴が「夢」の金バッジなのです。篭池先生からいただいたバッジは、先生が彼女たちに贈られた特別なもの。彼女たちの胸を飾り「夢を実現した」奇跡の夢バッジを、私みたいなおっさんが頂戴したのです！！老いの身で徒歩行軍に参加したからか？　ちがいます！！強面の顔に先生が驚いた…？　ちがう！！ドスの利いた声でおねだりしたんだろう？　ありえない！今の気持ちを発表してくださいと、先生が講義の最後で参加者に促しました。どなたも遠慮して手を挙げません。わたしもそうでした。先生から再度の呼びかけ。意を決して「私がやります」と前に出たのです。ホワイトボードに名前を書いて、参加者の前で名乗りました。その時、篭池先生が「このバッジを進呈します」と差し出されたのが、貴重な「夢」バッジだったのです。わたしはお礼を言って自分の気持ちを発表しました。「皆さんとともに楽しみ、ともに苦しみ、ともに歩き切ります！」出席者の大きな拍手を得て、シャイなわたしは喜びと戸惑いと感謝で胸がいっぱいになりました。（長くなりましたので、徒歩記録は次回へ）

  2008年10月27日

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  バロックの流れる喫茶店　沼津

  沼津市街地に入り、前から気になっていた喫茶店「あずみ野」に立ち寄り。看板の「ネルドリップ１ぱいだて」がこだわりを感じさせます。店の入り口には「バロック音楽を聴きながら…」と書いた黒板が立てかけられ、ドアを開けると、いきなりコラール（ルネサンス時代の賛美歌）が聞こえてきました。店の一番奥の席に座って、改めて店内を観察すると、クラシック音楽のレコードが所狭しと収納され、真空管アンプと大型スピーカーが据え付けられています。歌声はこのスピーカーから流れているのです。レコード盤特有の音質がコラールのハーモニーにはよく合います。こだわりはコーヒーメニューにも。モーツァルトはじめバッハ、ベートーベン、ショパンの名を冠したブレンドがあります。私は開店32周年記念ブレンド、母ちゃんは悩んだ挙句フツーのモカブレンドです（おいおい、作曲家ブレンド頼まんのかい！）。味覚に鈍い私には違いはわかりませんでした。一見無愛想風なオーナーに声をかけました。紺の長Tにカーゴパンツ、首に手ぬぐいを巻いた、無精ひげのオヤジに低い声で尋ねられたオーナーは一瞬戸惑ったようです。私自身も言葉足らずですから、2人で片言の会話。以下（　）内は省略された部分です。「（今かかっているのは）バッハですか？」「グレゴリオ（聖歌）です」「バロック（のレコード）はほとんど…（揃っていますか）」コレクションを見まわしながら聞きました。「モーツァルトとバッハが好きで…それ以外は…ハイドンとか…（ありますよ）」「（宗教曲は）落ち着きますね」「お好きですか」「（バッハの）マタイ（受難曲）や（モーツァルトの）鎮魂レクイエム（などは素晴らしい）、初期バロックにも…（いい曲がありますね）」「いいですね～。後期（バロック）では…？」「私は（ヴィヴァルディの）調和への幻想、かみさんは（バッハの）トッカータとフーガが特に…（好きです）」「（バロックやクラシックは）よく聞かれるんですか」「（コンサートに行く）時間が取れないので、メディアプレイヤーとＭＤで…（聞いています）。ＣＤ150枚分くらいかな？」「それはなかなか（すごいですね）」「運転中とか、（自宅で夜中）仕事しながらとか…」オーナーは謙遜されていますが、コレクションは半端ではありません。きっと、リクエストすればクラシックの名曲を次々かけてくれるのでしょう。グレゴリオ聖歌が終わって、次にかけてくれたのはチェロ曲。スピーカーから1メートルほどしか離れていないので、重厚な低音がすきっ腹に響きます。母ちゃんが「何の曲？」というような顔でこちらを見ます。「バッハの無伴奏チェロ組曲。これはいい曲だよ。きっとオーナーの気遣いだね」この曲は、「鳥の歌」で有名なパブロ・カザルスによって真価を見出され、今ではチェロ奏者の聖典とさえ言われている作品です。心にしみるバッハの名作にすっかり寛ぎ、居眠りをはじめてしまった完全徹夜の私でありました。

  2008年10月23日

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  風にやられた秋アオリ

  沼津へ行ってきました。目的はアオリイカのコロッケ（今年生まれた15～20センチサイズ）狙い。母ちゃんの唐突な提案に、またしても乗ってしまった私です。午前3時ごろ沼津ICを降り、伊豆の西海岸を南下。途中の堤防は人だらけ。「エギング」の人が多いようです。アオリイカは餌木という小魚の形をした疑似餌で釣ります。エギングという言葉は餌木＋ing＝餌木でアオリイカを釣ることを意味します。それほど餌木（エギ）でのアオリイカ釣りがブームになっているのです。結局、夏に大物２ハイを上げた堤防に行きました。見た目、堤防上は明かりがまばら。これはラッキーと思って堤防に向かうと、場所取りのクーラーボックスがびっしりと並び、ライトも点けないで電気ウキでアジを狙っている人たちも。かろうじて先端付近に空きスペースを見つけました。夜からいる人、夜明けと共にやってきた人、堤防は人だらけエギをセットして投げ始めますが、アタリはありません。アジ狙いの人たちもヒマそうです。アジなどのベイトフィッシュ（アオリの餌になる小魚）がいないところにはアオリは寄ってきません。これは良くない傾向です。案の定クスリともアタリは無し。母ちゃんは1時間ほどで腕が痛いと言い出して、堤防下にディレクターチェアを置いて休憩。5時頃には「車で寝る」と行ってしまいました。私のほうは相変わらずエギを投入し続けます。天気予報より3時間くらいも早く、夜明け前から風が強まり始めました。近くの釣り人は、堤防上に置いてあった椅子を風に飛ばされて大騒ぎ。帽子を飛ばされた人もいます。こうなるとラインが風に流されて、どうにもなりません。ちょっと言葉では分かりにくいですが説明すると、アオリイカ釣りは、シャクリを入れてエギを海中で大きく動かしイカを誘うので、ラインの糸ふけ（糸のたるみ）は禁物なのです。アオリをゲットするまでの手順。エギを投げる。着水と同時にリールからの糸の出を止める。エギを沈ませ、糸ふけのない状態で大きくロッドをあおる。底に着いたエギが海面近くまで一気に浮かんでくる。アオリイカは「なんじゃ？」と思って、再び海底に落ちていくエギに抱きつく。１パイゲット！というセオリーです。海ですから、ベタなぎということはまずありません。多少の風なら竿先を風上に向け、水中に沈めるくらいにしてラインが操作できます。しかし、強風ではライン操作がほとんど不能です。名人なら何とかするのか分かりませんが、私の技量では糸ふけが大きく、ロッドをあおってもラインが動くだけでエギの運動がほとんどない、という状態です。つまり、イカがいても刺激できないということになります。靄にかすむ富士山。山頂はすでに冠雪している靄にかすむ富士山を撮ったり、堤防を散歩したりしながら、時たまは投げて、という感じで7時過ぎまで頑張りましたが、さすがに飽きてしまいました。他のエギンガーにも釣果はありません。場所を変えて挑戦しようと母ちゃんを起こして、風のなさそうな堤防へ移動。しかし、そこでも風が巻いて話にならないし、眠気でどうしようもないので撤収することにしました。アオリを土産に昼ごろ行くはずだった沼津の友人宅へ、朝っぱらから手ぶらで行くことに。母ちゃんの大学時代からの親友ですから、少々の厚かましさは許されるのです。ご飯を食べさせてもらって、昼寝させてもらって…。まあ、沼津まで旧交を温めに行ったということで、納得しましょう。

  2008年10月21日

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  紅葉を訪ねて　その２　絶景！芳ヶ平

  予定より早く雨が降り始めた金精道路から沼田を抜け草津へ。120キロの一般道走行ですが、全く渋滞はなく予定より1時間半も早く草津に到着しました。湯の香漂う草津。雲はまだ厚いものの天候は回復しつつあるようで、気圧計の矢印は右肩上がり。翌日の芳ヶ平トレッキングに期待が高まります。草津温泉のシンボル・湯畑。右の四阿屋は足湯この日は、草津での定宿「ペンション・らんぶる」でゆっくり温泉につかり、湯畑など散歩して早めに就寝しました。翌日早起きして、贅沢にも朝風呂。8時からの朝食を前倒しで準備してくれたオーナーに感謝しつつ、8時半には「らんぶる」チェックアウト。別に急ぐ旅ではないのですが、国道292号線は草津市街からヘアピンだらけの山岳道路になります。そのため、カーブでの観光バス同士の側方通過は無理で、手前で止まって対向車を通過させるので、紅葉シーズンは、あっという間に渋滞します。加えて、草津白根山レストハウスの駐車場は観光バスと自家用車で朝から埋まり、P待ちの車がレストハウス前から数珠つながりとなり、渋滞に拍車がかかるのです。経験上、9時までにレストハウス駐車場に到着できれば、P待ちせずにすみますから、大急ぎで出発したというわけです。駐車場は大混雑。芳ヶ平へ向かう人もそれなりにいます。観光地でもトレッキングでも驚かされるのは、望遠を装着した高級カメラ、重そうな三脚を肩に、大きなバックパックを背負った熟年の男女（爺さん婆さん）が多いということ。カメラブームの担い手は60～70歳くらいの世代なのです。困るのは、老人に共通の特徴か（お前もな！と言われるかな？）、見境なしに三脚を立て撮影に没頭するため、後続の人間が通れなくなること。もうちょっと考えてほしいもの。荒涼とした岩肌にしがみつくようなクロマメノキ群落活火山の草津白根山は荒涼とした山肌をさらけ出していますが、周辺は緑したたる高原の風情。その景色のコントラストが素晴らしい。火山岩に覆われた山腹にしがみつくように、それでも枝を大きく広げるダケカンバ・ナナカマド・クロマメノキ…。左手に山頂を見ながら歩いていると、そこかしこに「有毒ガス発生　立ち入り禁止」「火山ガス発生　この場所で立ち止まらないでください」の看板。鼻を突く硫黄臭が漂っています。山腹を回り込むように2キロほど歩くと、鮮やかな緑の帯が目に飛び込んできます。芳ヶ平ヒュッテの赤い屋根が見え始めました。遠目には草原と見紛うクマザサの淡い緑が絨毯のように広がり、円錐形に常緑の葉を茂らせるシラビソの森林が山腹を覆っています。この季節はカラマツやダケカンバの黄色、ナナカマドの朱色…が混ざり、まるで極彩色の錦織のようです。北欧かと思う芳ヶ平の風景。赤いヒュッテの屋根が景色に調和している今年は芳ヶ平ヒュッテの中には入らず、外の丸太ベンチで休憩。ヒュッテ裏に回り込んで池塘周回コースに入ります。池を渡る風になびく草紅葉。その描き出す黄金の波模様が絶妙です。ここでも、細い木道に三脚を立てて頑張る「カメコ」オヤジたちがズラリ。私でさえ何とか写真に撮れないかと思うくらいですから、いい写真を撮りたい彼らの気持ちは理解できなくもないですが、歩行者を通行止めにしてはいけません。芳ヶ平湿原の草紅葉。吹き渡る風が心地よい芳ヶ平の紅葉を堪能してレストハウスまで戻ります。ほとんど登り坂の3キロ。案の定、母ちゃんを杖で引っ張って歩くことになりました。わしのほうが年寄りじゃ！と言いたいけれど、そこは男の子ですからガマン、ガマン。「行きは良い良い、帰りは怖いだね」と、どこまでも能天気な母ちゃんです。本日のおまけは湯釜。遠くに見える火口への坂道は、相変わらず観光客で鈴なり。また、頭の中のゴチャゴチャの中から飛び出した連想があります。人間国宝の落語家・桂米朝さんの傑作「地獄八景」を題材にした、田島征彦さんの絵本「じごくのそうべい」。軽業師そうべいが地獄で大暴れするという話です。その冒頭の絵が針の山を登る亡者たち。「手には　おがらのつえをもち　糸よりほそい声をあげ　お～お～い」そんな光景を思い出してしまったのです。草津白根の山頂めざし、舗装道を登る観光客の列私たちもその群れに交ってコンクリート舗装の坂道を湯釜まで。バスツアーやマイカーの観光客は、フツーの格好で登っていきます。服を着せられた座敷犬まで同行する人も。そんな人の足元はサンダル履きだったりします。なんとも変な感じです。山頂は人だらけで写真を撮るのもママならない状態。記念撮影をして早々に退散しました。淡いエメラルドグリーンの湯釜。強烈な硫酸泉とのこと帰路は292号線を草津まで戻りましたが、山頂からのP待ち渋滞は草津市街地近くまで9キロ。最後尾とすれ違ったのは14時前だったので、16時にゲートが閉鎖される湯釜は間に合うはずありません。余計な心配をしながらの草津撤収となりました。

  2008年10月17日

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  紅葉を訪ねて　日光・草津　その１

  今年も行ってきました草津白根山・芳ヶ平の紅葉トレッキング。当初予定では土曜日に芳ヶ平、日曜日は志賀高原方面に足を伸ばす計画でした。ところが天気予報では土曜日の降水確率が日に日に高くなっていきます。金曜日夜になって土曜日の芳ヶ平は諦めることに。卓越天気予想を時系列で追いかけると、志賀高原も午前中は雨予想。同行する友人には待ち合わせ時間だけ連絡しておきました。さあどうする？　こんなとき、あっと驚く発想をしてくれるのが母ちゃんです。卓越天気予想とピンポイント天気予報を見比べていて、突然「まず日光、金精道路経由で草津へ行く。日曜は晴れ予想だから芳ヶ平。志賀高原は諦める」と。神のお告げ状態です。タイムスケジュール係の私は、走行距離などを計算し、母ちゃんの「お告げ」を検証します。日光湯の湖から草津まで１２０キロ。ずっと一般国道で移動です。「行けるかも知れんけど、草津は夕方になるよ」と答申すると、「日光は竜頭ノ滝と湯滝だけでいい。いろは坂渋滞は朝７時過ぎから始まるから、それ以前に通過。１５時までには草津に着くこと」とキツイ要求です。竜頭ノ滝を横から見るポイントで。私にしては芸術的出発前の計画変更などで結局ほとんど眠れないまま出発。７時過ぎには竜頭ノ滝に到着。直近の駐車場は早くも満車でした。少し離れた無料駐車場に車を停めて滝まで徒歩。駐車場に向かう途中で、男鹿川河川清掃に参加していた「こげ」さんにバッタリ会いました。世間は狭い！竜頭ノ滝前は観光客だらけ。見頃を迎え、鮮やかな紅葉が滝に映えています。最前列には「カメコ（カメラ小僧の略）」オヤジたちがごつい三脚を据えて、ズラリと陣取って動きません。ふざけんな！と思いつつも、朝っぱらから口論になってもイヤなので、彼らの隙間、頭越しにデジカメを差し出して連写。光量不足でシャッター速度が遅いうえ、無理な姿勢で撮影のしたため、手ブレ写真だらけになりました。右肩の写真は竜頭ノ滝茶店の街灯にかかる紅葉。滝を横から眺める位置を発見し、「ちょっとすみません」と写真を撮らせてもらいました。私にしては珍しく「芸術的写真だ」と思っています。滝の茶店で、名物・草団子を食べ、熱いお茶を飲んで、次のポイント・湯滝へ移動します。途中、竜頭ノ滝を上から見るポイントで路駐し紅葉を観賞。パトカーから速やかな移動を促され、早々に撤収しました（写真上）。奥日光・湯の湖から流れ落ちる湯滝。落下というより斜面を滑り落ちる感じの滝は高さ５０メートル、幅２５メートル。ここは広葉樹の黄葉が目立ちます。滝の上から滝壺まで階段が設置されて滝を横から見ることが出来ます。湯の川を跨ぐ歩道橋から見た湯滝滝壺から流れ出る湯の川は、マス釣りのＣ＆Ｒ区域で、夏場に行ったときには釣人が竿を振っていました。また、湯の川沿いに散策路が設けられ、森林浴が楽しめます。この散策路は心を癒すにも、愛を語るにもいい雰囲気ここでも「こげ」さんに遭遇しました。レストハウスで、温かいキノコ汁とアユの塩焼きを食べて、トイレも行って、この後のロングランに備えました。（草津へ続きます）

  2008年10月14日

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  ちょっと手に入りにくい「お宝」

  男鹿川の稚魚放流の日、ふと万葉集を思い出してしまう出来事がありました。放流と万葉集がどうつながる！？と言われそうですが、私の頭の中はいろんな事柄がゴチャゴチャになっていて、唐突に出現して結合していくのです。思い浮かべたのは、万葉集に収められた藤原鎌足の歌「吾はもや 安見児得たり 皆人の得難にすとふ 安見児得たり」（万葉集第2巻95）という歌です。意味は「私はついに安見児を得た。みんなが得難いという安見児を得た」となります。天皇家をしのぐほどの権力をもっていた蘇我入鹿をクーデターで打倒し「大化の改新」を断行した中大兄皇子（後の天智天皇）と鎌足。二人は一心同体のような「同志」でした。天皇は鎌足に安見児（やすみこ）という采女（うねめ）をプレゼントします。それを喜んで鎌足が詠んだ一首。偽作という説もありますが、鎌足の狂喜乱舞状態がよく表れています。采女とは、地方の豪族が姉妹・娘の中から美女を選んで後宮に上げた女官。天皇に見染められることもあるので、彼女らと臣下の恋愛・結婚は許されませんでした。天智天皇にとって鎌足は臣下以上の存在だったのでしょう。清掃・放流のとき、三依のアキオさんと母ちゃんがそれぞれ見つけたものがあります。母ちゃんは四つ葉のクローバー。注意力が高いのか、目聡いのか、川の中の魚にしても偏光グラスなしで、「ホラあそこ」と見つけてしまうのです。昔から四つ葉のクローバー探しでも特殊能力を発揮して、私なんかが「どこ？　ないよ」と言ってる間に見つけてしまうのです。今回も、放流が終わってワイワイガヤガヤおしゃべりしていた場所で見つけました。まさに「得難にすとふ」お宝です。アキオさんはヘビの脱け殻。それも断片ではなく頭からしっぽまでの完全なものです。写真がまずくてよく判りませんが、目も口もキッチリ付いています。セミならその辺にゴロゴロしていますが、これは「珍品」、「お宝」です。きっとアキオさんはカネと良縁を結べるでしょうね。私も少しくらいあやかれるかな？　これこそ「皆人が得難にすとふ」逸品です。なんで万葉集がこの場面で登場するのか、それは前日の懇親会が原因。ハンドルネーム・t-zaiさんの奥さまに会ったからなのです。ビックリするほど美人！！彼も背の高いすらっとしたイケメンなので似合いのカップルです。が、そこは老いたりと言っても私も男ですから、t-zaiさんにしつこく絡んで「どうして射止めたの？」とか馴れ初めを聞きだしたりして責め立てていたのです。ここで漁協支部長さんが強烈な一発。「この美人を口説くのは大変だったろうな。（うちの母ちゃんとシ●コ●ンさんを指さして）こっちのほうは簡単だ！」と。私としては、なんともリアクションの取りにくい状況でしたが、その時に藤原鎌足が頭の中のゴチャゴチャから飛び出してきたのです。「吾はもや 安見児得たり 皆人の得難にすとふ 安見児得たり」。いい歌だなあ。うまいこと、やったな！t-zaiさん！！

  2008年10月11日

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  男鹿川ビッグイベント！　河川清掃と稚魚放流　その2

  前日より雲量が多く肌寒い朝。この日は、おじか・きぬ漁協三依支部と「じねんと倶楽部」合同のイワナ稚魚放流です。塩原を６時に出発、集合場所の「古代村」に６時半到着しました。三依の気温９℃。ロッジ宿泊組は朝食の真っ最中です。食事を勧めてくれました。みんな本当に優しい！　車中でコンビニおにぎりを食べてきたので、お言葉に甘えてコーヒーだけいただきました。ああ、目が覚める！７時過ぎ、いよいよ会津の養魚場「フジぺスカドール」へ出発。会津・水無川の水流で優良イワナを養殖している業者さんです。到着まで１時間以上かかります。「じねんと倶楽部」の稚魚放流は、参加者が１口３０００円でイワナの稚魚を購入、自分の手で放流するという方法です（当日参加できなくても申し込んでおけば購入・放流は「倶楽部」で代行してくれます）。養魚場任せではなく、自分たちで養殖環境を見て、放流する魚をチェックするというのも、「放流」についての認識を高める上で有効かと思います。右の写真は放流参加認定証・記念バッジ・Ｔシャツ。養殖槽群は金網で厳重に管理され、靴を消毒してからしか入場できません。案内された養殖槽で見せてくれたのは２年ものの稚魚で、体長は１０センチ近くあります。そのイワナを参加者が順次すくい上げて計量（２０キログラム・１０００匹くらい？）。それをタンクに移し替え、酸素を出し続けて三依まで陸送です。それら作業を「じねんと倶楽部」の世話人さんたちが、見事にリードしていました。イワナ稚魚を養殖槽からすくい上げる女性参加者出発前に、チビッ子たちの親魚を見せてもらいました。まさに「潜水艦」。コイほどの大きさで丸々と太ったイワナたちが自然渓流の中で悠然と泳いでいます（もちろん交雑したり流されないための仕切りはあります）。サケのように腹を裂いて採卵するのではなく、産卵時期になると麻酔をかけ卵と精子を絞り出して受精させるのだそうです。「じねんと倶楽部」は、ここに泳いでいる親魚たちから生まれた稚魚を購入しており、水産試験場の遺伝子分析を受けた、身元が明らかなイワナを放流しています。１０時、三依に戻った私たちは漁協支部の放流魚トラックと合流。漁協のイワナは体長５センチ足らずで、「じねんと倶楽部」分と同じ個所に放流するのは危険なサイズ。１０センチのイワナが５センチのイワナを餌にしてしまう可能性があるのです。世話人と漁協役員が相談して放流方法を決め、いざ出発！漁協トラック・じねんと軽トラに続き、私たち放流ボランティアが車に分乗して、三依の山道を登っていきます。まず「じねんと倶楽部」のイワナたちを数か所に放流。ポリバケツに稚魚を入れ、足場の悪い入渓路を慎重に下り、そーっと流れに放すのです。稚魚にダメージを与えないように、参加者は全員が緊張した面持ち。放された稚魚は環境の変化に驚いているのか、少しの間群れたまま動きません。が、しばらく見ていると、四方に散っていきました。参加者は「鳥や居付きの成魚に食べられるんじゃないよ！」「再来年会おうな！」など声をかけていました。漁協役員さんの指導を受けながら放流する、真剣な表情の母ちゃん次は漁協のイワナたち。５０キログラム・５０００匹ほどを「じねんと」分とは離れた地点に放流していきます。とにかく小さいので、人間が手で触れただけでも死んでしまいそう。慎重が上にも慎重に放していきます。バケツから出たちびっ子たちは、その位置で群れになったまま。まるでオタマジャクシ状態です。水中カメラで撮影しても動かず、人間が動いて石の音がすると、やっと散らばっていきました。こちらは、あと３年くらい経たないとキープサイズにはならないでしょう。それまで、男鹿川の流れに身を隠し、また、揉まれて逞しく成長してほしいものです。広い世界に旅立つ稚魚たち。放流直後はジッと呼吸を整えているようだこうして放流された稚魚たち、あるいは自然な産卵によって成長していく稚魚たち。成魚になる前に「唐揚げにするとうまい」などと持ち帰る人が少なくありません。せめて、漁協が定めている１５センチに達するまでは、釣れても必ずリリースしてほしいという思いを強くしました。ちなみに、私を含め「じねんと倶楽部」に関わっている釣り人たちには「２０センチ以下リリース」と自分で決め、実行している人が多いようです。また、砂防ダムの建設で砂に埋もれる場所が増えている現状、またカワウが観察されている報告を見聞きするにつけ、男鹿川でも本格的に産卵礁設置を検討すべき時期が来たのではないかと考えます。

  2008年10月08日

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  男鹿川ビッグイベント！　河川清掃と稚魚放流　その１

  １０月４日と５日に開催された「男鹿川じねんと倶楽部」のビッグイベント、河川清掃とイワナ稚魚放流に、母ちゃんと参加しました。１日目は河川清掃。「じねんと倶楽部」は、栃木県の「愛リバーとちぎ」認定団体として、年３回の河川清掃を行います。昨年以来、回を重ねるごとに地元の方々の協力も徐々に広がってきて、今回は中学生と小学生のお嬢さんとお父さんの親子連れ、非番の駐在さんも参加してくれて、和気あいあいの中、川原と川沿いの道にポイ捨てされているゴミ拾って歩きました。姉妹仲良くゴミ清掃。母ちゃんに学校のことなど楽しそうに話してくれた１３時、おじか・きぬ漁協の組合長さん、同三依支部長さんの激励を受けスタート。３班に分かれて横川・入山沢・芹沢の清掃を開始しました。今回はコスミック出版の記者さんも同行取材しています。さあ、集めるぞ！と意気込んで出発しましたが、ゴミは確実に減っています。写真を見比べれば分かりますが、４月は２トン車１台と軽トラック２杯分集まったのに、今回は軽トラ２杯分だけ。参加者が「ゴミが減って嬉しいけど、ちょっと物足りない感じ」というほどです。私は今回も４月も芹沢を担当。川の中を歩いてゴミを回収しましたが、確かに量は減っていました。今回のゴミ。下の写真は４月のゴミ４月２０日の日記にも書きましたが、「ゴミはゴミを呼びます」。ゴミの落ちていない場所にゴミは捨てにくいのです。今回の清掃は、男鹿川のゴミが減り、捨てにくい環境が少しずつ広がっていることを物語っています。今後も地道に河川清掃を続けていこうと思いました。１６時、分別を終えて終了。参加者は中三依駅近くの源泉１００％温泉「男鹿の湯」で汗を流し、１８時からの懇親会まで休憩です。腹減らしの私と母ちゃんは、温泉より先に「つちや食堂」に駆け込み、もりそばとカツ丼を腹の虫押さえ。辛抱のない夫婦です。笑いに包まれて盛り上がる懇親会１８時から懇親会スタート。河川清掃の達成感と温泉でのリラックスで会は最初からハイテンション。自己紹介でいよいよ打ち解けた参加者は、男鹿川への想い、釣りのテクニック、いろんな体験談など、バーベキューを囲んで、夜遅くまで語り合いました。（２日目のイワナ稚魚放流へ続く）

  2008年10月05日

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  小泉改革とは国民生活破壊だった！（前回の続き）

  小泉さんの内政のブレーンは当時慶応大学教授だった竹中平蔵氏でした。竹中氏は「新自由主義」論者であり、小泉政権下でその理論を実践したのです。小泉改革の基本は「ルールなき競争原理」「新自由主義」という耳慣れない言葉を少し説明します。産業革命以来、資本主義の根本原理であった自由放任主義の欠陥が世界恐慌を引き起こしたとの認識が深まるなかで、行き過ぎた自由競争に統制を加え、公共事業による景気調整、主要産業への規制など、国家が経済活動に積極的に介入するようになります。国家予算拡大や資本の蓄積を行い、年金・医療･福祉など社会保障の拡大、生存に関する権利を擁護して、資本主義経済を安定化させようとしました。いわゆる「大きな政府」「福祉国家」と呼ばれる修正資本主義です。しかし、1970年代のオイルショックに始まる世界経済の混乱と低成長のもと、主要各国が慢性的不況によって財政赤字が拡大していきました。経済活動でも不況とインフレが同時進行（スタグフレーション）し、勤労者保護や高賃金を前提としたやりかたが破綻、資本主義経済はまたしても窮地に立ったのです。ところが、社会主義国家での官僚支配、非民主的国家統制などによる崩壊が発生したために、社会主義への期待感は地に落ち、１９３０年代のような社会主義運動の高まりもなく、資本主義の構造的矛盾を解消もできないまま、新たな経済理論が広がりました。資本主義経済の破綻は、国家による経済への介入と政府部門・官僚組織の肥大化にあり、それを排除するという理論です。市場原理主義に基づく財政再建、福祉および公共サービスの縮小、公営企業民営化、外国資本への市場開放、規制緩和による競争促進、勤労者保護廃止などの経済政策を主張します。竹中平蔵氏が信奉する「新自由主義」。小泉改革の内容と見事に一致しています。国民生活の「セーフティーネット破壊」を促進小泉政権は、財政収支改善を掲げ次々と政策を実行したが、それらは「市場万能主義」に立脚した、国民生活を犠牲にする政策の連発でした。結局、財政再建どころか、いとも簡単に公約を投げ捨て、国債発行額を増やし続け財政赤字を拡大させたのです。「自己責任」という言葉が流行しましたが、これは小泉さんのキャッチフレーズ。貧困も健康も格差も「自己責任」で解消してしまう小泉政治を象徴する言葉でした。しかし「自己責任」で処理されるのは一般の国民だけ。銀行救済などに見られるように大手企業へは手厚い保護がなされていました。財政収支改善のために「歳出削減」が必要であることは、多くの国民が賛同していました。しかし、国民が期待した「歳出削減」は、膨大な公共投資の無駄、官僚の天下り利権、政官財一体の癒着利権などであったはずです。実際に行われた「歳出削減」の中核は、「セーフティーネット破壊」でした。「障害者自立支援法」、「後期高齢者医療制度」、「生活保護圧縮」、「社会保険料率引き上げ」、「所得税増税」、「医療機関窓口負担増大」など、一般国民に対する社会保障給付が大幅に削減されてしまったのです。前回に続いて、小泉改革の中身を見てみましょう。美辞麗句を並べ立てた内閣府パンフレット●地方自治体三位一体とか言って、地方公共団体の「財政健全化」政策を進めました。国庫補助負担金の廃止・縮小、税財源の移譲、地方交付税の見直しの３点を同時に実施しました。自治体にとっては、税財源移譲でプラスになったものの、それをはるかに上回る交付税削減のため、深刻な財政難を一方的に押し付けられたことになります。現実に財政破綻した自治体が急増しました。このところ問題になっている市民病院の廃止も財政難から起こされた問題です。地方交付税削減と抱き合わせに展開されたのが「０５年までに合併すれば、合併年度後10年度に限り、合併市町村建設計画に定めた事業などについて合併年度後10年度に限り、その財源として合併特例債などの破格の特例が受けられる」という措置。合併騒動でこの特例借り入れを行い、逆に財政悪化を招いた自治体まで現れました。俗に言う「合併バブル」です。合併を促進して、地方自治体を切り捨てる政策です。その結果、何が起こっているかは「合併」を経験した住民が一番よく分かっているはずです。広くなった分、周辺部の住民サービスが著しく低下し、「棄民」状態で放置される自治体が増えたのです。●民営化「民でできることは民で」をスローガンに民営化が促進されました。国立病院、国立劇場、国立大学･･･道路公団、住宅金融公庫、公的介護制度･･･。医療機関の民営化は、医療内容が利益の高いもの優先となり、非保険治療の果てしない拡大を招きました。採算以前に国民の健康と生命を守る最前線であるべき公的医療機関が利益を追求する団体になってしまいました。また、国立大学の法人化によって、研究費の捻出のために、企業からの委託研究や研究生を大幅に受け入れ、直ぐに商品化できる研究開発優先という状態が生まれました。基礎研究が疎かにされ商品化研究ばかり優先されれば、十分に安全性･有効性が検証されない商品が垂れ流しになる危険があると、研究者は嘆いています。公的介護制度を規制緩和と連動させて民営化した結果、「シルバー産業」という業界が急成長し、介護を受ける側とヘルパーの犠牲の上で利潤を上げ続ける大手チェーンまで現れました。小泉政権が何より重視した民営化は、郵政民営化のほか金融公庫と道路公団でした。この３つの民営化は、すべて特定の利害関係者に利益・利権をもたらすものです。「郵政三事業」では、郵貯・簡保の３５０兆円の国民資金を狙う、国内外の金融資本の「郵政は民業圧迫、グローバル化に逆行」という主張を全面的に取り入れました。そして「住宅金融公庫」廃止も、銀行業界の「民業圧迫」を受け入れて、利益率の高い住宅ローンビジネスを全面的に丸投げしたのです。道路公団の民営化では「特定財源」「天下り」と「高速道路建設の凍結」が大議論になったものの、「天下り」も「特定財源」も「凍結」も元鞘で、民営化だけが強行され、民営による新たな利権構造が成立しただけです。●規制緩和・格差拡大「市場原理主義」に基づいてさまざまな分野で規制緩和が行われました。人々の生存に関わる部分についての規制緩和の影響は、よく知られているところです。耐震偽装事件の起こりは建築確認の規制緩和によって民間検査機関に丸投げした結果でした。頻発した長距離観光バスの事故は、運輸事業の規制緩和による安売り競争の結果生じた、運転手の長時間労働でした。タクシー台数が増えすぎて売上げが低下したためにタクシー基本料金が値上がりしました。これもタクシー業の規制緩和が生んだものです。金融や株取引をめぐるさまざまな規制も撤廃され、小泉さんが「貯蓄から投資へ」と進めてきたなかで、ライブドア･堀江氏のような投機屋が「成功」し事件を引き起こしていきました。当時の安倍官房長官は「堀江さんの仕事の成功は、小泉改革の成果、規制緩和の成果だ」と述べ、総選挙では小泉さんがホリエモン応援に駆けつけたことも知られています。「ヒルズ族」とか「勝ち組」とか格差是認の言葉が世の中に氾濫していきました。労働行政の規制緩和が、非正規労働者と日雇い派遣を大量に生み出し、ワーキングプアと呼ばれる貧困層の激増を招いて格差社会を決定付けています。最近の汚染米転売事件では、米販売の認可制を登録制にしたよる異業種からの業界参入と農水省の無管理状態が問題にされていますが、これも規制緩和の産物です。そのほかにも、小泉改革なるものが国民生活を根底から揺るがした事例はたくさんあります。主婦層･子供･シルバー層は「ＩＱが低い」！？こんなありさまの小泉改革であるのに、なぜ国民的人気が高かったのでしょう。国会で暴露された、竹中平蔵氏が関与した郵政民営化推進キャンペーン方針を思い返しましょう。キャンペーンでは、国民を「ＩＱ（知能指数）」で分類し、「ＩＱの低い層」を対象としたＰＲ戦略が実行されました。「ＩＱの低い層」を「Ｂ層」と命名し、「主婦層と子供」や「シルバー層」を中心とする国民が「Ｂ層」に分類されました。「Ｂ層」の定義は、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣官僚を支持する層」と説明されています。有権者を「Ｂ層」と蔑みながら、「イメージ」だけで高い「支持率」を獲得。だましの手法で得た大量議席をバックに、「改革」法案を独裁的に成立させていったのです。自民党のテレビＣＭ。内容のないイメージ広告忘れてならないのは、小泉さんの暴走を制止するどころか助長したのがマスコミです。マスコミ各社は「改革」の言葉だけを連呼し、何となく「改革」とは良いものだという印象を与え続けました。内閣が変われば「少しは良くなる」「何か変化する」という幻想を与える役割を担うマスコミの「報道」を鵜呑みにしてはとんでもないことになります。「社会の木鐸」としての役割はとっくに放棄していることを忘れてはなりません。マスコミはスポンサーには無抵抗であり、放送事業は政府に首根っこを押さえられているのですから。「イメージ戦略」にだまされず、政策の見極めを!先の自民党総裁選で５人の候補者が「お祭り騒ぎ」をして、マスコミも「小泉改革の放棄か継続か」というような捉え方で報道していました。しかし、どのような装いをして自公政権が政策を唱えても、また、小泉さんが言っていたように「自民党の兄弟」である民主党が目先を変えて政策を発表したとしても、なんら国民生活や中小企業経営が根本的に改善されることはないでしょう。なぜなら、自公民は「新自由主義」の枠組みでなされた小泉改革の土俵のうえで、どうでもいいような「小競り合い」を見せては居ますが、大企業優先・国民生活犠牲の政治を共同して進めてきたのです。来るべき総選挙において、一時的な人気や芸能人の知名度、口当たりのいい中身のない選挙用公約に惑わされず、どの党がどの候補者が、誰の利益を代弁している政党なのか見極めなくてはならないと考えます。言い換えれば、小泉さんの本当の考えを冷静に聞きもせず、かっこよさに惑わされて、マスコミも一緒になって「コイズミサ～ン」とキャアキャア騒いでいた結果、多くの国民生活破壊政治をスルスルと許したことを振り返る必要があるということ。今度また「アソウサ～ン」と騒いでいる間に、さらに厳しい生活を送らなくてはならないような政治が進行する危険があるということ。テレビＣＭで麻生さんがどんなに色好いことを言っても、それに惑わされず、政策の一つひとつを見定めなくてはならないと思うのです。

  2008年10月01日

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• 小泉改革とはなんだったのか？

  母ちゃんの父母と久しぶりの飲み会です。出版社に勤めていたオヤジさんはなかなかの論客で、意見の聞いていると面白い（酔っ払うと、話が循環しはじめ論旨が怪しくなりますが･･･）見方をしています。今回の意見は「小泉改革」について。本人が年金生活の後期高齢者ですから、話には実感がこもり、テレビなどで評論家や代議士などが功罪について無責任に論じているような甘い調子はありません。話を短くまとめてしまうと、「政治家としての手腕、カリスマ性は戦後政治の中でも随一だ。でも、改革の中身は金持ちや大企業には大きな功績、庶民の暮らしには最悪だった。庶民の生活実態を判りもしないで、自分の信念だけで押し切った人」ということになります。やはり核心を突いた鋭い意見です。なぜ、オヤジさんの意見が鋭いと感じたのか、「小泉改革」なるものを２回に分けて振り返ってみます。政治手腕について田中真紀子代議士に「変人」と呼ばれた小泉純一郎という政治家は、たしかにユニークな存在でした。自民党という政党に所属し、派閥にも参加していながら「アウト･オブ･眼中」。国民生活に対しても同様です。彼は、自分の信念にのみ忠実であって、自民党総裁・総理大臣という絶大な権力を把握した時点で、それを武器にして「なりふり構わず」日本の政治と国民生活を引っ掻き回しました。人心掌握は巧みでした。「古い自民党をぶっ壊す」「改革断行」」「私の政策を批判する者はすべて抵抗勢力」、貴乃花優勝時の「感動した！」など、判りやすく短いフレーズを断固言い切る、そして繰り返すのです。その昔、ナチスのゲッペルス宣伝相が「ウソも100回言い続ければ真実になる」と公言して、ドイツ国民を思想動員し世界を戦争に巻き込んでいったやり方と共通しています。ご長男・孝太郎氏が俳優であることも「理解ある父親」と好感度を高め、前妻と分かれた後独身を通していることさえ、オバサマ方の「純ちゃん」人気の要因になったとも聞きます。さらに、芸術･スポーツの趣味が豊かで、Ｘ－ｊａｐａｎのファンであることを吹聴し、オペラには特に関心が高かったようです。オペラ観賞といえば、ドイツ訪問の際、ヒトラーがこよなく愛したワーグナーのタンホイザーを聞いたと報じられています。そう言えば、国会での所信表明で「ダーウィンの進化論を経済活動に取り込め」と発言しています。ヒトラーが進化論を歪曲して、社会的弱者を切り捨て、ユダヤ人を淘汰されるべき劣等民族と決め付け大虐殺を進めたことを、小泉さんは知っていなかったのでしょうか。それとも知っていて、国民には分かるはずがないと考え、「弱肉強食」の国にすると暗に宣言したのでしょうか？「改革」の内容はどうだったか？力強い口調で「改革」を宣言し、あたかも日本の政治経済が国民本位に改革されるかのような幻想を振りまきながら、国民に大きな負担を強いる政治を続けました。「郵政民営化は改革の本丸」と宣言し、「国民生活の根幹」に関わるかのような粉飾を加えて、過大に宣伝しました。自民党内の反対を独裁的に抑え込んで、国民には「自民党政治を変革してくれる」かの幻想を与え、衆院選に圧勝。公明党も巻き込み、衆院優先の制度を「悪用」して、次々と国民生活破壊の法案を成立させました。●郵政民営化日本の郵便制度が地方で果たしている重要な役割を無視して、小泉さんが永年主張してきた民営化を強行実施しました。年金受け取り･地域のコミュニティの中核など役割が多かった郵便局を統合、結局は過疎地域などのお年寄りに不自由をかけています。郵政省＝郵政事業庁＝郵政公社＝日本郵便へと名称を変え、組織をいじくってきただけの民営化に何の意味があったというのでしょうか？　システム変更に絡んだシステム開発会社、看板屋さんと印刷会社、制服屋さんはボロ儲けかもしれませんが、私たちは、面倒な手続きがあっただけです。民営化に伴いどれほどの税金が無駄に使われたのでしょうか？●不良債権処理公的資金の注入で150兆円にも及ぶ銀行の不良債権処理を行いました。国民の税金を投入してまで乱脈・放漫経営する銀行を救済することに反対が強かったにも拘らず、強行しました。これで救われた大手銀行は軒並み自民党への政治献金を再開しています。国民の血税が自民党の懐に転がり込んだのです。不良債権で血税が使われた以外に、もっと深刻な事態が発生しました。ひとつには中小企業に対する貸し渋りと貸しはがしです。厳しい再建策を進める銀行にとって、不況の中小企業に対する貸付はバクダンのようなものです。貸し倒れを未然に防ぐため、貸さない、貸してあったものは直ちに返済するよう圧力をかけました。これで、倒産に追い込まれた中小企業は多かったのです。もうひとつは、法律上認められた債権回収会社の暗躍。小説「ハゲタカ」でも有名になったハイエナ企業です。小説では大手が舞台でしたが、実際は不良債権化された中小企業の借金を、十把一からげで買い叩き（債権額の１％以下とも言われています）、その債権譲渡書で返済を迫るのです。狙われた会社は一家離散・自殺にまで追い込まれるという状態が全国で起こりました。●医療改革すべて列挙することは控えますが、小泉さんの医療改革は「弱者切捨て」のオンパレードです。小泉さんが厚生大臣だった当時から、省内の官僚と経団連などは「高齢化社会で医療費が増え続ける。国家財政が破綻し、企業の健保負担が大きくなって、経済発展しなくなる」という「医療費亡国論」を展開していました。しかし、４０兆円近い医療費のうち国の負担は８兆円。財政負担が大きいというのは単なる宣伝です。税金の無駄遣いを圧縮すればなんてことはないはず。にもかかわらず、小泉さんは首相に就任するや「聖域なき構造改革」をぶち上げ、医療制度改革関連法案を国会で強行可決し、実行に移しました。入院費のうち食事などの保険適用をはずしました。また、サラリーマンの医療費負担を2割から3割へ、70歳以上の夫婦世帯で年収約621万円以上ある家庭は2割から現役世代と同じ3割へ引き上げ。いま、大問題になっている後期高齢者医療制度も、一連の医療制度改革で決まっていました。国民の窓口負担を引き上げる一方で、 診療報酬は連続で引き下げ、医療機関の経営を圧迫し続けたのです。そのため赤字の減少・医業収入の増加を果たすには歳出を削減せざるを得ず、人手がかかる小児科等が閉鎖されるようになりました。より良い医療をより便利に受けたいという国民の声とは正反対に以前よりも低質な医療しか受けられなくなっていったのです。現在問題になっている医療崩壊の引き金を引いたのは、紛れもなく小泉政権でした。次回へ続く

  2008年09月28日

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  還暦から早１年。心もとない「決意」

  還暦を迎え、あっという間に1年たちました。会社の若い営業マン2名の誕生日が近いので、毎年恒例のように会社で「ハッピー　バースデー　ツーユー」。なぜかケーキは当の営業マン2名が自前で買ってくるのです。私の持ち分は周囲に居る社員たちに自販機のドリンクサービス。みんなのプレゼントは「おめでとう」の言葉。今回も、出先から会社に戻ったところで、いきなり座らされスタート。時間はもう19時頃です。残っていた社員たちに囲まれて「お誕生会」です。傍からみると、馬鹿馬鹿しいかもしれませんが、なんとも微笑ましく、癒されました。61歳まであと2日。あわただしく駆け抜けた1年を振り返って反省点だらけ。秋の夜長、デスクに向かい、「今年こそ、ペースダウンしなくてはいけない」と自分に言い聞かせています。いまの「異常」な生活を改めなくてはいけません。まず仕事。ほとんどすべての問題が私を経由する今の状態を改め、家に持ち帰らないようにする。でも･･･、クレド作成、人事制度・給与体系の再構築、社員研修、新規事業･･･どれも若い人らに任せ放しにできないし･･･。仕事以外にやることを整理して、睡眠時間を6時間確保する。当たり前になっている3時間、長くて４時間半睡眠を、6時間に伸ばすには相当工夫が必要です。でも･･･、読みたい本は山のようだし、テレビもＤＶＤも見たいし、自然保護や歴史などいろいろ勉強もしたいし、釣りや行楽の準備も･･･あっブログも。でも、でも、でも･･･言い訳はいくらでも出てきますが、こんなことでは、来年の今頃も同じことを書いていそうです。イメージとしては、遊び盛りの子供が「眠るのイヤだ！　もったいない」と駄々をこねるのと同じレベルです。幼児返りしてるのかなあ。07年還暦祝いの北海道。能取湖のサンゴソウをバックに、威張ってます冗談抜きに、タバコの本数を減らさないといけません。仕事に追い詰められ、生活サイクルが乱れてきたのか、タバコの本数が急増、今日なんかは朝から40本以上吸っています。そのせいでしょうか、不整脈が毎日続いています。血流も芳しくないようで、腰の鈍痛と下肢のシビレ感が徐々にひどくなって、階段の昇降が面倒くさい状態。頑丈な体なのに、無茶苦茶な酷使が祟って心臓にはバクダンが居座っています。そろそろ、労わってやらないとアウトかもしれません。体重を減らし、筋力の衰えを防止しなくてはいけません。基礎代謝が相変わらず１８００kcalあり、体脂肪率が22％の筋肉質であるのをいいことに、「大脳は大飯食らいだ」などと夜にガンガン食って（夕食が22～23時、夜食が3～4時）いる生活を改善しなくては。筋トレを何年もしていないので再開しなくては。母ちゃんからは95歳まで生きろ！と言明されています。私が95歳だと母ちゃんは80歳ですから、いつ逝っても惜しくない、というのが理由です。それまでこの心臓が耐えられるかどうかはともかく、努力だけはしないと母ちゃんに恨まれてしまいます。61歳にあたり、上記実行することを誓います？　努力します？　できるだけ頑張ります？　頑張れたらいいなあ？　頑張れるかもしれない？　できないかもしれないけど取りあえずやってみます？･･････。ナンやねん。ひとりボケツッコミです。

  2008年09月25日

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  君は落語のネタになる！　　男鹿川釣行　番外編

  クモが目印！？渓流釣りというのはデリケートな要素の多い釣りで、流れのどこに餌を投げ入れてどう流れに沈めて、どこで食わせるというセオリーを組み立ててからキャストします。５０センチ、いや３０センチずれても魚は釣れません。広くて常に変化する川の流れの中で、自分のセオリーどおりに餌を流すのですから、神経を集中させてキャストし、流れに仕掛けを送り込まなくてはなりません。竿の長さ６メートル、仕掛けは髪の毛より細い５メートル以上のハリスにゴマ粒２個分くらいオモリを付けたもの。これを思いどおりに操って、狙った流れの筋にピンポイントで投入するわけです（これで毎回釣れるわけではないのが釣りの面白いところです）。１匹釣れたポイント近くには、ほかの魚も定位していることが少なくないため、釣り上げたポイント・流れの筋を記憶し、投入動作をピッタリ再現するのも、釣果を伸ばすうえで大切なことになるのです。ちなみに、こうした基本動作ができなくても魚がかかることもあります。それは「釣った」のでなく、ただ「釣れた」というだけの話で、渓流釣りの愛好者としては納得いかない釣果ということになります。うちの母ちゃんは魚の取り込みがヘタで、キープサイズを釣り上げると川原に置いてから針を外すことが多いのです。そのため、自分も移動しなければなりません。釣りを再開するときには、どの位置に立ってどの流れに餌を投入していたのか分からなくなることがあります。立ち位置のちょっとのずれで釣果が変わることもあるので、母ちゃんは「？」と考え込んでしまうわけです。今回の釣行でのこと。魚がかかって移動するときに「この場所を覚えなくては」と気づいて目印を探しました。足元の石に足の長いクモがのっかっています。「クモの乗っている石」と記憶して、魚をビクに納めて戻ってみると、どの石だったのか分からなくなりました。クモがいなくなっていたのです。その話を聞いた私。（柳亭痴楽か桂米丸か忘れましたが）モダン落語の中にあった話を思い出して、母ちゃんに話してやったら、抱腹絶倒していました。その話とは、道を尋ねられた男が親切に道を教えてやるのですが、「この道の先にイヌが昼寝をしている四つ辻があるから、それを曲がって…」と、目印にならない目印を教えたため、道案内の役に立たなかった、というものです。思わず「君は落語のネタになる！」と褒めてしまいました。酒抜きのはずが…「じねんと倶楽部」釣り談義１４日は、夕方から蕎麦処「古代村」で「男鹿川じねんと倶楽部」の釣り談義。お招きを受けて母ちゃんと参加しました。当初の予定では「アルコール抜き」のはず。テーブルの上にはお茶のポットと名水のポットがセットされています。特製のサラダそばもテーブルに並べられました。酒抜きのはずが･･･カンパーイ（nasaさんの写真を拝借）ところが、着席するや、いきなりメンバーが「ビールがなきゃ話になんめえ！」と言い出して、ジョッキを用意し、ビールサーバーを操作し始めました。ビックリです。「勝手知ったるなんとやら」の光景。炭火で焼いたカジカも出てきました。古代村オーナーで「じねんと」の会長でもあるNasaさんが「酒飲むんだったら、つちやへ行けよ」と言うのを聞き流して「カンパ～イ！」となりました。Nasaさんも「しゃあねえな」とばかり苦笑い。この日飲まなかったのはNasaさんと、塩原まで運転するうちの母ちゃんだけ。困ったものです。とはいえ、私もきっとこうなると予測して日本酒とつまみをぶら下げてきたのですが…。酒も適当に入って談義は盛り上がりました。源流域の本当に源流部、車止めから延々と２時間くらい歩いて辿り着くポイントには、「潜水艦」と呼ばれる巨大イワナがいる話。クマに遭遇した時に撃退する方法。キノコ採りで毎年死者や行方不明者がでて大騒ぎになる話……２２時頃までいろんな話が聴けました。見た目は悪いが、めちゃ美味いカジカクマ撃退の話のとき、母ちゃんが質問「カンシャク玉ではだめかしら？」。地元のアキオさんが大笑いしながら「川の中にいたら、投げても音が鳴んねえべ！」。母ちゃんはやっぱり可愛いです。不可解すぎる母ちゃんの行動…釣り談議が終わって、酒を飲まずお茶で頑張った母ちゃんの運転で塩原に戻ってきました。保養所の駐車場の手前で急停車、母ちゃんが車から降りました。「？　駐車スペースに入れにくいから変われということ？」違いました。ものも言わずにいきなり隣のホテルに向けて走り出したのです。「？　トイレ？」ホテル駐車場まで行った母ちゃんが、今度は全力疾走で戻ってきます。「？　こわれたか？」戻ってきた母ちゃんは興奮して言いました。「ラーメン！　夜鳴きそば、き、来てる！！」前日からラーメンが食べたいと言っていた母ちゃんが、夜そばのチャルメラ（テープですが）の音をキャッチして、「逃がすものか」と突っ走ったというわけです。軽トラに屋台をしつらえた、おばさんのラーメン屋さんが、ホテル駐車場で店開きの準備をしていました。私たちが一番乗りの客でした。ラーメンを待ってる間に「なんかチャルメラの音小さくない？」と聞いてみました。おばさん曰く「あんまり大きいと、宿泊客からクレームがついて警察呼ばれるから…」とのこと。赤ちゃんがびっくりして大泣きしたり、たまたま試合に来ていたアスリートやゴルファーがいらついたりして、怒られるらしいのです。ホテルからお客さんが続々とやってきます。２２時半を過ぎていますから、ちょうど小腹がすく時間なんでしょう。おばさん、よかったね。ラーメンはシンプルなしょうゆ味。スープの色は濃かったけど夜鳴きそばにしては上出来です。２人で１杯注文したカップルには「喧嘩しないようにチャーシュー２枚入れとくよ」。サービスの良い、太っ腹の（体型だけではない！）おばさんでした。

  2008年09月21日

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  勝手にゴミ拾い　男鹿川釣行その２　　　１０月４、５日は「じねんと倶楽部倶楽部」河川清掃と稚魚放流

  今年の夏、栃木県鬼怒川にある「神山釣具店」さんのＨＰ（男鹿川釣り情報にもリンクが貼られています）を拝見していて、『勝手にゴミ拾い』というバナーを見つけました。群馬県の釣人クラさんという方の呼びかけで始まった『勝手にゴミ拾い』の活動に共感して、さっそく賛同する旨事務局宛お知らせしました。もともと釣行の少ない私ですが、今回２回目の『勝手にゴミ拾い』を男鹿川で実行しました。この日は、ちょうど『０８年全国一斉勝手にゴミ拾い』活動の初日でした。入渓地点の大面は最近の大雨のせいか、一面に小石が広がりゴミらしいものは見当たりません。きっと、軽い空き缶やペットボトルは下流へ流されてしまったのでしょう。ゴミ袋を片手に、下流に向かって歩いていくと岩や潅木にひっかかっているゴミを次々に発見しました。自転車（？）のタイヤ、トタン板の切れ端、肥料やドッグフードのビニール袋、上着･･･。ほとんどが生活ゴミです。４５リットルのゴミ袋２つ分のゴミが集まりました。そのほかに、機械のパーツと思われる鉄の固まり、大きなトタン板、鉄パイプなど、一人では処理できないものも落ちていました。勝手に拾ったゴミ。水を含んで重かった豊かな自然が残る男鹿川は、釣れても釣れなくても（釣れると当然うれしいです！）心を癒してくれる、私がホームグランドにしている渓です。その川を汚さない、ゴミだらけにしてはならないと思っています。ゴミのない綺麗な場所にはゴミは捨てにくい。路上駐車が見当たらない道路ではなかなか路駐しにくいのと同じです。ゴミはゴミを呼びます。ゴミのない美しい渓めざして、『勝手にゴミ拾い』を、肩に力を入れないで細々と続けようと思います。男鹿川には強力なボランティア活動もあります。地元の有志と釣り人が中心になって「組織」された「男鹿川じねんと倶楽部」は、栃木県の地域推奨プログラム『愛リバーとちぎ』の認定団体として、定期的に河川清掃を実行しています。「自然を愛し感じる心　いい川創ろうぜ！！」という「じねんと倶楽部」の趣旨に賛同して、できるだけ協力していこうと考えています。１０月４日と５日、「じねんと倶楽部」と漁協の協力で『愛リバーとちぎ・おらが川おじか　河川清掃＆イワナ稚魚放流』が行われます。ご協力をお願いします。以下、「男鹿川じねんと倶楽部」のよびかけです。「愛リバーとちぎ・おらが川おじか」河川清掃＆イワナ稚魚放流 第3回になります稚魚放流と本年度最後の河川清掃を１０月４日（土）５（日）に実施いたします。明日のおじかを作る運動、今シーズンに感謝を込めて行う活動として本年はおじか・きぬ漁協三依支部との合同で開催する運びになり、魚協さんの用意する稚魚と皆さまからのご協力分を併せて放流、調整に時間が掛かり直近のスケジュールになりましたが何卒皆さまのご協力をお願い申し上げご参加をお待ち致します。●１０月４日（土）河川清掃集合場所　　中三依温泉センターおじかの湯バーベキュー棟受付開始　　午後１２時３０分から清掃開始　　午後１時より午後４時頃まで ＊終了後、温泉入浴。６時より稚魚放流前夜祭、お天気祭りを温泉センターにて行います（参加費１０００円）。家族揃って河川清掃に協力（写真は男鹿川釣り情報より） ●１０月５日（日）いわな稚魚放流集合場所　　石臼挽き十割そば古代村受付開始　　午前６時３０分より６時４５分　　開催式　７時００分　　出発養魚業者（会津田島）へ出発８時頃　　　　現地到着（施設を見学しいわな稚魚を掬います）９時００分　　養魚業者を出発１０時頃　　　まるなかドライブインにて漁協さんと合流＊２班に分かれて放流地点での放流を行い、付近の河川清掃も実施終了･解散　　午後３時頃元気よく男鹿川へ飛び出した稚魚（写真は男鹿川釣り情報より）●１０時からの参加ＯＫ。ご家族連れ、お子様の参加も大歓迎です●両日とも小雨決行予定●参加費　　稚魚放流　1口￥3,000（1尾約10グラム約100尾）　　　　　　稚魚放流前夜祭、お天気祭り　　￥1,000　　　　　　宿泊希望の方　　古代村ロッジ　￥3,000●当日は川に入りますのでウエーダー及び長靴、雨合羽をご用意願います●参加締め切り　10月1日（月）　　０２８８（７９）０５２０（ロッジ古代村） 主催　おじか・きぬ漁協協同組合三依支部、男鹿川じねんと倶楽部後援　栃木県「愛リバーとちぎ」指導　栃木県水産試験場協力　男鹿川釣りマップご購入各位協賛　株式会社キリンビール栃木統括支社　中三依温泉センターおじかの湯　　　つちや食堂、まるかなドライブイン、井上豆腐店松や、石臼十割そば古代村、ロッジ古代村＊協賛企業様も随時募集しております ●稚魚放流は栃木県水産試験場の指導のもと、おじか・きぬ漁協三依支部の承認を得て協力実施となっております。●男鹿川じねんと倶楽部は栃木県水産試験場の指導のもと、源流域でのニッコウイワナの生態及び亜種調査に協力しており、栃木県が推奨するニッコウイワナの保全の施策に参加し、栃木県の地域推奨プログラム「愛リバーとちぎ」の認定団体です。

  2008年09月18日

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  ありがとうございます！　おかげさまで何とか４００００アクセス突破！　　記念ブログは０８年最後の男鹿川釣行　その１

  １日目。夜明けとともに男鹿川。気温１４℃。母ちゃんが大好きな「まるみの湯」裏から入渓しました。流れが強い気がします。私たちに渓流釣りの楽しさを教えてくれた「師匠」のタケさんもやってきました（男鹿川のどこで釣っていても私たちを見つけてしまう不思議な嗅覚の持ち主）。私は、トラウマ（詳細は６月１日付ブログ）から脱していない母ちゃんが常に視界に入る位置に立ち、母ちゃんはその上流１００メートル。「師匠」は３００メートルくらい下流まで移動していきました。５時半から１時間ほどで「師匠」が戻ってきて「魚が居ねえ」と撤収。私たちは上流へ移動しますが、チビ以外かかりません。先に支流との合流地点まで行った母ちゃんの姿を確認して、いつもは釣れない淵へ。落ち込みと吹き上がりの激しい淵で、たいていの釣り人が敗退しているところです。「アカンだろうな」と思いつつ普段と変わったことをしたくなったのです。吹き上がりが収まる瞬間をねらって、奥の流れ脇にキャスト。手前の流芯との合流点寸前にできる小さな巻き返しに仕掛けを入れました。フワッとした微妙なアタリ。明らかにハヤでもチビでもありません。手首を返してアワセ。中硬の竿がしなりググッと引きます。上げてみると綺麗な尾ビレのヤマメ、２８センチ超。まだ居るはず、と苦心して何度も何度もキャストして小さな巻き返しに仕掛けを入れました。そして、またヤマメ。産卵ポイントではなさそうですが、もしオスとメスのツガイだったら嫌だなと思いつつキープ（さばくと２匹ともメスでした）しました。これで大満足。時間は９時半を過ぎています。母ちゃんは合流点でおにぎりを食べ、タバコを吸って寛いでいます。「これで撤収かな？」と思って近づいていくと、さらに上流を目指すというのです。本流と入山沢の合流点。写真の橋下で母ちゃんが泣き尺イワナを釣った母ちゃんが、合流点の少し上流に架かる三依橋の下、いかにも釣りにくそうな落ち込みの上で流し始めました。私なんかが見落としそうなポイントから２９センチのイワナ。まだ居るらしく、何度もキャストしますが食いません。上流に向かって移動。単独で川を渡るのが怖くなっている母ちゃんと腕を組んで２人３脚です。母ちゃんは、そこから１００メートルくらいで流し始め、私はその上流部へ。チビヤマメとの闘いです。母ちゃんがタモの中になにやら取り込んでいます。またもヒットのようです。結局、その地点で母ちゃんは粘りに粘ってイワナを２匹引っ張り出しました。すごい執念。私がやればチョコチョコ流して諦めるようなポイントです。上の２匹がヤマメ、下３匹は母ちゃんのイワナ１２時過ぎ、私はお腹が空いて本心は「撤収したい」。でも母ちゃんは先ほどの大イワナを上げたポイントに再度挑戦。私は少し下流で「遊び」。母ちゃんが興奮気味に近づいてきました。「大きなイワナが走って逃げた」と言うのです。事情を聞いて「なるほど！」。釣り上げたイワナを川原で落としてしまい、イワナは脳シントウ。大急ぎで取り込みに掛かったのですが、イワナが目を覚まし、深さ１センチくらいのチロチロした流れに入って走って逃げてしまったと言うのです。イワナは、ヤマメなどと違って断面が円筒状の体型。源流域のほとんど流れのないような所でも、体を立てて（腹を下にして）蛇のようにくねらせて移動できるのです。だから、少しの流れを見つけたイワナは、みごと母ちゃんのタモから身をかわして逃げおおせたのです。さすがイワナ！　母ちゃんには気の毒だけどエライやつです。１日目はこれで終了。私は１０匹くらい釣って２匹キープ、母ちゃんもは１３、４匹釣って３匹キープ。母ちゃんも納得の釣行でした。２日目。今日が本当の最終釣行。塩原温泉から尾頭トンネルを越えると、濃い霧が山々を包んでいました。塩原を出たのは５時半なので夜は明けているのですが、まだ薄暗く肌寒い上三依集落。霧の残る中、母ちゃんは一足先に入渓しました。水流がけっこう強く、母ちゃんが竿を出す平瀬もポイントの見極めが付きにくそう。朝霧に包まれる三依の自然の中、ポイントに竿を出す母ちゃんゴミ拾いをしていた私も流しはじめました。アタリもありません。釣り下がっていきますが、どのポイントもさっぱりです。落ち込みの激しい流れの脇に小さい巻き返しを発見、粘ってようやく２３センチのイワナを引っ張り出しました。母ちゃんも苦戦しています。チビヤマメが時たま掛かるようですが、キープサイズはありません。私は、いつも釣果を見る大淵に行ってみました。そこで期待した感じのアタリ。でも針がかりしません。手を変え品を変え挑戦しましたが私の負け。たいした魚です。途中でギブアップして休憩中の母ちゃんから「まだ～」の催促。夜の「じねんと倶楽部」忘年会に備えて早々に撤収しました。２００８年最終日の釣果はイワナ１匹でした。

  2008年09月15日

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  なるか？商店街活性化！　ハイブリッド街路灯

  東京国際女子マラソンおなじみの外堀通り。ＪＲ市ヶ谷駅から飯田橋方面に向かう途中に市ヶ谷田町の交差点があります。交差点を左折して緩やかに続く長い坂道が「牛込中央通り」です。この道は大久保通り･牛込北町を越え、旺文社や新潮社本社を見ながら突き当たります。突き当たりの道は早稲田通り。神楽坂の最上部です。この辺りには、地元の人などが地番変更に反対して、いまだに古い町名が残っています。由来はともかく、鷹匠町、細工町、納戸町、箪笥町、山伏町といった具合。江戸時代、江戸城外堀に近い城下町として、さまざまな職人や職業の人たちが住んでいたと思われます。この地域は新宿区の東端に位置します。牛込中央通りには商店が軒を連ね、最盛期には１５０店もあったそうですが、地上げ、オフィスビルやワンルームマンション建設などの影響で、今では７０店舗くらいしかありません。全体としては、少々時代遅れの感を免れない店構えの店が多く、活気というものが伝わってこないのです。「新宿」に特別のイメージを持つ人からすれば、「ここが新宿？」と感じてしまうでしょう。牛込中央通りの商店で構成する「商店会」では、商店街をなんとか活性化させようと、知恵を絞り、このほど、アイデアが実現しました。キーワードは「環境」。これまでの水銀灯にかえて、太陽光と風力発電を利用した「ハイブリッド街路灯」を１２基設置しました。併せて同じ外観の省エネ街路灯も３２基建てました。商店会のこの取り組みは、東京都や新宿区の「商店街助成事業」を活用して行われました。環境への配慮をアピールするとともに、来客数を増やし商店街の活気を取り戻そうという、意気込みです。８月末に設置され点灯したと聞いて、カメラ片手に見に行ってきました。Ｐタイル２枚分ほどのソーラー･パネルと飛行機型の風力発電機が付いていて、街灯がぶら下がっています。オレンジ色の支柱が町並みにフィットしているかどうかはともかく、なかなか立派なものです。街灯の下で、若い職人風の人たちが話しています。「エコというが、これだけの工事をするのに、どれくらいのエネルギーが消費されたんだろうな」「元が取れねーんじゃねーの」(難しい言い方だ！)「これは全部新宿区がカネ出したって言うぜ。税金の無駄遣いじゃねーの」なるほど、そういう見方もあります。助成金の評価額なんて分からないので、ハイブリッド街路灯メーカーのＨＰにアクセスして調べてみました。１基２００～３００万円くらいです。１２基なら安く見て２４００万円くらいでしょうか。それに省エネタイプの３２基。１基１００万円として３２００万円、合計５６００万円程度かかったのでしょうか（これは私の概算に過ぎません）。この街路灯で年間のＣＯ２排出量を6．6トン削減し、電気代約20万円をカットできるということなので、これも概算してみます。ＣＯ２排出権の国内取引相場は１トン１５００円くらいと思われますので6．6トンだと約1万円、つまり約２１万円の節約です。え～と、設置費５６００万円をペイするのに２６０年？？？　え～！　先ほどの若い人の言い分が正しいの？そんな詮索はともかくとして、風力発電と太陽光発電で完全な独立電源。つまり外部からの電力供給を必要としないのはスゴイ。「エコ」だけでなく、停電を伴う災害時の夜に威力を発揮するかもしれません。でも･･･。右がハイブリッドの明るさ。左は省エネ型の明るさ。違いは歴然喫茶店のお兄さんが「暗いんです」と言っていたので、夜になってワザワザ見に行ってきました（我ながらご苦労なことです）。確かに暗い！　何これ？という感じ。牛込も大東京の一角なんですから、夜も看板などでそれなりに明るいのです。たしかにランプは点灯していますが地面に光が届いている感じはありません。若い連中の言葉をまねると「ダメじゃん！」。省エネ型はけっこう明るかったので、まずは安心というところでしょうか。商店街を歩いていて気になったこと。個々の店で「環境」「エコ」への取り組み姿勢が見られないことです。単なるアドバルーンとしてのハイブリッド街路灯みたいな印象です。活性化したい気持ちは分かるのだが、アドバルーンでは効果は期待できないでしょう。また、お客さんのほうも別に「エコ商店街だから買い物に来た」という感じではなく、いままでと変化がないような…。商店会の加盟各店が「環境」に意識を高め、差別化された商店街を作ってもらいたい、と思います。「お年寄りの原宿＝巣鴨商店街」のように。

  2008年09月10日

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  活動進行中！　ＥＳクレド･プロジェクト

  まもなく渓流のヤマメ・イワナは禁漁に入ります。盆休みの釣行が不完全燃焼だったので、母ちゃんの復帰第１戦（７月１３日日記参照）以来２カ月近く、まともに釣りをしていません。仕掛けなど準備は万端なのに…。男鹿川のヤマメやイワナが夢枕に立って「早く来い」と誘います。来週が今季最後のチャンスなので、どうしても行くつもりです。釣りとは何の関係もなく、久々に仕事関係の話（よく遊べる人間は仕事もよくできるんだ！…と思う…）。５月２１日の日記で紹介しましたが、私の勤める会社では、ＥＳ（社員満足）経営めざして、クレド作成プロジェクトを進めています。クレドというのは、「信条」を意味するラテン語で「企業の信条や行動指針を簡潔に記したもの」を指します。経営理念を実現するための具体的な行動指針を社員自らが作り出し、自主的自覚的に実践しようという取り組みです。よくＣＳ（顧客満足）が強調されますが、本当に顧客満足を達成するには、社員が金銭的報酬だけでなく「心の報酬」も十分に受け取って、満足して働ける「社員満足」の会社を作らなくてはなりません。クレドというのは、ES経営を実現するための社員の側からのアプローチなのです。会社のコンセプトを理解するプロジェクトを立ち上げてから４カ月経過。青年社員たちが予想を超える真剣さを発揮して、やっとメインテーマらしきものがまとまりました。まず、経過を説明します。先に紹介したように、第１ラウンドは全ての社員が参加する作業です。第１ステップとして、全社員が「自分史」を振り返る作業をすすめ、それを通して「自分の価値基準」の形成過程を認識しました。第２ステップとして、「会社の価値観」と「自分の価値観」が、どの点でリンクしているかを考え、「会社の○○という価値観と自分の□□という価値観を結び付けて、△△を目指します」というコミットを、全社員が行いました。第３ステップとして、全社員に４つのテーマで「成功体験記」を書いてもらいました。これは時間がかかるので自宅での宿題です。テーマは「私がプロ社員になったターニングポイント」「仕事を通して感動したいい話」「私の仕事哲学」「私の会社自慢」。驚くべきことに全員が提出してくれました。全社員が協力して書いてくれた「成功体験記」第２ラウンドは、プロジェクトメンバーによる作業です。各メンバーが全員の「成功体験記」を読み、自分の心に残った言葉を抽出。各自の選んだ言葉を「キーワード」として書き出し、お互いに共有し合います。次に、そのキーワードを使ってクレド文案を作成するため討議し、全社で共有できるテーマ、スローガンを徐々にまとめていくのです。メインテーマを定め、メインスローガン、サブスローガン策定へと進みます。そうして出来上がったクレド（行動指針）を受けて、各部署は具体的な行動計画を立て、各社員の行動目標を設定するという手順を踏みます。月に１回、プロジェクトミーティングを開催、コンサルタントの指導を受けながら議論を重ねてきました。当初は、クレド文案をチョコチョコとまとめ、９月には発表という程度の安易な考えでしたが、ある日、重大な疑問に突き当たってしまったのです。「このまま作業を進めると、単なる言葉遊びで終わるんじゃないか？」「一般的な言葉の羅列では、実際の指針にはならないのでは？」「社員が積極的に受け止めて実践できるクレドとは？」「わが社の価値基準って？　わが社が目指しているものって何？」など。わが社の独自性を反映し、実際に効果の出るクレドを作らないと、社員に浸透しないし、実行されるはずもない！　そのためには、まずプロジェクトメンバーが経営理念を正しく理解しなくてはならないと気付いたのです。会社のコンセプトに沿った行動指針を作るために、改めてわが社の目的を定義づけ、経営理念の価値観を検証しよう。このようにメンバー全員で再確認しました。経営理念に「印刷｣という言葉がないそうなると、月１回の公式ミーティングだけでは足りません。非公式なミーティングを重ね、学習し議論していこう、と意思統一したのです。「わが社は印刷会社だ」「何十年先も印刷だけやっていくのか？」「なんのため、印刷をやっている？」「情報伝達のツールとして印刷物があるのだから、我々は情報伝達に貢献しているんだ」「そうか！　だから、経営理念には印刷という言葉がないんだ」「じゃあ、情報伝達は何のために必要？」「人間が平和で豊かな生活を送るためには意思伝達、情報伝達は欠かせない」「情報伝達の仕事を通じて文化発展に貢献する、という経営理念はそういう意味だったんだ」　　：といった具合の議論です。議論を重ねていくうちに、「お客様は、どんな印刷物でも「何か」を伝えたいから印刷するんだ。名刺なら自分の名前と社名や連絡先、年賀状なら自分の気持ち、書籍だったら自分の主張や人生観…」「俺たちは、お客様の『伝えたい』という想いを、印刷で手助けしている」「だったら、印刷物でなくてもいい」「想いの伝え方は、印刷物には限らない。映像や音でもいいよ」「だから、うちの会社が将来ワンセグ事業をやってもいいし、コミュニケーションサイトを運営しても、会社の目的に合致するということか」「お客様の『伝えたい』を何らかの形にする、そういうことか！」　　：「お客様だけじゃない。俺たちも、いい製品を提供したいとか、納期を短縮したい、ミスのない仕事をしたい、世の中の役に立ちたい、会社を大きくしたい、生活をよくしたい…など想いはいっぱいある」　　：そのような議論を何度も何度も積み重ね、メインテーマ策定にこぎつけたのです。「想いをかたちに！」プロジェクトメンバーの議論に付き合っていて、「わが社の社員もまんざらではないな」という思いを強くしました。まだまだ時間はかかりそうですが、コンサルタント任せではなく、コンサルタントに助けられながら、わが社にふさわしい独創的で実際に効果を発揮するクレドを作り上げたいと考えています。ＥＳ向上がＣＳ向上を招き、業績アップでさらにホスピタリティが高まるＥＳに向けて経営側は何をする？クレド作成作業を進めながら、フト考えたことがあります。会社が社員にクレドに基づく行動を求めるのは、ES（社員満足）経営を行うためなのですが、経営陣に「ＥＳなくしてＣＳなし！」という堅固な意志がなければ、ＥＳとクレドが「経営側に都合良く」分離され、従業員にのみ会社への忠誠心や過重労働を強いる結果となるのではないか、ということです。以前、大手企業に始まり中小企業に至るまで全国規模で展開されたＱＣ活動が、そうでした。果てしない「改善」活動のため、重箱の隅をつつくような問題点指摘を繰り返し、職場の人間関係がギクシャクしてしまう、活動のために過酷なサービス残業が発生する…その結果、過労死まで出る始末でした。現在ＩＳＯ取得をめぐって、似たような状況に陥っている会社もあると聞いています。「ＥＳなくしてＣＳなし！」「ＥＳなくして業績アップなし！」という確固とした信念を、経営に携わる人間が持たないと「クレド」は有効性を発揮できないんだと、思いを深めた次第です。この点については、そのうち補足します。

  2008年09月05日

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  遅まきながら「霧の火」鑑賞。戦争の悲劇、語り継ぐ大切さ

  「みなさん　これが最後です　さようなら　さようなら」ポツダム宣言受諾後の１９４５年８月２０日、ソ連軍の侵攻を受けた南樺太の真岡郵便局で電話交換手の女性９人が、悲痛な通信メッセージを最後に自決しました。この「真岡事件」を題材にしたドラマ「霧の火」が日本テレビで放送されました。当日見ることができず、録画しておいたこの作品をやっと見ました。１９４５年３月から６月の沖縄戦をもって、第２次大戦での日本の敗戦は確定的となっていました。同盟国のナチス・ドイツは同年５月に無条件降伏しています。７月２６日、日本に無条件降伏を求める「ポツダム宣言」が発表されますが、日本政府はこの宣言を「笑止」として黙殺しました。これに対し、大戦終結後の冷戦構造を予測していたアメリカは、冷戦で優位に立つために、自国の主導で戦後処理を行うべく、当時２発しかなかった原爆を日本に投下しました。必要のなかった原爆投下によって、８月６日広島で１０万人以上が、続く９日長崎で７万人もの生命が奪われました。一方、それまで日本と不可侵条約を結んでいたソ連が、ドイツ降伏後２～３ヶ月で参戦するとした｢ヤルタ協定｣をタテに、８月８日、突如として日本に宣戦布告、日本が占領していた満州へ侵攻しました。同時に樺太、千島へも攻撃を開始したのです。これもまた、アメリカとの冷戦に対応するために北海道占領をねらった侵攻でした。ソ連軍の樺太攻撃は９月はじめまで続き、１０万人余りの日本人が殺されました。そうした中「真岡事件」は起こります。８月２０日、艦砲射撃に続きソ連軍が上陸しました。避難指示や関係先連絡のため、真岡郵便局で電話交換業務に就いていた当番の女性らは、兵士による陵辱を恐れて青酸カリなどで自決。９人が死亡、３人が生き残りました。ドラマでは、生き残った元交換手・中村瑞枝（市原悦子）が、孫娘の愛子（香里奈）に少女時代の体験を語ります。瑞江の少女時代を演じたのは福田麻由子。脚本は竹山洋さん。演出は雨宮望さんです。竹山さんは「まさに『北のひめゆり』。沖縄の散華とも似た娘たちの悲劇を書いてみたかった。若者は平気で『戦争をやればいい』と口にするが、肉親が死に、散り散りになる戦争の悲劇は何代にも続く」と新聞のインタビューに答えています。竹山さんらは樺太や札幌を訪れ、旧ソ連軍が押し寄せた２０日に非番だった元交換手の女性や、樺太に残留してロシア人となった人々に会い、事件現場の状況、樺太での日常生活を聞き取りました。女性たちは「この悲劇を語り継ぐのが亡くなった者への供養」と涙ながらに語ったと言います。ドラマですから、多少の粉飾はありました。例えば瑞江のレイプ、樺太の各地でソ連兵による婦女暴行が発生していたということですが、真岡郵便局員のレイプはなかったと言われています。また「局長は逃げた」との台詞がありますが、実際は局に向かう途中、ソ連軍に捕まり倉庫に監禁されています。しかし、竹山さんも雨宮さんも可能な限り史実に忠実なドラマを目指しました。ＮＴＶ番組より今回の作品で感じたこと。ひとつには、生き残った交換手たちが、死ななかった(死ねなかった)ことを己が罪のように感じ、自責の念を抱きながら生きてきたという点が描かれていることです。愚かな戦争を引き起こした者たちが、戦犯裁判で罪を免れようと汲々として自己弁護を繰り返したことを考えると、その痛ましさに胸が突き上げられます。戦後まもなく米ソ冷戦構造に組み込まれた日本。自衛隊の前身である警察予備隊に始まる再軍備に協力した旧帝国軍人たち、日米安保条約を締結し、日本を再び戦争の道に巻き込んだＡ級戦犯であった総理大臣・岸信介、細菌戦のノウハウをアメリカに提供した「悪魔」の７３１部隊員……等々。戦争遂行に加担した者たちが、大手を振って日本の平和を脅かしてきたのに、彼女たちは十字架を背負い続けてきました。なんという理不尽！さらに、沖縄の「ひめゆり部隊の悲劇」、樺太の「真岡事件」は大きく取り上げられていますが、人知れず自決していった多くの人々を忘れてはならないということです。沖縄も慶良間諸島での集団自決はじめ、たくさんの人々が絶望して、あるいは軍に強要されて自決しています、また樺太でも、絶望的な逃避に疲れ、劇薬をあおり、手榴弾を胸に抱いて一家が自決する惨劇も相次ぎました。また、大平神社防空壕で集団自決した看護婦さんたちもいました。沖縄戦でも樺太でも、「自決」が軍の強要か否か、よく争われています。その真相を知ることはできません。しかしこれだけは明確です。戦争遂行の国家総動員で、戦闘員･非戦闘員を問わず、戦陣訓に言う「生きて虜囚の辱めを受けず」という考えを刷り込まれ、「鬼畜米英」「捕まると、男は射殺、女は陵辱」と叩き込まれ、信じ込まされてきたということ。このマインド・コントロールが多くの人々を「自決」に追い込んでいったのです。いま、わが国では軍靴の響きが大きくなってきています。防衛庁が防衛省に格上げされ、憲法９条をかなぐり捨てる改憲の動きが露骨になっています。また、「平和維持活動」と称して、自衛隊の海外派遣を既成事実化しています。アメリカの核の傘の下、ふたたび祖国を戦火に巻き込もうとする行為を許してはなりません。原爆の悲劇、戦争の悲惨を語り継いでいくことは、子供や孫に平和な未来を残したいと願うすべての人々の責任だと考えます。

  2008年09月02日

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  魚とふれあい「ヒリゾ浜」　南伊豆旅行の２

  南伊豆、石廊崎からさらに西数キロ先に「ヒリゾ浜」という場所があります。最近、徐々に人気が高まっている人気スポットです。この周辺はダイビングポイントが点在しており、｢ヒリゾ浜｣も海水浴というよりシュノーケリングで有名なところです。他の海水浴場とは違ってウェットスーツの人が目につきます。この日の伊豆地方は、夜半に降った大量の雨のためＪＲが熱海伊東間で運転見合わせ。天城越えの国道４１４号線は通行止めといったありさま。日程を短縮して帰宅するかと思っていたのですが、朝からは薄曇り。風はありますがそんなに強くなく、寒さを感じません。今回旅行の最大目的だった「ヒリゾ浜」に行けるかも。早速中木のフタバ食堂に確認の電話を入れました。空いていて絶好のコンディションとのこと。中木漁港へ急行しました。「ヒリゾ」という意味不明の名称の由来は、日の入り洞（ヒノイリドウ）が詰まって「ヒリド」それがなまって「ヒリゾ」となったそうです。「ヒリゾ浜」へは陸路ではいけません（断崖絶壁を下れば行けなくはないけれど･･･）。普通の人は中木漁港から船で渡ります。５分おきくらいで漁船が往復していますから、よほど込んでいない限り待ち時間はほとんどありません。ちなみに「ヒリゾ浜」には売店もトイレもないので、用があれば船で中木まで戻ることになります。（駐車場１０００円、渡船は何回乗っても一人１０００円）最盛期の晴天の日は、朝５時には中木漁港の駐車場が満車になり、かろうじて浜に渡っても狭い浜は人で埋まるそうです。でも、この日は楽勝！港のマリーンセンターで着替えをして、渡船で｢ヒリゾ浜｣に向かいます。約５分で到着しました。サンシェードテントを張り、シュノーケルを装着していざ海中へ。｢ヒリゾ浜｣は砂浜のない岩礁地で、潮の流れが速く川の流れ込みもないため、５メートル以上底の小石がはっきりと見える程の透明度。数多くの魚と出合うことができます。１０メートルも沖へ行くと、海の中に海草とさまざまな魚が見えはじめます。岩礁が飛び飛びにあるので、泳ぎに自信のない人でも、休み休みしながら沖まで行けます。防水型使い捨てカメラで、撮影しましたがうまく映っているかどうかは不明（まだ現像できていません）。それにしても綺麗！　フタバ食堂のご主人が、オキアミ(エビの仲間)で魚を集められると教えてくれたので、手にオキアミを握り締めたまま潜り、魚を見かけたら、数匹撒きます。どこからか魚たちがワッと現れ、瞬く間に食い尽くします。海中にいるときは水温も高く快適なのですが、普通の水着では、浜に上がるとドンドン体感気温が下がってきます。息子の唇が紫色になり震えだしたところで撤収しました。ウェットスーツを借りればよかった！　港に着いて、マリーンセンターで浴びた温水シャワーは極楽でした！話は変わりますが、南伊豆では早くも紅葉する木々がありました。なにが起きているのでしょうか？　写真は伊豆急下田駅付近の小山

  2008年08月31日

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  雨でも楽しい！　南伊豆旅行の１　

  夏はどこに行ったのかというような天気が続いて、夏休み終盤は散々な思いをした人も多いでしょう。わが家の夏のイベントのラストを飾る伊豆旅行も雨で大きく計画変更。でも、わが家には凄腕の旅行プロデューサー･母ちゃんがいます。なんとも当てにならない天気予報の「猫の目」変化に対応して、次々とアイデアを出してきます。助手の私は、その都度タイムテーブルの変更を行います。今回の旅行は、南伊豆の穴場海水浴場「ヒリゾ海岸」と創業１２０年の「河津海苑」が目的。それに釣りなどセットするのが当初計画でしたが、１日目は夜来の雨が降り続き、しかも風が強まってきて海水浴は断念しました。「母ちゃんどうする？」雨でもＯＫの「下田海中水族館」に決定！魚を見て、イルカやアシカのショーを見る、ただそれだけなのですが童心に返り歩き回りました（雨なので走ると危ない）。息子と恋人も同行していましたが、若い２人もさまざまな海の生き物に大喜び。８時開園と同時に入園し午前中楽しみました。右肩の写真はカマイルカの豪快なジャンプ文章で説明しても間延びするので、以下写真をお楽しみください。バンドウイルカと一緒に遊ぶドルフィンスノーケリング。私たちはやりませんでしたが早朝からイルカとのふれあいを楽しむ人たちがいました。アシカの宙返り左はアニメ映画で大人気クマノミとイソギンチャク、見事な共生です。右はイズヒメエイ、目のように見えるのは鼻の穴。その下に口があり、エラ孔が左右に並んでいて、愛嬌があります。１ウミガメ、２シーパレス大水槽、３アカシマシラヒゲエビ、４イセエビ、５日本近海に棲む世界最大の節足動物タカアシガニ、６珍種ソウジヒトデ７イガグリガニ、８水中での給餌、９ハナイソギンチャク、１０希少種イズハナトラザメ(卵をぶら下げている）、１１トビエイの子、１２カエルアンコウ、１３ホンフサアンコウ１４アオリイカの子供、１５ミズクラゲ、１６ラッコ、１７満腹なのかあまり寄ってこないドクターフィッシュ、１８多彩な伊豆近海の魚たちジャンプするバンドウイルカ。人が多すぎて海上ショーはほとんど見えず２日目につづく。

  2008年08月27日

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  安心、楽しいボランティア活動を

  先月２８日、神戸市灘区の都賀川で局地的豪雨による濁流に流され５人が死亡した事故（７月＊日ブログ参照）で、亡くなった２人の児童が通っていた六甲学童保育所（通称、どんぐりクラブ）が１８日に再開しました。事故当時、指導員の女性２名とボランティアの男子大学生１名で引率していましたが、今後は保護者、ボランティアを含め常時６～８人体制に切り替えました。このニュースを読んでいて、唐突に「ボランティア活動ってなんだろう」と疑問が湧きました。また、事故のあったクラブだけでなく、「ボランティアを求める側もボランティア協力者も、事故を想定した対策がどれくらいできているのだろうか」と疑問を抱きました。活動が順調な時には達成感も喜びも得られ、一体感も高まるから問題ありません。でも、万が一事故が起こったら……。さらに、時間と労力は無償としても、毎回、交通費・宿泊費・食費など負担して、果たしてどれくらい長続きするのでしょうか？　それは当たり前のことなのでしょうか？　ボランティア活動について、考えてみました。　活発化するボランティア活動最近の風潮として「ボランティア活動には参加して当然」という傾向があり、マスコミもボランティア活動を礼賛、自治体でも多方面にわたるテーマでボランティア活動への住民参加を推進しています。個人のボランティア活動だけでなくグループ・組織（ＮＰＯなど）・企業などの組織によるボランティア活動も活発です。元来、ボランティアは自発的・利他的な無償活動とされてきました。しかし最近では「有償ボランティア」という概念が成立し、さらには田舎生活体験ボランティアと称して参加者から参加費用を徴収し、交通費・宿泊費なども参加者に負担させ、農作業など体験させる「ツアー旅行まがい」のボランティアさえ出現しています。どこまでをボランティア活動として位置づけるべきなのでしょう。ボランティアの概念として、従来の自主性、無償性、社会（利他）性に加えて、創造性、継続性、自己実現性が新たに特徴づけられます。自主性とは、他の人や組織から強制されたり、義務感で参加するのではなく、自分の意思と責任で参加するということです。無償性とは、金銭報酬を期待しないということです。得られるものは、人との出会いや充実感など「心の報酬」です。社会性とは、自分のためではなく、社会のためにお互いに協力する利他的な行為ということです。創造性とは、既存の社会システムになかったサービス、あるいは行政で対応しきれない地域ニーズを掘り起こすこと、ニーズを満たし得るアイデア・手法を駆使するということです。継続性とは、ささやかではあっても根気よく、継続的に活動することが大切だということです。自己実現性とは、充実感・達成感など「心の報酬」と、参加者自身のスキルアップや人間的成長が得られる自己実現の場であるということです。活動分野の広がり、概念拡大の中、状況の変化が発生してきました。ボランティアは無料奉仕の労働力か？「ボランティアはタダもしくは安価な労働力」という誤解あるいは曲解から、「ボランティア」を錦の御旗にして営利活動に変質させる傾向が指摘されています。「ボランティア」という名のアルバイト雇用です。雇用者側は「ボランティアなので…」と劣悪な待遇しか用意せず、労働基準法の適用を回避するケース。被雇用者側は「自分はボランティア」という認識を前面に振りかざして、自分都合の気ままな勤務を繰り返し、あげくに「助けてやっている」と恩着せがましく好待遇を求めるケースもあると言われています。さらにエスカレートして、「農業研修」「エコ、ロハス体験」と称し、基本的にタダ働き、ともすれば参加費と称してボランティアから金を取る「事業」まで出現しています。もともと営利目的なのに「ボランティア募集」するやり方にはずいぶん批判が高まっています。今年の６月、女優の高樹沙耶さんが自分の喫茶店建設で「ボランティア募集」したため、２チャンなどで大論議が発生、彼女のブログが炎上してしまいました。ことの起こりは、ストローベイル（藁をロープで縛りブロックにして積み、土や漆喰で塗り固める）のエコハウスを作るので、一緒に作業しながら技術を学ぼうという趣旨だったといいます。賛同者を募るつもりが、安易な無償ボランティア募集をしたために反発を買ったようです。男鹿川じねんと倶楽部の河川清掃。釣人ボランティアが活躍ボランティアというと、自腹を切って無料奉仕というイメージですが、本来の意味は、自分の時間や労力を社会活動等のために無償提供すること。それに関わる経費までもボランティアが負担するものではない、ということです。ボランティアの歴史が古い欧米では、諸経費は募金・寄付金等により賄う、または受益者が負担するという形態が一般的だといいます。諸経費までボランティアに負担させては「息の長い活動が出来なくなる」「ボランティア参加者が経済的に余裕のあるものに限られてしまい、広範な活動展開ができなくなる」といった教訓が生かされているのでしょう。また、直接参加できない人たち（時間がない、行けない、体力がない、資格や経験がない…）が募金や寄付によって間接参加できる配慮もなされています。危険な善意の押し付け自分勝手な善意の押しつけによる混乱や重大な事故、失敗も発生しています。「何かの役に立ちたいと」主観的に考え、自分たちで勝手にボランティア活動を展開し、かえって迷惑をかけるケースです。身近な例では、スポーツボランティア。熱心すぎて、科学的根拠もなく自分の思い込みで子供をしごき事故を起こしてしまう、あるいは親に経済的・時間的負担を強いることがあります。また、災害発生時に、現場の状況もよく分からず、勝手にボランティアとして乗り込み、結果的に救護活動を妨げたり、混乱する地元に余計な負担をかける場合があります。阪神・淡路大震災のときにはずいぶん問題になりました。最近の中国・四川大震災でも、現地にスカート・ハイヒール姿で乗り込んだ中国人ボランティアがトラブルを起こしていました。深刻なのは環境・自然関係ボランティア。自分たちで勝手に植栽したり、魚を放流し、生態系を破壊してしまうケースがあります。道路脇に花壇を作り、固有種でない外来植物を安易に植えてしまうと一帯の固有種が駆逐される危険が伴います。また、他の河川湖沼で捕獲した魚介、水草を勝手に他地域に移動させることも厳禁です。栃木県・男鹿川じねんと倶楽部で行っている稚魚放流のように、地元水産試験場の指導のもとで地元漁協と相談しながら進めるやり方でなければなりません。ボランティアの事故――責任は？ボランティア活動の分野と役割が拡大されたことで、当初は想定していなかった事態も生まれました。責任問題です。「ボランティアは自己責任・ボランティア活動中の健康と安全は自分で守れ」と単純に言えない要素が大きくなってきました。国民全体の権利意識が高まり、アメリカほどではないけれど、ちょっとした「裁判国家」の様相を呈しています。例えば、介護ボランティア活動中にお年寄りが…、クラブや地域行事の引率ボランティアで子供や参加者が…、活動中にボランティア自身が…負傷したり死亡した場合、その責任は誰がどのように取ればいいのでしょうか。物を壊した、壊された…、個人情報が漏えいした…といった場合はどうでしょう。「申し訳ありませんでした」で済まないことのほうが多いのではないでしょうか？　社会のため、地域のため、他人のためにボランティア活動しているのに、事が起これば自己責任というのでは、せっかくのボランティア活動も委縮したものになってしまいます。最近は、ボランティア保険なるものがあって、組織的に明確なボランティア団体はたいてい加入しています。また、自治体が関与するボランティ活動や、河川・道路清掃活動などで「アドプト・プログラム」を運用している場合も、保険は自治体負担で加入しています。民事上はそれで何とかなったとして、刑事上の責任はどうなるのでしょう？安心・楽しいボランティ活動をボランティア活動中に発生した責任を誰がどのように負担するのか、個人責任か組織責任かといった点について、ボランティア団体やボランティア募集する側は明確に規定し、対応策を立てなくてはなりません。また、ボランティア活動に関係する団体は、「危機管理」の観点から可能な限りの危険を予見し、事故の危険を回避する、事故が発生した場合には適切に対処する、など方法を策定する…などが求められます。ボランティの作業範囲（委託内容）、作業環境（場所）、使用設備・器具などを限定し、それらの安全確認を事前に行うことが必要です。また、スタッフやボランティアに対する作業内容の熟知、安全教育も欠かせません。活動の規模、活動主体の規模や形態によりますが、労災保険、ボランティア保険への加入も忘れてはなりません。なお、ボランティア保険では、海難・山岳救助ボランティア、銃器使用の害獣駆除ボランティア、野焼きや山焼きを行うまたはチェーンソーを使用する森林ボランティアなどは補償対象から除外されています。責任の所在が明確になり、十分な対策が講じられることで、ボランティア（無償であれ有償であれ）に協力する賛同者も増えていくのではないでしょうか？　ボランティア活動は安心して楽しく参加できなければいけないと思います。

  2008年08月21日

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  福島・浄土平から一切経山

  夏休みの恒例は、塩原を基点にして福島と男鹿川釣行。今年は友人と一緒に行動しました。第1日は福島・浄土平から一切経山、酸ヶ平（すがだいら）トレッキング。一切経山は何の変哲も無い山容ですが、標高は１９４８.８メートルあります。但し、浄土平の標高が１５７０メートルなので標高差は僅か３７０メートル程度の山行です。安倍貞任(一説では弘法大師）が仏教の一切経を埋めたといわれる一切経山前半、小1時間ほどの登りは以外にきつく、徹夜で車を走らせた不摂生の体が悲鳴を上げます。30分くらい登り続け小休止。このポイントから、道路を挟んでどっかりと噴火口を開く吾妻小富士（１７０７メートル）が見下ろせます。火口縁まで階段がジグザグに設置されているので観光バスで来て、ぞろぞろと登る光景が見られます。今日は朝が早すぎて誰も登っていませんが･･･。この辺りは、火山ガスが漂い硫黄臭が鼻を突きます。噴火口を間近に見られる吾妻小富士いよいよ斜面はきつく、息は上がり、疲労感で下半身は力が入りません。ガレ場で足を取られて滑ってしまいそう。タバコを減らさずに山に登った罰でしょう。15分に1回休憩する体たらくで、なんとか急坂をクリア。私より一まわりも若い同行の友人は「引き返したくなる」とボヤキながらの登坂でしたが、無事到着。あとは緩やかな稜線を頂上へ向かいます。中間地点の急坂。岩礫に足を取られながら登る予定より20分くらいも遅れて山頂着。草木が一本も無い山頂は360度の眺望が開け、吾妻山系の山並みが見渡せます。気温２０℃、弱い風。大汗かいた体には心地よい気候です。祠が祀られた荒涼とした山頂一切経山山頂に立った者には大きなご褒美があります。眼下に見える「五色沼」。地元では「吾妻の瞳」とも「魔女の瞳」とも呼ばれる青く光る沼です。曇りのときは濃いブルー、晴れているときには翡翠のように色づく神秘的な沼に、思わず歓声が上がります。「来てよかった！」と同行者。私たち夫婦が何回も一切経山を登っているのは、この光景に魅せられているため。頂に立った者だけに姿を見せる五色沼まだ、登山者はほとんどいません。小鳥の声以外何も聞こえない静けさに包まれて、見事な景色にただただ見惚れるばかり。下りは、酸ヶ平から鎌沼に広がる湿地帯を眼下に収めながらの別ルートを下り、浄土平に戻りました。荒涼たる山容に対し、鮮やかな緑の酸ヶ平湿原。奥は鎌沼浄土平と一切経山中腹までは多くの高山植物が見られます。下界は猛暑日が続いているのに、この辺りは初秋の風情。アキアカネが群れ飛び、ススキが帆を揺らしています。残念ながらミヤマリンドウなどは発見できませんでしたが多くの花を見ることができました。なかでも、ヤマハハコ、オンタデの群落が草原を白く彩っていました。以下、花の紹介です。ヤマハハコオンタデの雌株コガネギクシラネニンジンマルバダケブキオトギリソウハナニガナまだ頑張っているハクサンシャクナゲ花が終わり実を結ぶクロマメノキハイマツも多くの松ぼっくりをつけている

  2008年08月18日

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  母ちゃん、Googleから世界デビュー！！　　でも・・・

  グーグルの地図サイト上で、街頭の風景写真が手軽に見られる新サービス「ストリートビュー」が5日から国内で始まりました。東京、大阪、仙台、札幌など１２都市について、画面のパノラマ写真を３６０度回転させながら「バーチャル散歩」できる機能です。住所検索か地図上のポイントをクリックすると、グーグルが昨年から今年にかけて撮影した画像を無料で見ることができます。３６０度撮影できるカメラを搭載した車で公道を走り、編集したもの。通行人の顔は自動識別機能を使ってぼかし、表札や車のナンバーもたいていボカシが入っています。地図上の青い線をクリックすると「バーチャル散歩」ができるテレビニュースで知って、さっそく試してみました。なんと、なんと、自宅を出て会社に向かう母ちゃんがバッチリ写っています。コートにマフラーという身支度をしているので、今年２月ごろの撮影でしょう。顔にはボカシ処理がされています。撮影車が後ろから追い抜いて行った様子が判ります。(写真右肩)これで、母ちゃんは世界デビュー！　グーグルマップ日本語版を見ることの出来る人なら誰でも、母ちゃんの画像を手に入れることが出来るのです。すごい！！それだけでなく、自分の会社や有名スポット、観光地や大阪の実家付近を検索してみましたが、簡単に「バーチャル散歩」できます。世界遺産・京都の東寺五重塔の周辺にも一っ飛び自宅からの通勤風景、観光風景だから、こんな呑気なことを言ってられますが、現実にさまざまな問題が起こり始めています。先に公開されて、各国が「軍事施設や政治の中心地がモロ見えだ」と削除を求めたりした「グーグル・アース」より、もっとリアルに街の景観がわかります。また、いくらボカシ処理したとはいえ、写り込んだ人物を知っている人が見れば、すぐに判明します。道が細く、一軒の敷地が小さい日本家屋では、偶然写り込んでもリビングの中まで丸見えになっているケースもあります。また、街並みや各家の構造も明瞭です。空き巣狙いや押し込み強盗に利用される危険性はないのでしょうか？また、テレビ・新聞で報じていましたが、ラブホテルに出入りする画像や、職務質問されている画像など、個人のプライバシーを侵す危険があります。ある都市の住宅地。居間の中まで見える産経新聞では、この件について次のように報じていました。（抄録）・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・■ラブホテルから芸能人の自宅までネット掲示板などは、ストリートビューが写し出す風景について「面白い場面」だけを拾い出そう、との書き込みで盛り上がっている。例えば、別れた恋人との思い出の地▽登下校する小学生女児の無邪気な笑顔▽平将門の首らしきものが高層ビル群に浮かぶ様子▽ボヤを起こし、消防に鎮火された直後の店舗――など、ちょっとした話題性のものから、ラブホテルに入る瞬間の男女▽立小便をしている後ろ姿の男性▽交通事故直後の道路上で、警察官から事情聴取を受ける姿――といった深刻な場面まで、数多く見つけ出されている。ネット上には、「大事件の容疑者の自宅住所を求む」「芸能人の家とか、誰か晒（さら）して」といった“恒例の要望”が次々と寄せられている。職務質問を受ける人も写り込む。知人が見たら誰か直ぐに分かる■身元調査、車庫証明にも？　日本では、道路から家屋の様子について一目瞭然のことが多く、「豪邸か“あばら屋”か」という外観だけでなく、洗濯物や自家用車の有無、グレードなど、個人の生活水準を示す情報が、ストリートビューによって丸裸になってしまう。　この情報が、就職や不動産購入・賃貸契約の際に悪用されたら、どうなるだろうか。　実家や保証人の住所からストリートビュー上で“現場確認”したところ、「この人の実家は、意外とボロだな…」「分譲マンションと言っていたが、賃貸の公営団地のようだな…」などと、本人の知らぬ間に、外見だけで査定されている恐れがある。　身元調査といえば昨春、「B地区にようこそ！」閉鎖騒動が起きた。いわゆる“被差別部落”と呼ばれる旧同和地区を地名入り写真で紹介したサイトが、部落解放同盟の県支部の告発で削除された。　ところが今回のストリートビューは、（差別的身元調査を）水面下に押しやる危険性をはらんでいる。従来であれば、文字検索で引っかかるため、上記のように“通報”で消去されることも多い。ストリートビューの場合、住所を打ち込むだけですんでしまう。旧同和地区の住所を添付し一言、「ここって、アレ？」との書き込みがすでにあった。　もちろん、差別問題に発展しないまでも、安易な利用も考えられる。例えば警察が車庫証明書類の（念のための）確認用など、キリがなさそうだ。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・会社などでも、身元保証人の住所や本人の住所から身元調査に利用されるかもしれません。世の中、悪賢い奴がたくさんいて、とんでもない悪事を次々と考えだしています。彼らが、ストリートビューなど使って次なる悪事を考えだす危険性は大いにあるのではないでしょうか？(写真は全部グーグル｢ストリートビュー」から）

  2008年08月08日

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  那須ハイランドパーク

  那須高原と言えば、標高600から1000メートルに広がる関東の避暑地として有名。野生動物の姿も見られる高級別荘地の中に、那須ハイランドパークがあります。敷地面積は東京ドームの10倍、富士急ハイランドと同じ広さで50万平方メートル。40ものアトラクションが用意されています。山梨県の富士急ハイランドは、ギネス・ブックものの絶叫コースター「ええじゃないか」「ドドンパ」「FUJIYAMA」などがズラリ。若者たちに大人気で、週末などは２～３時間待ちが当たり前の盛況ぶりです。那須ハイランドパークは自然に囲まれた遊園地。１～２月は冬季閉鎖、風の強い日が多く（標高は高いし、春先や秋には季節風の影響があるし）絶叫系アトラクションの運転中止が多いところです。絶叫系アトラクションの数も多いですが、小さな子どもが楽しめるアトラクションや施設が充実しており、ファミリー向けレジャーランドといえます。したがって、絶叫系はあまり待ち時間がなく、子どもが参加できるアトラクションに列ができるという、他の遊園地とはちょっと違った光景が見られます。息子と彼の恋人を伴って、1泊2日の那須高原旅行。私は「この年になって絶叫マシーンに乗れるか！　運転手として同行してやる」とアトラクションを拒絶しました。9時開園前にゲート到着。母ちゃんは早くもパワー全開、1人500円引きの割引券を握って一目散にチケット売り場へ。私はシニア料金適用でフリーパス3600円。大人の定価は4900円、割引きで4400円ですから、定価の27％OFFです。しかし、激流下りなど２～３つアトラクションしか乗らないのに「もったいない！」と思いつつ、母ちゃんには「でかした！　偉いぞ！」と褒め言葉。9時開門！　母ちゃんの事前調査で待ち時間が長くなるアトラクション優先で移動。子どもじゃないので走ったりはしませんが、何気に早足です。最初は「激流下り」。遅れるとあっという間に1時間待ちくらいになる、段取りの悪いアトラクションなのです。結果は2番目。当然待つこともなく乗り込みました。人工の激流を下りますが、座席と座席の間が大きく開いていて、しかも底にも穴が開いています。流れに突っ込む角度によってはびしょ濡れになるのです。以前、レインコートを着ないで乗って、ずぶ濡れになりストーブで乾かしたことがあります。夏場のせいかインコートを着ている人はいません。次は「スピンカート」。ここも待ち時間の長くなるアトラクション。ツルツルの自動車コースで、急ハンドル・急ブレーキ・急発進で車がクルクルと回転するアトラクションです。ここは、係のお兄さんが試験走行を終えたとき到着して一番乗り。4人で一斉にスタートしました。運転がうまいのか、コースの滑りが良くないのか、フル・アクセルでも私と母ちゃんはノースピン。息子と彼女は1回ずつ大スピンしただけ。このあたりで、私の「怖いもの好き」「絶叫マシーン好き」に火が点きました。高血圧に加え心臓にトラブルを抱えているので、絶叫マシーンに乗ってはいけないことになっているのですが、血圧の薬（ノルバスク）と血液をサラサラにする薬（オパルモン）、さらに「救心」を飲み、絶叫マシーンに挑戦。「アホと煙は高い所に登る」のサンプルみたいな男です。もともと恐怖心が乏しいのかもしれません。まずは「F2」。車に乗るのではなく、スキーリフトに乗る要領で足は宙ぶらりん！　時速80キロで落下、宙返り、ひねり、ダブルスピンの連続技が楽しめます。「F2」は「走行」でなく「飛行」と形容されており、下半身が風を切り、空に放り出されるようなスリルが味わえます。このパークの中で、私が一番好きな乗り物です。なお、昼過ぎもう1回乗りました。「スペースショット」。シートに腰掛け足はブラブラ。55メートルの垂直タワーを一気に上昇。このときの加重は４G（本物の宇宙ロケットが発射した時の加重）。上昇から下降に転じる瞬間、マイナスのGがかかり、一瞬ですが無重力状態に。この浮遊感がたまりません。左からスペースショット、ビッグバーンコースター、ウォーターコースターここから、コースターを連続体験します。まずは、待ち時間が長くなる「ウォーターコースター」。丸木舟に乗ってプカプカとコースを流されていきます。最後に急傾斜を滑り降り、盛大な水しぶきを浴びながらゴールします。赤いレールの「キャメルコースター悟空」。全長1270ｍの長距離を時速８０キロで走行。オーソドックスなコースターですが、急カーブで体が左右に激しく振られ、そのたびにシートに頭をぶつける過激さ。青いレールの「ビッグバーンコースター」。傾斜角75度を落下。ほとんど真っ逆さまの感覚で、じっさい尻が持ち上がります。そのあと再度、急上昇・急落下して大宙返り。恐怖感は園内随一と評判です。とはいえ、富士急の「ドドンパ」90度、「ええじゃないか」89度に比べれば、かわいいものです。ちなみに、地上80メートルの高さから落下する富士急の「FIJIYAMA」は傾斜角65度。スカイバルーンから見たコースター・ランド。周辺の森が美しい緑のレールは「サンダーコースター」。妙にせせこましい座席でセイフティーバーを押さえ込むと肩が痛くてつらい乗り物。これが連続スクリュー回転して、怖いよりもちょっと不快なコースターでした。黄色いレールは「スピンターンコースター」。あまり乗る気がしなかったのでパス。座席自体が不規則回転しながら走行します。そのほか、お子様向けコースターが3種類ありますがパスしました。コースター系では、F２のほか赤・青も2回乗りました。やっぱりアホですね。それ以外では、母ちゃんが大好きな空中ブランコ「ウェーブスインガー」、バルーンに乗って高原を見渡せる「スカイバルーン」など。大観覧車は時間の都合でカットしました。風を受けて高々と舞うウェーブスインガー園内入口付近へ移動。子ども向けのアトラクション、パビリオンが目白押しです。母ちゃんの強い希望で、なぜか「水上バズーカ」へ。エアガンのバズーカバージョン。ゴムボールを打ち出して、水上に浮かぶ河童などに当てて鳴き声を聞かせるというもの。これがなかなか当たりません。ボールをセットするたびに銃が動き、照準が狂うのです。10発撃って１発命中でした。大人の私はやりませんでした。感心させられたのは「レゴスタジアム」の展示。スターウォーズやら東京名所などレゴを使って精巧に作ってあります。レゴで作られた絵画「モナリザ」、これには度肝を抜かれました。近くで見るとそうでもないのですが、離れて見ると、まぎれもなくダヴィンチの「モナリザ」が謎めいた微笑をたたえて再現されていました。この日の那須高原は曇り。無風状態で湿気がすごく、高原の風どころか蒸し暑いことこの上なし。カンカン照りよりはマシですが大汗をかきながらアトラクションめぐりをしました。おなかもすいたので14時撤収。5時間の滞在でした。

  2008年08月06日

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  神戸・都賀川の水死事故を悼む

  7月28日午後2時40分頃、神戸市灘区の都賀（とが）川が一気に増水。10人以上が流されたり、取り残されたりし、うち児童ら5人が亡くなりました。事件直後から、雨が降ってきたのに川から離れず、橋の下で雨宿りさせていた指導員が悪いという論調がありました。国土交通省の担当者は「雨が降ったら川に近づかないという単純なことが何より大事。急激な増水時には避難が間に合わないため、雨が降り出したら、川べりで雨宿りをしたり、様子を見たりせずに、まず川を離れるという大原則を守ってほしい」と、河川管理に問題はなく、逃げるよう指示しなかった学童クラブ指導員などの問題であるかのような談話を発表していました。河川敷に下りる階段など１７カ所に降雨による増水の危険を知らせる看板を設置してあった。携帯電話ネットサービスで１キロ四方の雨量を１０分毎に情報提供していた。だから、情報をキャッチせず、逃げなかった人間が良くない。そんな単純な話で終わらせていいのでしょうか？六甲山系の地形神戸市など六甲山系の麓に広がる都市は、夜景の美しい観光スポットとして有名。六甲山の山頂や随所にある展望台からは１００万ドルの夜景が楽しめ、有数のデートスポットにもなっています。海岸線から２～4キロメートルの位置に山がせまっており、山から海にかけて急傾斜の「すべり台的地形」を形成しています。また、東西３０キロメートルにも及ぶ六甲山系が瀬戸内海に沿って壁のように立っているため、豪雨が発生しやすい特徴を持っています。六甲山系は日本でも代表的な花崗岩の風化地帯であり、また多数の断層が走っているため崩れやすく、大小あわせて100 に及ぶ河川が流下しています。芦屋川、住吉川、石屋川などは川底が道路よりも高い天井川になっていますが、全河川とも土砂堆積が大きく広大な扇状地が形成され、その上に都市が形成されています。特異な程の急流河川・都賀川列島の中央を山岳地帯が貫いている日本の河川は、外国の川と比較して急流だと言われていますが、六甲山系の「すべり台的地形」を流下している都賀川は、河床勾配が急であることから特異な程の急流河川であるといえます。洪水時、都賀川の水は一般的な河川の1.5～2倍、毎秒８メートル程で一気に流下するのです。しかも杣谷川と六甲川が、今回の事故現場の1キロほど上流（JR山陽本線北側）で合流しているため、降水時の水量は急激に増加します。児童らを襲った濁流（神戸土木事務所監視カメラ）河川改修と住宅開発都賀川は昔から「あばれ川」と言われ、明治時代から改修工事を続けてきました。昭和初期までの改修は、過去10年間の統計資料をもとに、平時に水量が少なく、洪水の例がなかったことから計画されました。川幅を狭め、川筋を移動し、直線化して暗渠（地下のトンネルに川を流す）に変えるといった方法です。さらに土砂を食い止める「砂防ダム」を上流域に設置しました。しかし、この工法では、大雨に耐えることが出来ず、昭和13年の阪神大水害で大きな被害を出しました。川幅が狭く、暗渠入口が膨大な土石で塞がれ、行き場を失った土石流は氾濫して、家屋を呑み込み、橋などを破壊しつつ下流に進み、下流域が土砂により埋没しました。　都賀川では、昭和14年から34年まで、27年28年を除き毎年改修工事がおこなわれてきました。六甲川・杣谷川では、暗渠の取り壊し、合流地点までコンクリートによる護岸・床張・床止工事（3面護岸工事）、川幅2.5 倍・深度2 倍化の工事を実施。また、都賀川では、合流地点付近及び合流地点以南の拡幅・掘削、全線の護岸・床張・床止工事（3面護岸工事）が進められました。さらに、上流の六甲川と杣谷川、その他小河川に堰堤が更に施工されたのです。しかし、昭和42 年7 月、記録的な集中豪雨がこの地域を襲い、昭和13 年に次ぐ大災害となりました。昭和42 年災害は被災範囲は比較的狭かった半面、高度経済成長下で宅地の乱開発が進み、本来ならば宅地としては不適当な山地や河岸を切り開き、河川敷にまで建築物を建てるまでになっていたため、土砂災害の直撃を受け、被害が集中しました。防災ふれあい河川・都賀川昭和50 年初期の都賀川は汚水量が増加、三面護岸で水深が浅く、ヘドロが堆積する「死んだ川」でした。しかし、地域の人たちが「都賀川を守ろう会」を設立、定期的な川の清掃活動、ゴミの不法投棄防止の啓発やイベントなどの活動を展開し、徐々に浄化されていきました。そして、河川公園としての整備に至ります。神戸市は住民の要望を反映し、「都賀川河川公園」を整備したのです。整備内容は、公園から河川に降りられるように階段を設置、河床に深さ20～35cmの水遊び場を設置しました。さらに神戸土木事務所に対して、都賀川にアユがすめるよう魚道の設置を要望、平成５年に完成しました。このとき設置した、魚が遡上しやすいように水がたまる隔壁が、阪神・淡路大震災時に消防・生活用水に利用されました。阪神・淡路大震災時には生活用水として（兵庫県資料）「排水路」としての都賀川報道でも明らかにされていますが、事故当時の降雨量は、山頂付近よりも山間部と市街地の境界付近の方が多く、杣谷川での降水量を測る「永峰」で午後2時40分からの30分間に38ミリ、六甲川の測量点「鶴甲」で30分間に36ミリ、周辺の観測点でも27～44ミリを記録しました。都賀川上流の境界付近は道路が舗装され、排水設備も整備されているため、大量の雨水が地面に吸収されることなく一気に都賀川に流れ込みます。兵庫県によると、都賀川水系には周囲8.9平方キロの範囲の雨水が排水されるのだそうです。さらに、傾斜がきつく、両岸と川底がコンクリートで三面張りにされています。要は「排水路」としての役割が大きい川なのです。国土交通省六甲砂防事務所は、境界付近の局地的豪雨は５～１０分で都賀川に排出されるとしています。監視カメラの映像がテレビでも流されましたが、降り始めから10分間のうちに濁流は人々に襲いかかりました。国土交通省も兵庫県も、都賀川の危険は十分認識していたのです。戦後から高度成長期、洪水に強い三面張り工法は全国の河川で採用されました。「構造上、集中豪雨があると急に増水する危険性が高いと指摘されていた。しかし、川べりに人が降りることは想定していなかった」と国土交通省は言います。しかし、都賀川は「防災ふれあい河川」として、「普段は水に親しめる心地よい川を、そしていざというときは都市災害から住民を守ってくれる川づくり」をスローガンに、これまで整備されてきました。親水公園で遊ぶ子供たち（兵庫県資料）そのことは周知の事実であるのに、「想定していなかった」で済ませられるのでしょうか？　降雨による増水の危険を知らせる看板設置と、携帯電話ネットサービスでの雨量情報提供で、あとは利用者が自衛してくれというのは、国も県もあまりにも無責任ではないでしょうか？　泥縄式の安全対策兵庫県と神戸市は、親水公園や遊歩道などが川べりに整備され、六甲山系から大阪湾に流れ込む河川を対象に、回転灯や警報を鳴らすスピーカーなど警報装置の設置を決めました。表六甲河川は全部で２４水系５１河川。これらのうち都賀川など川べりに下りられる１４水系２１河川を対象に設置を検討し、個所数を絞り込むとしています。 ０５年、県は新湊川に初めて警報装置を設置しました。過去の水害被害で住民から損害賠償訴訟を起こされたからです。ほかの河川についても同様の危険があると分かっていたのに、以前に変わらず看板などで注意を呼びかけていただけ。信じられない人命軽視、場当たり行政です。個数制限などせずに、危険が予想される全河川に警報装置を直ちに設置すること、河川増水の危険情報が、防災無線、防災放送などで迅速に消防・警察・水防団および川にいる住民などに、伝達できるよう緊急連絡体制を整備することが求められます。また、川を直線化し急激な増水をもたらす3面護岸と砂防ダムに頼る治山・治水行政の見直しも重要です。住民が安心して水に親しめる心地よい流れを、コンクリートで固められた「排水路」としての川で実現することは、あまりにもリスクが高いと思われます。本当に自然と交わり、水と親しめる環境の再生こそが大切なのではないかと思います。自衛のために夏場は局地的豪雨、雷を伴う雨の危険も多いです。真っ黒な雲が出ていたり、雷鳴が聞こえたりしたら、自分のいる場所から遠くても注意が必要です。上流に雨が降れば、下流ほど増水量は大きくなります。上流方向の空にも注意を払いたいものです。流れに濁りが混ざったり、木の枝などが流れてきたとき、雷が近づいてきたときは、すぐにその場から退避しなくてはいけません。今回の事故のように3面護岸になっている場所では、水が滑り台を下るような速度で押し寄せ「鉄砲水」が発生します。様子を見る余裕すらありません。大急ぎで逃げるしかありません。また、テントを河原や中州に張ることも危険です。特に上流にダムがある場合、放水のために予期しない増水が起こることもあります。サイレンが聞こえた場合には、すぐに川から上がる、中州などから退避しましょう。また、水門下で遊ぶことも危険です。突然、水門が開き水位が一気に上昇し、激流に巻き込まれることも。砂防ダム（堰堤）の下も危険。土砂の多い川では、砂防ダムは短期間で土石に埋まり、満杯になります。そのような砂防ダムの上流で大雨が降ると、水はもとより土石もダムを乗り越え、土石を含んだ滝となって襲いかかります。巻き込まれたら、助かる見込みはありません。本格的な川遊びの際は、子供にはライフジャケットの装着も必要です。流されると大人でも危険な状態になるのは、以前のブログで報告しました。子どもが流されて、大人が不用意に助けに入ると両方とも助からないケースが少なくありません。ライフジャケットと万が一のとき救助に使える道具を準備すること、その前に流されないようにする準備と対策が必要です。その他、水に関係するところで遊ぶには、事前に調査して対策を立てて出発するように心掛けたいものです。

  2008年08月01日

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  隅田の花火より冬花火

  ２６日は江戸時代中期から続いている隅田川花火大会。狭い隅田川沿いの会場に１００万人近い観客が集まるので、人、人、人の波。開始時間は午後７時からですが、場所取りのために気の早い人は前々日くらいからシートを広げ見張り（これ自体が違法です！）するほど。直前に行った人は座る場所どころか見る場所さえ確保できません。街中での打ち上げなので、打ち上げる高さが低い、ビルが林立していて見える場所が限られている、規制が厳しく立ち止まれない…などの悪条件があります。数年前に、友人たちと「行ってみるか」と相談、隅田川に出かけたことがあります。東武線浅草駅に到着したものの、歩くことさえママならない。目星をつけておいた会場も立錐の余地がないほどの人、人、人。立ち止まることもできず、放浪が始まりました。ときどき空を見上げて「おー、上がった上がった！」などと言いながら、座れそうな場所を求めてウロウロ。終わる頃になって、何キロか川を遡ったところの町内でやっと一息。ここも、安息の地ではなく地元の住民にヘコヘコ頭を下げながら受け入れてもらった次第です。ヒートアイランドでただでも暑い東京、人いきれで、ムワーとしています。汗びっしょりで服は絞れるほど。顔は汗と埃でベタベタ。気持ち悪い！　納涼なんて、看板に偽りあり！帰るといっても、電車は殺人的でなるまでに長い時間並ぶよう。またも延々と歩いて、どうにかタクシーが拾えたのです。６時半頃からタクシーに乗るまで３時間半歩き回っただけの隅田川花火の思い出です。２度と行くことはないでしょう。大内宿雪まつり。陣屋の上に花開く冬花火この日は、久しぶりに母ちゃんの両親のご機嫌伺い。２人とも体調が優れず外食がつらいようなので訪問しました。食事をしていると遠雷のような響き。隅田の花火が始まるよ、と言いながらベランダへ。直線距離８キロくらい離れているのですが、ビルとビルの間に花火が見えます。高く上がる花火だけ見えるのです。テレビ東京の中継番組では、花火の様子と会場の大混雑を報じています。相変わらず激しい人出です。母ちゃんが、「夏の花火はどこに行っても混雑しているし蒸し暑いばかり。冬の花火が素晴らしい。ものすごく寒いけど幻想的で忘れがたいよ」と両親に説明しています。母ちゃんと見に行った冬の花火は本当に感動的でした。中でも、朝から夜まで楽しんだ大内宿の雪まつり。ライトアップとスケールの大きさで魅了する極寒の北海道・層雲峡氷瀑まつり（右肩の写真）、どちらも寒さを忘れて「素晴らしい！」。そのほか、各地で冬花火の催しがあります。規模の大小はありますが、地元の工夫・努力が感じられます。冬の夜空に大輪の花を咲かせる花火の魅力、味わってみてください。但し、防寒着・ホッカイロと滑り止め（スパイクシューズなど）は忘れずに！

  2008年07月27日

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• 「布川事件」一日も早い再審開始を！

  １９６７年に茨城県利根町で起きた「布川（ふかわ）事件」。第２次再審請求抗告審で、東京高裁が水戸地裁の再審開始決定を支持し、検察側の即時抗告を棄却したことに対し、東京高等検察庁は７月２２日、最高裁に異常ともいえる特別抗告しました。「疑わしきは被告人の利益」という無罪推定の原則にもかかわらず、日本の司法は「疑わしきは有罪」として、数多くの冤罪事件を作り出してきました。「布川事件」第２次再審請求審理では、｢疑わしき…｣どころか、水戸地裁に続き東京高裁も、有罪の根拠とされた自白の信用性や目撃証言について「重大な疑問が生じた」として再審開始決定をしました。検察側は、下級審での再審開始決定が最高裁で覆ったケースはないことを熟知しているにもかかわらず、第２次再審請求審理まで重要な証拠を隠し続け裁判を歪めてきたことを反省するどころか、不当にも特別抗告をしたのです。「布川事件」というのは、６２歳の独り暮らしの男性が自宅で殺され、現金が奪われた事件。警察の見込み捜査によって犯人と見なされた桜井昌司さんと杉山卓男さんが別件逮捕されました。警察は、２人が犯人だという予断を持って過酷な取り調べを続け、２人を「自供」に追い込みました。その後２人は「自供を強要された」として否認に転じます。すると、検察と警察は、２人を拘置所から警察に戻して再度自供を強要。追い詰められた２人は否認を撤回して再び嘘の「自供」をさせられます。桜井さんと杉山さんは、裁判で一貫して否認したものの、無罪推定の原則に反した理由で無期懲役刑に処せられました。この裁判中、検察側は無罪を証明する証拠を隠し続けてきたのです。２人の一貫した無実の訴えに、日本弁護士連合会も「冤罪の疑いがある」として調査に乗り出し、２人は１９８３年再審請求の申し立てを行いましたが「犯行の可能性がないわけでない」（「可能性論」）として棄却されてきました。弁護団は２００１年に第２次再審請求を申し立て、指紋など物的証拠がないのに、供述証拠だけで出された有罪判決を批判。自白と目撃証言の信頼性を崩す実験結果、桜井さんの「獄中日記」１６冊などを提出しました。第２次再審請求の事実調べでは、殺害方法が最大の争点となりました。自白では扼殺、鑑定は絞殺２人を無期懲役に処した判決では「被害者の首を手で押して殺害した」とされていましたが、弁護団は「絞殺」の可能性を示す医師の鑑定書を提出。検察が隠し続けた死体検案書の公開を強く求めました。検案書には「絞殺が推測される」と書かれていたのです。審理の結果、裁判所は「下着で首を絞めた可能性が高く、死体の客観的状況と矛盾する」と断定しました。編集されていた取調べ内容録音テープ提出された取り調べテープには音声の途切れなど編集した痕跡が発見されました。再審開始決定では「捜査官の誘導に迎合したと疑われる点が多数存在する」と自白の信用性に疑問を投げかけました。成り立たない目撃証言犯行が行われた時間に被害者の自宅前などで２人を見たという目撃証言について、再審請求審理では、元の目撃証言について「周囲が暗くなっている当時の状況などから２人と特定できない」という弁護側の主張が認められました。さらに、より近くで犯人と思われる２人組を目撃していた女性が「この２人ではない」と証言しました。侵入口には食器棚があった調書では「勝手口の左側ガラス戸を右に開けた」と自白していますが、左ガラス戸の内側に大きな食器棚が置かれており、その戸を開けて侵入はできません。結局、自白自体がねつ造されたことが明白です。２人の指紋が検出されていない43点もの指紋が採集されたのに2名の指紋が現場から全く検出されていません。元の裁判では指紋を拭き取ったとしていますが、物色されたはずの金庫や机から多くの指紋が検出されており、自分たちの指紋だけ拭き取れるはずがありません。 現場に２人の毛髪はなかった現場では毛髪が採取されていました。しかし、検察側は、第２次再審請求審理の過程で開示を求められるまで隠し続けてきました。２００５年になって開示された鑑定書によると、２人の毛髪はありませんでした。無罪の証拠とされるのを防ぐために隠匿していたのです。東京高裁の再審開始決定は、捜査のあり方を厳しく批判しています。自白については、「捜査員の誘導をうかがわせるとして、自白の任意性、信用性を否定しました。これは有罪の確定判決を覆す判断であり、見込み捜査、別件逮捕、自白強要――という冤罪事件に共通する不当捜査と「疑わしきは罰してしまえ」という強権的裁判への警鐘となっています。永年獄中につながれてきた桜井さんと杉山さんは既に６１歳。９６年に仮釈放されましたが、現在も仮釈放中という不安定な状態に置かれています。検察側は非人道的な特別抗告を取り下げ、冤罪に苦しむ２人の無実を晴らすために尽力するべきです。それでこそ法の番人としての責務を果たせるのではないでしょうか。桜井さんと杉山さんの無実が一日も早く証明され、名誉回復されるよう願ってやみません。

  2008年07月25日

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  沼津・シーズン最後のアオリイカ

  海の日の３連休。今年は沼津の友人宅の「新居お披露目」に友達家族が集まりました。駅近くの高層マンションで、南には駿河湾が広がり、北に富士山が望めるロケーション。なかなかの新居です。とはいえ、せっかく沼津まで行くのですから「釣り」ははずせません。沼津といえば｢アオリイカ」。残念ながら盛期は過ぎ、アオリイカ狙いの釣り人は、秋の「子アオリ(コロッケと言います)」までお預け状態です。私たち夫婦も、６月にアオリイカ釣行を予定していましたが、母ちゃんが川で負傷したため中止しました。今回の沼津訪問は、時期遅れでダメかもしれませんがエギ（アオリイカ用の疑似餌）釣りに挑戦することに。夜明けととも釣りを開始できるよう東京を出発。渋滞もなく順調に東名を走り４時前に沼津IC着。４１４号線を走行中、大変なことに気付きました。エギ用のロッドを家に忘れてきたのです。長野の友人とも釣りをするつもりで、投げ釣り用ロッドやタックルボックスなど積み込んで、エギ用ロッドのことをすっかり忘れてしまった次第です。仕方なく、長くて重いロッドでエギを投げることになりました。左腕に痛みのある母ちゃんには気の毒しました。ゴメン！写真は２杯目のアオリイカ。重さは分かりませんが胴体は２０センチくらい。背景は西浦足保の堤防と駿河湾の景色沼津の防波堤は、どこも大人気。四季を通じてさまざまな魚が釣れるのです。この日も主要な港の防波堤は立錐の余地がないほど、釣り人が並んでいます。出かけに調べておいた小さい港・西浦足保（あしぼ）で挑戦することに。エギを投げ、いったん底まで沈め大きくシャクリ。この繰り返しです。シャクリのタイミングがうまく取れず、苦しむ母ちゃん。タイミングを教えながら、投入位置を少しずつ変えてエギングを続けていると、私のロッドにグーと重みが加わりました。「きた！？」と半信半疑でルアーをゆっくり巻き続けていると、エギが水面に。母ちゃんは「海草だよ｣と言います。色合いはそんな感じですが、私は「アオリだ！」と確信して巻き続けます。やっぱりアオリイカです。まさか釣れるとは思っていなかったので、タモもクーラーボックスも車に置いたまま。アオリイカは、長いタモか、何本ものツメが付いたギャフという道具を使って掬い上げるよう、どの解説書にも書いてあります。万が一足１本に引っかかっていたら、海面から釣り上げた途端、足が切れて、重たいアオリイカに逃げられてしまうのです。ドキドキしながら、ゆっくり水面に釣り上げてソーッと堤防へ。けっこうな重さです。無事着地。エギがガッチリ食い込んでいて、まずは放置しておいても大丈夫と判断。駐車場まで、大汗かきながらクーラーボックスを取りに行き、戻ってから締め具を使って活き締めに。それまで濃い茶色だったアオリがスッと白くなり、身が透き通ります。うまそう。さすが最高級といわれるイカです。これは良い型。胴体は３０センチ以上あります。エギは１２センチですエギング再開。しばらくして、また私のロッドに反応。でも先ほどより軽そうです。クイクイと引き寄せて引き上げてみました。先ほどの半分くらいでしょうか。駐車場管理の漁協のお爺さんが「この時期は釣れなくて当たり前なのに、２杯も上げるとは運がいいね。今日はまだ誰も釣ってないよ｣と喜んでくれました。その後も、エギを投入し続けましたが、ピタリと当たりは止まり、夏の太陽がギラギラと照り付けます。１０時に撤収。友人宅へ行き、直ぐに解体。大皿いっぱいの刺身です。めちゃ美味！　厚めの身がモッチリとして甘い！　　釣れなかった母ちゃんは「自分は釣れなかったけど、父ちゃんが２杯も釣ったから大満足。秋にコロッケたくさん釣るよ！」とあくまでポジティブ。次はエギングロッドで母ちゃんにも釣らせてあげよう、と固く決意した私でありました。

  2008年07月21日

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  「一期一会」最北からの便り

  私たち夫婦はよく旅に出かけます。二人きりで車で観光地を回る、家族や母ちゃんの両親と同行する、気心の知れた友人たちとワイガヤと旅する、安いツアーを見つけては参加する…いろんな旅を経験しています。訪れる土地ごとに「食べ物」「名産」「遺跡など観光スポット」「人々とのふれあい」…を体験し、教えられ、そして大きな癒しと元気をもらって日常に復帰する。旅は素晴らしい！！私と母ちゃんは、でかい図体のわりには「人みしり」が激しく、ツアーなどでもほかの同行者と会話するなんてことを自分から進んでやれません。話しかけられて、巻き込まれて、初対面の人たちとのコミュニケーションが広がるといったレベルです。でも、旅の記憶をよみがえらせるツールとして「集合写真」には必ず写っているし、高めの値段設定でも写真を申し込み、写真を見ながら旅のエピソードを母ちゃんと思い出し、次の旅行企画を立てているのです。そんな希薄な「人々とのふれあい」しかできていないのに、付き合いが深まる人々や心に残る人々がいます。たとえば、男鹿川のそば処「古代村」さん。１０年近く前から男鹿川釣行を続けていますが、無愛想な私はそばを食べて帰るだけの客。それでも、この店のなんとも言えない居心地の良さで釣行―そば―休憩を繰り返してきました。数年前、増水で釣りにくい状況下、釣りを終えて店に顔を出したとき、オーナーの塩生（しおの）さんから釣果を尋ねられたときから、だんだんと親密になっていきました。悪条件化でどんな餌を使いどんなところで釣るのか、そんな私のボソボソ回答を釣り情報に掲載してくれたのです。その後も、男鹿川釣行―「古代村」休憩のパターンが続き、他の釣り人とも話せるようになり、「じねんと倶楽部」のそでピーさんなどとも裸のつきあいができるようになったのです（文字どおり一緒に温泉にも入りました）。昨日、今年２月２１日付の日記に書き込みがありました。「室井滋（芸名）」さんというハンドルネーム。内容を見てビックリ！！！　紹介させていただいた宗谷バスのガイド・高橋さんご本人からだったのです。ぜひぜひ再会したい、心に残るガイドさんでしたから、うれしくて、「高橋美幸さんからの書き込みだ！」と母ちゃんと２人して大はしゃぎ。しかも「４０歳過ぎてからの高校進学・卒業」とのことで「やっぱり、あの人はすごい！」と感動して、オホーツクツアーの思い出話に花が咲きました。先月末に利尻・礼文ツアーに行ったときにも、宗谷バスを見るたびに会えるんじゃないかとドキドキしていました。ほかのガイドさんに「高橋さんは元気ですか？」と声が掛けられず、また稚内の宗谷バス本社を訪問する勇気もなく、帰郷してしまっただけに、飛び上るほどうれしい便りでした。高橋さん自身、読売新聞の取材に答えて「『楽しかったよ』以上に、『また来るよ』と言われたくて」とおっしゃっていますが、最北の地に「また、また、また行くよ」の気持ちがいっぱいです。利尻・礼文の添乗員・Ａさんからもお便りがありました。母ちゃんの忘れ物を回収してくださったのです。こちらは写真入りはがき。Ａさんがご自身で撮ったオオカサモチとレブンシオガマの写真に添えて楽しかった旅の思い出がビッシリと書かれていました。ツアー内容の大幅変更という不満足な状況で、誠心誠意のサービスをしてくれたＡさん。彼女のおかげで、感動的な花めぐりができ、「また行こう」という気持ちがいっぱいです。高橋さんとＡさんに共通しているのは、一期一会の気持ちで私たちに接してくれたということでしょう。「一期一会」。この出会いは、二度と巡っては来ない生涯一度きりのもの。だから、この一瞬を大切に思い、今できる最高のおもてなしをしましょう。という茶道の心得です。再会することはあるかもしれないが、二度とは会えないかもしれないという「覚悟」で接遇する、ということ。そんな思いでお二人が接してくれたからこそ、いつまでも心に残っているのだと思います。旅行や釣りに行って、「食べ物」「名産」「遺跡など観光スポット」「人々とのふれあい」…に感動し、日頃の無理や苦悩にリセットをかけ、大きな癒しと元気をもらって日常に復帰する。童話作家・アンデルセンの言葉「旅することは生きること」が実感されます。写真は礼文を発つときに乗った「サイプリア宗谷」。レブンアツモリソウの学名（サイプリペディウム）に由来するそうで、アツモリソウの花言葉は「君を忘れない」

  2008年07月18日

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  男鹿川に今年も「夏休みチビッコ川遊び場」

  夏休みの間に男鹿川の中三依に行くと、そば店「古代村」のある落合橋と「どんどん滝」付近にロープが張られ「釣り禁止」の札がでています。男鹿川支流の入山沢に毎年オープンする「チビッ子川遊び場」です。見ていると、チビッ子たちが水着姿で思い思いの水遊びに興じています。網を構えて魚を追ったり、手づかみしようと挟み撃ちにしたり、本当に楽しそうで、普段は静かな川筋に歓声が上がっています。うちの母ちゃんなんぞは、この光景を見るたびに「やりたい！」を連発。それくらい楽しそうなのです。今年も「夏休みチビッコ川遊び場」が７月２０日からスタートします。スタートの２０日は、間近で「釣り大会」も開催されるので、中三依はけっこうにぎやかになるでしょう。家族揃って釣り大会とチビッ子川遊び、いかがですか？　きれいな空気、澄んだ水、美味しいそば･･･お父さんの（お母さんも)株がグンと上がること請け合いです。場所は野岩鉄道「中三依温泉駅」から徒歩５分くらい。以下は、「中三依観光協会」そでぴ～さんの「お知らせ」記事です。夏休みチビッコ川遊び場 子供の頃、あたりまえだった夏の水遊び、今年の夏、ご家族でいかがですか？思いっきり服をぬらして、汗をかいて、そんな遊びは都会で出来なくなりました。楽しい夏休みの思い出も作れる三依。 7月20日から8月19日までは入山沢（古代村落合橋からどんどん滝手前まで）ちびっこ川遊び場として子供達に無料開放されます。 子供同伴なら大人も魚採りもＯＫ。お父さんも童心に帰れる時間が子供と過せます。 雑魚（イワナ、ヤマメなど）の特別放流も行います。また、期間中区間内での漁獲方法は、釣り、手づかみ、網の使用など自由です。 ●注意事項※期間内の釣りは禁止区間となりますのでご注意下さい。（子供達が遊ぶ区間の為、釣り針等での事故を防ぐ為、お守り下さい） ※対象者、中学生まで、小学生以下は原則として保護者が付き添って下さい。※特に監視員は常駐しておりません。事故等に付きましては一切の責任を負いませんので充分ご注意下さい。 お問い合わせ先　おじか・きぬ魚協三依支部長、塩生勇一　０２８８－７９－０１１０　まで 楽しい夏休みをここ三依で！三依にはこんなのもいます～写真はご存知ミヤマクワガタ、これを見つければお父さんもカッコイイ～ッ大人もこんな状態になってしまいます。 釣りだけでない夏の三依、ご家族で楽しい夏休みをお過ごし下さい。

  2008年07月15日

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  男鹿川釣り大会準備アンド母ちゃん復帰第一戦

  １２日ホームの男鹿川へ。目的は２つ。母ちゃんの復帰第一戦と２０日の男鹿川釣り大会のための河川整備ボランティアです。母ちゃん復帰戦山梨県の丹波川で、流れに足を取られて転倒、負傷したものの九死に一生を得た母ちゃん（詳細は６月１日付ブログ）が自粛していたつりを再開することになりました。いつもなら、男鹿川では離れ離れになりそれぞれの好みのポイントに入渓しますが、今回は復帰第一戦ということで、常に私の視界に母ちゃんが入るようにして「まるみの湯」前で竿を出しました。夜明けの男鹿川。母ちゃん復帰を男鹿の神も祝福！？ところが、渇水状態で良型のイワナ･ヤマメは掛からず、太ったハヤと１５～１０センチくらいのチビヤマメの猛攻で、私は戦意喪失状態です。ところが母ちゃんは「ワクワクする！｣と大ハリキリ。普段の母ちゃんは、大きいのが釣れればうれしくて「釣れた～」と直ぐにメールしてくるし、目標２匹を達成すると「やったー」と携帯にＴＥＬしてくる普通の釣り人。ところが、大物がいなくてチビやハヤの猛攻が続くと、そのポイントに陣取り、釣ってはリリースを飽きることなく繰り返します。５時ごろから１０時半頃まで移動しながら釣り続けていました。この日は散々な釣果で、結果私が２４センチのイワナを１匹キープしただけで納竿、古代村で蕎麦を食べて、一旦塩原に引き上げました。７月２０日男鹿川釣り大会のための河川整備作業１６時、私は再び三依に戻り河川整備作業のボランティアに参加。「おじか・きぬ漁協」三依支部のメンバーと「じねんと倶楽部」関係のボランティア２０人程で、釣り大会会場の草刈り、ゴミ拾い、入渓ポイント整備です。左：草とツルに塞がれた入渓点　右：口を開けた入渓路私は、入渓ポイントの整備組。参加者が相当数になるので、普段使われていない対岸の入渓ポイントの雑木を切り、あるいは枝打ちをし、下生えを刈って入渓路を整え、立ち場所を広くします。同行の地元の人はチェンソーと草刈り機、古代村で蕎麦とサムライ修業のフランス人ＶＡＮ君はナタ、私はノコギリを、それぞれ持ち作業にかかります。うなるチェンソー。右下は枝打ちのＶＡＮ君(手ブレ許してネ）切り倒した木や枝、草などを脇に片付けていきます。みんな大汗をかいて、木屑や泥、枝から落ちた虫などでたちまち汚れていきます。でも、安心して竿を出せるポイントが出来上がりました(写真下)１時間４５分くらいで各班が作業を終えて集結してきました。集落側の入渓ポイントを担当した班は、ゴミを６袋くらい抱えてています。やはり普段から多くの人が入渓するところは、ゴミも多いようです。私たちの対岸組はゴミ袋1.5個でした。これで、釣り大会に来てくれる人々も気持ちよく競技できることでしょう。第４回男鹿川渓流釣り大会　●主　催　おじか・きぬ漁協三依支部●期　日　平成２０年７月２０日（日）　●場　所　中三依地区内の男鹿川特別漁場区間　三依橋～芹沢橋●受　付　中三依示現神社前広場（駐車場あり）　（国道121号中三依銀座、信号前です）●受付開始　午前８時より●参加費　２，０００円（年券所持者は１，５００円） イワナ、ヤマメ３００kgを当日朝、放流。釣り大会開始時間は午前１０時から午後３時まで。午後３時から検量を行い、午後4時より表彰式を行います。大物賞（１～３位）、大漁賞（１～３位）、飛び込み賞など商品多数用意。※なお、芹沢橋から三依橋の特設釣り場は翌日の７月２１日（日）も料金２,０００円（年券所持者１,５００円）となり、一般遊漁は禁止となりますのでご注意下さい。

  2008年07月13日

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  利尻･礼文ツアー　場外編

  ツアー会社の無能力で、３日間のうち２日は移動日状態になって、強行スケジュールだったけど、かわいい添乗員さん（ハイキング担当)、花ガイドさん、バスガイドさんの心のこもったアシストで大満足の利尻･礼文ハイキングレポートも最終回です。エピソードをいくつか。また来るよ、礼文島３日目、稚内に向かうフェリーから礼文島香深港を振り返りました。次回はたっぷり時間をとって島内を歩きます。出港のとき礼文の名物ユースホステル桃岩荘の見送り風景を目にしました。写真のように、波止場に並んだYHのヘルパーさんや滞在客が、礼文を離れるYH宿泊者を踊りと歌で見送るのです。フェリーが見えなくなるまで延々と続きます。宿泊すると歌と踊りを毎日練習するそうです。船上の見送られる側も感動を隠せないようで涙ぐんでいました。サロベツ原生花園から利尻富士に再見の挨拶稚内から増毛方面へ海岸沿いの日本海オロロンラインを走り続けます。稚内市から隣町の豊富町へ入ると道路から電柱が消えます。右手に利尻富士が見える絶景ポイントでCM撮影にも使われるところ。利尻水道を挟んで海に浮かぶ利尻はまさに夢の浮島です。ノンストップのバス車内から撮影しました。直ぐにサロベツ原生花園に到着。一面の花を想像していましたが若干ずれたようでエゾカンゾウ、エゾイソツツジの小群落があった程度。残念！　でも原野の先に見える利尻島に再見の挨拶をしました。湿原の乾燥が進み、サロベツ原野一帯が熊笹に侵食されています。この湿原自体この７０～８０年の間に６分の１程度にまで減少しています。原因は農地開拓、泥炭採取、さらに河川改修や排水設備のため地下水位が低下していることが指摘されています。そのため自然再生事業が０２年から続けられていますが、回復への道のりを果てしなく遠いようです。それでも原生花園の木道下にはミズゴケ類がしっとりと水分を含んでいます。新千歳空港厳戒態勢洞爺湖サミットの会場直近空港が新千歳。周辺道路も空港内も警察官だらけ。全国から応援の機動隊が集結しているらしく、他県ナンバーの装甲車がズラリとならび物々しい限りです。搭乗口付近は神奈川県警の持ち場。私の人相がよくないのかギロッとにらまれました。怖くなって写真は遠慮しておきました。おまけ(蛇足？）「洞爺湖サミットが閉幕して」感想恥ずべき「主要国」の無責任姿勢膨大なエネルギーとぜいたく三昧な食物を費やして、主要国首脳会議（Ｇ８サミット）が閉幕しました。日本、アメリカなど主要８カ国に、アフリカ諸国や中国・インドなど新興国を交えての開催です。今回の課題は、世界的貧困と格差拡大、投機マネーなどによる原油や食料の急騰、地球温暖化問題など世界的（というより）地球的なもの。しかし、宣言に盛り込まれた対策は、福田総理の自画自賛にも拘らず、実効性が疑われる中途半端な内容でした。エコを論じるべき場で「主要国」のエゴがむき出しとなった恥ずべきサミットではなかったでしょうか。そのことを曝け出したのは地球温暖化問題。異常気象や生態系破壊などが急激に進行しているなか、地球温暖化対策は待ったなしのはずです。温暖化被害を食い止めるための温室効果ガスの排出削減は世界全体で直ちに取り組まれるべきです。しかし、Ｇ８宣言は、２０５０年までの世界全体の排出量５０％削減を国連で検討し、採択するというだけ。先進８カ国が自国の工業生産優先のために犯してきた温暖化ガスの大規模な排出。８カ国の温室効果ガス排出量は世界の４８％です。だから先進国は自らの歴史的責任を自覚し、いつまでにどの程度の削減を目指すか明らかにしなくてはなりません。アメリカのエゴと追随した日本Ｇ８がその責任にふさわしい目標を掲げられず、具体的な２０２０年までの中期目標を設定できなかったのにはアメリカとそれに追随した議長国日本の責任が大きいといわなくてはなりません。アメリカがあくまでも新興国にも長期目標を課すことに固執し、日本もそれに従ったのです。確かに今回参加した中国･インドなど新興国が排出しているＣＯ2は３０％に達しています。「経済発展途上にあり、一方的な排出規制は国民生活を苦しくする｣とそれらの国々は主張。「先進国がＣＯ2削減の中期目標を明確にせよ｣といいます。これらの国々が温暖化防止のために真剣に取り組むべきなのは当然です。しかし、それがないからと先進国側が具体目標も示さないのは、責任転嫁であり無責任のきわみであると言えます。福田総理は記者会見で、中国、インドなどを含む「主要経済国の貢献」を強調。先進国８カ国が果たすべき責任をぼやけさせました。世界「共通の決意」だというだけで自らの目標を明確にしないのは、世界に冠たるＧ８の一員であり今回の議長国である日本の総理としては、許しがたい無責任な態度としか言いようがありません。投機マネーを規制できない事情世界の経済を混乱させ、各国とくに新興国の国民に塗炭の苦しみを与えている原油や食料の高騰。Ｇ８は投機の規制についても、なんら実効ある対策を打ち出せませんでした。経済宣言は原油や食料の高騰が「世界のインフレ圧力を高める」と「懸念」を表明してますが、原因となっている投機についてはなんらの規制策も示すことができませんでした。サブプライム問題に端を発した世界的ドル安と金融不安。投機マネーがドル資産を離れて先物市場に流入していることが原油や食料高騰の大きな原因とされています。先月末サウジアラビアで開催された産油国と消費国の会議でも、投機規制することで合意しています。しかし日米はなんらの規制も行なっていません。巨大な投機マネーを動かすヘッジファンドはアメリカに本拠地を置いています。さらにトウモロコシからバイオ燃料を抽出するのはアメリカのもっとも重要な国策です。こんな国が真剣に投機マネーを規制できるのでしょうか？　加えて、投機資金を低利で提供し続けているのは日本の大手金融機関です。だから、ブッシュ大統領も福田総理も掛け声だけで具体的な直接規制を口にしないのではないでしょうか？彼らが口を濁し、美食を堪能している間にも、飢餓に陥り命を落とす人々がいるというのに、投機を放置し、自国のファンドの利益を擁護する姿勢を取り続けていることは、厳しく指弾されなくてはなりません。一人一人が行動を地球温暖化にせよ、原油高騰、食糧危機にせよ、Ｇ８の政府にだけ任せておくことはできません。先進国に果たすべき役割を明らかにし、地球的課題を解決するために、一人一人がこの問題を真剣に考え、小さな小さなものであっても行動を起こすことが大切だと考えます。「ひとりの小さなため息も、みんな合わせれば嵐になる」のです。　写真は夕暮れの洞爺湖。湖の向こうに羊蹄山が見える(０４年)

  2008年07月11日

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  星の子のウスユキソウ（利尻･礼文　４）

  礼文島ハイキング後半は林道コースを通ってレブンウスユキソウ群落地への往復。桃岩コースで疲れた人をバスに残し、長い上り坂をゆっくりと登ります。途中まで同行した人が何人かギブアップして、バスへ戻っていきます。強かった風も収まり気温が上がって暑いくらいです。振り返ると靄にかすんだ利尻富士が遠くに見えて、気持ちいい。ガイドさんに教えてもらった花を紹介していきます。あまりのピンボケ、名前が特定できない花は省きます。かわいいシャクの花が疲れを癒すツマトリソウ。清楚な花が印象的葉が車輪のようなクルマバソウ小さな花が群れなして･･･。ピンボケで花の紅斑点が見えないアキグミの花。秋には赤い実が熟れるたった一輪、健気に咲くエゾカワラナデシコつぼみ膨らませるチシマアザミあでやかな紫、ハクサンチドリちょっとピンボケ。薄紫のキクバクワガタ戦の采配に似ている？サイハイランしずやしず、しずのおだまきくりかえし…静御前を思い浮かべるミヤマオダマキ鳥のキジが座る蓆に見立てたキジムシロ実にはカギ状の毛があり、動物や人の衣服について運ばれるオオダイコンソウめでたい名前、延齢草。白い花は華やかだが紫は地味立ち姿が蝮に似ている？マムシソウエゾノハクサンイチゲ。散り遅れた感があるレブンウスユキソウの群落地到着。エーデルワイスの名で知られています。まだ満開ではないが斜面を白く染めています。夏に花開き、輝く産毛を持つ白い苞葉（ほうよう）が中心の花束を守っています。星の形のまま最北の秋を迎え綿毛に包まれた種を宿し、ドライフラワーのようになっても丘に立ち続けて雪を待つ「星の子」レブンウスユキソウ。なぜか心揺さぶられました。感動に満ちた花の浮島ハイキング、花ガイドさんありがとう！！次回は夢の浮島、花の浮島ツアーこぼれ話。

  2008年07月08日

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  花の浮島ハイキング（利尻･礼文　その３）

  礼文島は人の住む島としては日本最北。島名はアイヌ語の「レブン・シリ」＝「沖の島」という意味の言葉に由来しています。火山島の利尻とはまったく様子が違って、最高峰の礼文岳でも標高は４９０メートル。南北２９キロメートル、東西８キロメートル、馬の顔に似た縦長のゆるやかな丘陵性の地形です。日本海を渡る厳しい偏西風をまともに受ける西海岸は断崖絶壁が連なり、東海岸はなだらかな山並みが海まで続いています。この時期、約３００種の高山植物が咲き乱れ「花の浮島」という美称に恥じません。礼文島の緯度の高さと特有の厳しい気候条件が気温低下させるため、本州では２０００メートル以上の高山でなければ見られない高山植物が、海岸付近でも見ることができます。礼文で一番有名な花は、島の固有種「レブンアツモリソウ」。今回の旅行はよりたくさんの花を見たいため開花時期をずらしました。今回のメインは「レブンウスユキソウ」と呼ばれる「エーデルワイス」、草原をピンクに染める「レブンシオガマ」｢イブキトラノオ」、紫色の「レブンソウ」「オダマキ」「チシマフウロ｣、白い花は「オオカサモチ」「エゾノシシウド」など。桃の形をした｢桃岩」。風浪の侵食の激しさが分かる礼文島には、ハイキングに同行して花々を紹介してくれる「はなガイドクラブ｣のガイドさんたちがいます。すらりとカッコイイ女性ガイドさんに引率されて、桃岩と林道の２コースに咲き乱れる花を見て歩きました。花ガイドさんによると、前日までは気温が低く風が強くて防寒対策をしっかりしていたそうです。この日は比較的風が弱くしかも気温上昇で、歩いていても汗ばむほどでした。ガイドさんが教えてくれた花は全部で５０種類くらい。写真を撮ってメモしている間にガイドさんと同行のツアー客は先行して行きます。追いつくために駆け上がる、また遅れるの繰り返しで、結局不十分なメモと写真になってしまいました。写真がピンボケの花、写真はあるのに名前を思い出せない花があります。桃岩コース入口の咲くハルザキヤマガラシ桃岩という桃の形をした大きな岩を望む尾根コースでは、白とピンクを基調に「チシマフウロ」や「エゾカンゾウ」などが混じります。今日は桃岩コースで教わった花々のいくつかを紹介します。左はイブキトラノオ、右・レブンシオガマ咲き乱れるチシマフウロ草原を紫に染めるレブンソウレブンソウとそっくりだが花が下を向いているカラフトゲンゲ左･バイケイソウ、右は希少種チョウノスケソウ鮮やかな色彩エゾカンゾウ、右下はヤマブキショウマ可憐なミヤマキンポウゲ輝く黄色い花レブンキンバイソウ歌舞伎の演目にもなっているセンダイハギ慣れないと見分けがつかない白い花。上からエゾノシシウド、オオハナウド、オオカサモチエゾニュウのつぼみ。軸は真竹ほどもあり不気味次回は、林道コース奥に咲く「ウスユキソウ｣など紹介します。

  2008年07月06日

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  利尻富士に魅せられた！（利尻・礼文　その2 ）

  周囲６３キロメートル、面積１８３平方キロの島、利尻。フェリー出港から、ずっと見え続ける利尻岳は海抜１７２１メートル。その美しい姿から利尻富士と呼ばれ、深田久弥の日本百名山で第１番に紹介されています（最北なんだから当たり前か？）船上から望む優美な利尻富士。もう直ぐ上陸だ利尻という名は、「高い・島」を意味するアイヌ語の「リイ・シリ」が由来。今から約２０万年前の噴火によってできた、火山島です。行程の関係で島の東半分しか回れませんでしたが、さまざまに表情を変える利尻富士にすっかり魅せられてしまいました。鴛泊（おしどまり）港に到着して、まっすぐ民宿風の旅館（？）最北亭にチェックイン。時間は１７時半を回っています。旅館裏にあるぺシ岬からの夕日がきれいと聞いていたのですが、母ちゃんの腰や膝は完全ではないので、礼文ハイキングのために大事を取って、夕食までの時間、部屋から利尻富士を眺めていました。夕日が美しいといわれるペシ岬夜明けの利尻富士翌朝５時の時点では利尻岳はくっきり見えていたのに、出発間際にはどんどんと雲が広がり、山は全く見えません。大丈夫かと思いつつ（というのは、霧が多くひどいときには４日も５日も山が見えないようになるそうです）原生林に包まれた姫沼へ。やはり山は見えません。周囲８００メートルの姫沼。新たに整備された木道を歩き始めて間なしに雨が降り始めました。「え～っ！」となりましたが、木の枝に覆われているのでさほど濡れることなく散策。原生林に囲まれる姫沼。晴れていれば背後に山頂が見えるチロチロと湧き出す湧水。島中が名水の宝庫途中に石囲いの湧水があり、チロチロと流れています。口に含むとほのかに甘い。山に降った雨や雪が地面にしみこんで長い時間をかけて麓や海中で湧出しているのです。だからミネラルが豊富です。ちなみに、この栄養価の高い水のおかげで海中のコンブはよく成長し、最高級とされる利尻産のコンブになります。その昆布を食べて生育するウニもまた最高級品の折り紙付です。緑の中、この枝だけ赤く染まったナナカマドマイナスイオンを全身に浴び胸いっぱい吸い込んで、次の目的地「オタトマリ沼」へ移動。雨は一瞬の通り雨だったようで、すこしずつ山頂が見え始めました。民家の軒先には可憐な黄色い花「リシリヒナゲシ」が咲き乱れて、いい旅となる予感を与えます（「幸福の黄色いハンカチ」の影響かな？）。利尻島固有種のリシリヒナゲシオタトマリ沼から見る利尻富士は全国区で有名。というのもあの北海道銘菓「白い恋人」のポスターに使われている写真が、ここから見た利尻岳なのです。空はすっかり晴れています。山は少し霞がかかったように見えますが、風がさわやかで素晴らしい景色でした。鴛泊港から見る姿とはまるっきり違って、男性的な急峻、尖った岸壁が魅力的です。写真を頑張って撮りましたがコンパクトデジカメの限界か、あまり迫力はありません。オタトマリから見る利尻富士の雄姿オタトマリでの楽しみは山容だけではありません。生ウニの握り寿司が食べられるのです。ムラサキウニ２貫バフンウニ１貫で１０００円（通常は１４００円）、バフンウニ３貫だと１２００円（通常は１８００円）。私と母ちゃんは迷うことなくバフンウニ３貫。先ほど腹いっぱい朝食を食べたのに！　でも、美味い！！　東京の寿司屋さんでは絶対に味わえない甘み、しっかりした身。しあわせだな～。この色、このツヤ。バフンウニの握り寿司、絶品です１０時４５分発のフェリーで礼文島に向かいます。もっとゆっくり島巡りしたいもの。まあ、いつものことながらツアーはテスト旅行（サンプルチェック）と割り切って、再訪するときは自分たちのペースで回る、これも我が家流の旅行術です。東京からはずいぶん遠い島ですが、すっかり魅了されました。

  2008年07月02日

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  夢の浮島・利尻島　花の浮島・礼文島　その１

  念願の日本最北の島へ行ってきました。次回から、初めての利尻島・礼文島ハイキングツアーの内容を連載していきます。観光日記そのものより、同行してくれた花ガイドさんが紹介してくれた花の写真の整理に手間取っていますので、もどかしい日記の進行になりますがお許しください。東京から稚内までクラ●ツー●リズムのとんでもない段取りで、行きの飛行機は稚内空港着のはずが旭川空港に変更。いくら但し書きが付いているとは言え、いきなり長距離バスで移動となってしまいました。羽田発朝７時４０分、旭川着９時。そこから稚内まで２５０キロ以上、５時間以上もバスの中です。フェリーの関係でトイレ休憩以外立ち寄りできないので昼食もバスの中でお弁当という状態でした。それはそれとして、与えられた条件で目一杯楽しむのが我が家流。途中の道の駅で短いトイレ休憩の合間に、美味しいコロッケを買って食べたり、新鮮なグリーンアスパラを自宅に送ってもらう手配までしたり、チャッカリしたものです。利尻富士の秀麗な姿。その右（写真では利尻から４センチほど右）に平たい礼文島がうっすらと見える。左端はノシャップ岬先端１５時３０分、稚内港から利尻島の最終便フェリーに乗船。夢の浮島・花の浮島への旅が始まりました。稚内港を出てノシャップ（野寒布）岬を出たところで、傾きかけた日に照らされた２つの島影が前方に見えてきました。期待が高まります。

  2008年07月01日

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  諸事値上がりのさなかに

  人間の「慣れ」というのは怖いもので、国際的なマネーゲームの標的になっているガソリンがグングン高くなって、いまやレギュラー１７０円を超えるお店が続々。上がり始めた頃は「なんだ～！　車乗れないぞ」と言っていたのに、近くで１６４円の看板を見ると「おっ、安い」と思ってしまうのです。以前読んだ本の中で「釘を飲めと言われたら飲み込んでしまう連中なんだ。最初はつらいけど涙を流しながらでも飲んでしまえば何にも感じなくなる」というようなことを書いてありました。日本国民ってそうなのかもしれません。ところで、今日母ちゃんはスーパーでエライ目にあいました。本日の夕食はカツ丼となめこの味噌汁。どちらも三つ葉をあしらうと色合いも香りもいいので母ちゃんは「１００円かあ」と思いつつ１把持ってレジへ。レジでお姉さんが「？」と。何かなと思っていると、お姉さんが「５把１００円なんですけど…」。妙なところでシャイな母ちゃんは「１把でいいです」とは言えず、「すみません」とあと４把を取りに行ったのです。カツ丼と味噌汁に散らすだけなのにどうしよう。結局、大盤振る舞いで１把は使い切りましたが、まだ４把残ったまま。週末はお出かけなので使い道もありません。おひたしにするか、あした会社で配るしかないよ、と助言しましたが、どうするのやら。値上がりに慣れてしまって、こんなに安く買えると思っていなかった、庶民の笑うに笑えないエピソードです。「面白くて　やがて悲しき　三つ葉かな」

  2008年06月26日

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• どうして生きていかなきゃいけないの？

  今年20歳になった息子が、仕事と人間関係、自分の欲求との関係に悩み、ある日突然「生きる意味って何？」「どうして生きていかなきゃなんないの？」と言い出しました。以来、ことあるごとに問いかけをしてきました。何のために生きているのかわからない、どう生きていけばいいのか、生きていて何かいいことがあるのかという、人間にとって本源的ともいえる悩みを抱えたのです。世の中、自分勝手な希望や要求ばかり振りかざす若い者が多いと言われていますが、自分の息子がこれほど大きな苦悩に苛まれているとは思いもしませんでした。人生最初の大きな障壁の前で苦悩し、忘我状態で呆然とする息子。自殺を決意するほど苦しみ涙を流す息子に、私たち両親はあまりにも非力でした。社会的に未経験な20歳の青年が、負わされた仕事上の責任を真面目に考えすぎて、どうしていいのか分からなくなり、周りの人たちを拒絶し始め、ついには自分を消滅させることで問題から一気に解き放たれたいと願い、あってはならない選択をしようとしました。なんとか最悪の事態は回避できましたが、息子は正視できないほど憔悴していました。彼の救いは、親に対してさまざまな悩みや人生の疑問を普段から吐露できていたこと。ギリギリまで親にＳＯＳを発信し、親が辛くも間に合ったことでしょうか？また、こんな状況で優しく彼を受け止めることのできる彼女の存在も大きいと思います。でも、親は彼が問いかける「人生の意味」を解き明かすことなどできません。唯一できたことは、彼を仕事から解き放ち、心の休息をアドバイスしたことくらいです。オーナーや職場の人に迷惑をかけたことは重々お詫びしなくてはなりませんが、息子の命と引き換えにすることは絶対にできません。「人間はただ生きているだけで十分に価値がある」「誰も生まれたときから目的を持っていた人間はいない」「安楽死は否定しないが、たとえ手足が動かず目も耳も不自由であっても、あるいは重度の障害を持つ人であっても、本人が生きようとする限り、ただ生きているだけであっても、この世に存在する意味は大きい」「ある進化学者は、常に弱者によって進化の歴史が刻まれてきたとさえ言っている」「死ぬ気になれば何でもできると言うが、そうは思わない。それでもダメなときはあるし、自殺そのものを否定もしない」「自殺は人生最後にして最高の自由と言う。けれども、会社の仕事と自分の命を引き換えにしてはいけない。命を犠牲にするほど価値のある会社の仕事など存在しない」「人類が繁栄していくために社会があり技術がある。いまは世の中が狂っていて、人命よりもカネや会社が大切にされる傾向がある。それは間違いだ」「自分の仕事に、とことん責任を持とうとしたことは素晴らしい。だが責任に押しつぶされてはいけない」「人生の目的は理屈で言い表せない。生き抜く中でしか見つからないし、この年になっても考え続け探し続けている」「自分の人生の中で発見し一生かけて追い求めるものだ。そして死ぬときに初めてああ、俺の人生は幸せだったといえるように、一歩一歩前へ進んでいくんだ」「愛がすべて、カネがすべて、名誉がすべて…人生の目的をそう言う人もいる。あるいは音楽家になりたい、小説家になりたい…それが自分の人生だと言う人もいる」「反社会的な仕事でなければ、君が何の仕事をしても構わない。どう生きていくのかは自分でみつけるべきだ」「どんな生き方であれ生活であれ、個性を大切に、努力を忘れず、周囲の人たちのことを考えて生きていくことは忘れないように」「自分の経験から言って、泥沼を這いずるように生きているときには何のために生きてるんだとか考えもしない。まだ君には余裕があるから考え込む。じっくりと構えて自分のやりたいことを見つけよう。いまはとにかく休め」……何時間もかけて話をして、息子は泣き続け、いまは落ち着きを取り戻しています。でも、私は息子に「人生の目的」を解明してやることも、彼の人生を肩代わりしてやることもできません。こんなとき、皆さんはどう対処するのでしょう？

  2008年06月24日

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  7月20・21日　男鹿川（三依）第4回渓流釣り大会

  おじか・きぬ漁協三依支部では、７月２０日（日）に第４回釣り大会を開催します。自然豊かな三依を流れる男鹿川で心ゆくまで釣りを楽しんでみませんか。大物賞や大漁賞など商品も多数用意されています。男鹿川（三依）第4回渓流釣り大会期　日　平成２０年７月２０日（日）　　　　場　所　中三依地区内の男鹿川特別漁場区間　三依橋～芹沢橋の区域受　付　中三依示現神社前広場（駐車場あり）　当日午前８時から受付開始参加費　２，０００円（年券所持者は１，５００円）　　　　※特設釣り場は、２１日も特別料金その他　イワナ、ヤマメを当日３００kg.放流。釣り大会時間は午前１０時から午後３時まで。午後3時から計測を行い、午後4時から表彰式。大物賞（１～３位）、大漁賞（１～３位）、飛び込み賞など商品多数。※問い合わせ　おじか・きぬ漁協三依支部　塩生（しおの） 　　　　　　電話　0288-79-0110その前に！６月２８日は男鹿川河川清掃日詳細はhttp://www.kodaimura.com/kasenseisou.htmこのブログ（６月１３日付）でも紹介しています。こちらの参加費は無料（懇親会は１５００円）。逆に、デッカイ心の報酬が得られます。

  2008年06月21日

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  男鹿の神様は私に惚れている？

  1ヵ月半ぶりの男鹿川釣行。事故で腰を痛めた母ちゃんが「1人で男鹿川に行ってきていいよ」と優しい言葉。ゆっくりとではあるが階段昇降ができ、洗濯物も自分で干せるようになった母ちゃんがプレゼントしてくれた釣行、たっぷりと楽しみました。東の空が白んできた４時前、三依に到着。車を降りると寒い。予報では14度。半そでTシャツに薄い長袖上着で十分なはずなのに…。このときの気温は10℃だったと後で教わりました。気になる砂防ダム工事少し休憩して、どんどん滝上に車を停めて入山沢の様子を見学。今年の1月にあった上流のタケノ沢第２砂防ダム建設説明会は「工事始めます」という一方的な通告だったと聞いています。それが気になっていました。雨の関係か、それとも砂防ダム工事のせいか？　滝殻落ちる水も流れる水も少ないような気がします。上流に向けて車を走らせました。工事中の看板がやたら目に付いて不快感を覚えます。砂防ダムは必要なのか、できることで何が起こり、何が失われるか…。砂防ダムについては後日意見をまとめてみますが、入山沢も横川も（三依だけでなく）砂防ダムは数年経つとそれ自体が砂に埋まり、さらに上流側に砂防ダムを作るという無策ぶりを「発揮」しているようです。上の写真は完全に埋まった入山沢第1ダム。直下にある小堰堤も完全に砂で覆われ、その上を水が滑っていました。何年か前、この堰堤で巨大イワナを釣り上げたことが懐かしい。イワナ・ヤマメは砂地には棲めません。道のデコボコは以前より激しく（間違いなく工事車両のせいだ！）、またフロントのエアロパーツを割ってしまいそうだったのでタケノ沢まで行かないで撤収しました。サイカチ橋の放棄ゴミこの日は、家で留守番している母ちゃんの代わりにサイカチ橋周辺、まるみの湯周辺で釣るつもり。なのに、サイカチ橋で最初にやったことはゴミ拾いです。橋を渡って車から降りて目に飛び込んできたのが空き缶やペットボトルのゴミ。２８日の河川清掃に参加できない私に、男鹿の神様が今日ゴミ回収せよと命じているのだと思い、車に積んであるゴミ袋（濡れたウェーダーを入れるために持っている）に目に付くゴミを集め回りました。７０リットルの袋に半分ありました。川や周囲の自然を汚さないで！　いまどきどこの観光地でも「ゴミは持ち帰りましょう」と呼びかけています。まして大切な自然の中に平気でゴミを捨てるって、どういう感覚でしょうか？　神様から尺上イワナのプレゼントそれから気を取り直して入渓。まず下流方向へ。この辺りは滑め床で足元がつるつる滑ります。何度もバラシて、やっと大きなアタリ。落ち込みからニジマスが出てきました。２７センチほどのデブです。このところニジマスに縁があります。順々に落ち込みを攻め、プール状のポイントへ。ここの深いエグレで以前大型のヤマメを引きずり出しました。今回も粘って仕掛けを送り込みます。そのうち、ちょっと違和感があり「ん？」と首をひねっているとグ～ッという引き。これはデカイ。中硬とはいえ0.3で大丈夫か？　無理しないで緩めたりちょっとテンションかけたり。なんとかタモで掬い上げました。間違いなく尺上。家でキチンと（魚体をピンと伸ばしまっすぐにするとはセコイ！）測って３３センチ以上。先ほどのニジマスもこいつもツワモノの面構えです。男鹿川の神様、ありがとうございます。日頃の行いがいいんだね。「じねんと倶楽部」そでピーさん風の写真です。大物とのやり取りで緊張したのか、なんとなく疲れて大休止。おにぎりを食べてお茶飲んでタバコを吸って、緑が色濃くなってきた三依の山をボーっと見て、さあ釣行再開です。サイカチ橋に戻って上流の大面を目指します。母ちゃんがよくやるように、小さいポイントも見逃さず、ちょこっとしたタルミにも竿を出してゆっくり釣り上ります。だんだんと気温が上がってきたのか、魚の活性も高くなってきたような。ただ、かかる魚はどれも１５～１７センチといったサイズ。原則として２０センチ未満はリリース（漁協基準は１５センチ未満）するようにしていますのでキープに至りません。流れの中を移動中に激しい目まいを感じました。なんだこりゃと、川原に上がり休息。そこへ母ちゃんからメールが届きました。「東北で大きな地震発生。大丈夫？」そうか体調に異常でなく地震のせいだったんだ。マメな母ちゃんで次々と地震情報を送ってきます。この場を借りて、震災被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。大面の行き止まり、大淵まで行ってターン。戻りつつ各ポイントで竿を出しますが、１０センチくらいのヤマメを釣ったのを最後にアタリはなくなりました。フライの人が家族連れで大面の広い川原に降りています。テーブルを出していますのでＢＱ でしょうか。ワンコロも嬉しそうにリードをいっぱいに伸ばして飛び跳ねていました。でも暑そう。写真は「サイカチ橋」上流。フライの釣り人が遠くに見えます。後半は、まるみの湯周辺古代村に１１時半到着。団体さんで大賑わいです。まいどお定まりの２段重ね十割蕎麦を１枚は塩、もう１枚はつけ汁でいただきました。相変わらずうまい。店の大旦那さんや他のお客さんと男鹿川の魅力を語り合って、後半戦に出かけました。まるみの湯前は数人の男性が竿を出しています。１人を残して移動してくれたので「釣らせてもらっていいですか」と声をかけ、ＯＫをもらってキャスト開始。何投目かでイワナをゲット。２０センチを少し超えたひれピンのきれいな魚体です。まもなく次のアタリ、ああ～またもバラシ。自分の腕の悪さにがっかりします。向こう岸の小さな巻き返しを狙います。木の枝が何本も出ているので投入は難しい。でもきれいに入るとほぼ間違いなくアタリが出ます。やはり居付きのイワナがいました。キープサイズの２２、３センチ。近くにいた男性がいろいろと話しかけてきます。「うまいねえ」「俺たちは５人でまるみの湯に今夜泊まるんだ」「慣れてないから、なかなか釣れないよ」…。気のいい方です。ミャク釣りをやめてウキを砂地で流し、ハヤを釣り上げてビクに入れています。今夜のおかずかな。やってみますか、と声をかけてポイントと流し方を説明し、私は上流へ。その後も次々とイワナがかかります。でもリリースサイズです。暑くて、２時ごろ古代村に戻りました。珍しく遅くまで三依にいたオーナーと立ち話しているところへ「じねんと倶楽部」のそでピーさんがやってきました。３人で駄弁った後、そでピーさんに誘われて会津高原の「夢の湯」へ。源泉１００％かけ流しで腰痛に効くとのこと。こんど母ちゃんを連れて行きます。盛りだくさんのメニューで充実した男鹿川釣行。テンションが上がっていたのか、仮眠も取らず２２時半帰宅でした。金曜朝から４０時間起きっぱなしだったわけです。楽しくて自分の年齢忘れていたよ。土曜日遊ばせてもらったので、日曜日は大忙し。外食したため尺イワナは冷凍庫でカチンカチンになっています。今度釣り上げたら、現地で刺身にして食べたいものです。「男鹿川釣り情報」によるとイワナの刺身や寿司は絶品とのこと。ゴクッ！

  2008年06月15日

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  6月28日（土）　男鹿川河川清掃

  前回4月19日の河川清掃に参加させていただきました。ゴミを拾っているうちに、どんどん楽しくなり、そして熱くなって（体もそうでしたがハートも）参加者全員でトラック1台分以上のゴミを集めてしまったのです。(右の写真は、ゴミを両手に抱え、ブルドーザーのように川の中を進む私。なんという雄々しい姿！　我ながら惚れ惚れする)終了後のミーティングでは、参加者全員が男鹿川への熱い思いを語り合いました。本年第2回の河川清掃が6月28日の日曜日にあります。私は、数ヶ月も前から北海道行きが決まっていましたので、残念ながら今回は参加できません。しかし、1人でも多くの人に河川清掃で楽しんでいただければいいな、と考え、あえてお知らせいたします。男鹿川を体験してみたい人、清掃で燃えてみたい人、終了後の温泉と懇親会を楽しみたい人、ぜひ、「古代村」さん（０２８８-７９－０５２０）に連絡を入れてみてください。以下は「じねんと倶楽部」メンバーによる「よびかけ」です。男鹿川の自然を残そう一緒に河川清掃しませんか平成２０年６月２８日（土）　ごご１時　男鹿の湯　駐車場集合ごご４時頃終了予定。その後温泉に入って解散。終了後　１５００円会費で懇親会を男鹿の湯で行います。　　　　　　連絡先：ロッヂ古代村　０２８８（７９）０５２０　　　　　　　男鹿の湯（当日）（７９）０２６２小雨決行釣り人からの呼びかけで川のゴミ拾いを行います。なんだか気持ちがいいです、みんなと一緒にするってのがいいのかもしれません。いいことだから、しなければならないから、とかではないです。楽しいからするんです。人に言われておつきあいだからとかではないんです。楽しいからするんです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　もっとも上流であるこの男鹿川をきれいにすることは鬼怒川・利根川をキレイにすることに繋がる。　　　　　　　　　発起人　千葉県柏市在住　sodepi　　　　　　　　栃木県上三川在住　がんちゃん　　　　　　　　千葉県柏市在住　　オッキー　　　　主　催　男鹿川じんと倶楽部　　　　協　力　つちや食堂　まるなかドライヴイン　松や　　　　　　　　ロッヂ古代村　持田電気　　　　　後　援　キリンビール　河川清掃参加者はロッヂ古代村宿泊代金が３０００円に。申し込み時にお伝えください。詳細　変更等　男鹿川釣り情報でお知らせします。　

  2008年06月13日

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  負傷の母ちゃんが足ツボ治療

  九死に一生を得た母ちゃんの状態があまり思わしくありません。近所の足立Ｔ病院のヤブ医者が行なった処方は、湿布を貼って痛み止めを飲むこと。そんなことは私でも十分できる処置です。何しろ、私はケガや打ち身では「熟練者」ですから。帰宅した当初は気を張っていたのでしょうが、日に日に何をするにもつらくなっているようです。「会社やプロジェクトメンバーに迷惑かけるなあ」と思いつつ、私も会社を休ませてもらって「介護」していました。あまり痛がるので、一昨日思い切って遠方まで治療に出かけました。以前、男鹿川の蕎麦店「古代村」のオーナーに教えてもらった治療院です。日光市鬼怒川温泉大原にある「若石館　栃木支部」の玉川理紀男先生。台湾式足ツボマッサージと「くわさ」という治療を行ないます。朝一番に、今から行くので頼めるかどうか電話を入れてみました。完全予約制なのですが快く「時間は都合付けるから、とにかく来なさい」とのこと。自宅から約１５０キロ。痛む腰が車の揺れに耐えられるか心配でしたが、母ちゃんは揺れるたびに悲鳴を上げながらも耐えてくれました。到着するや、先生以下アシスタントの女性たちに肩を支えられ治療室へ。「弱虫」な母ちゃんの悲鳴を聞きたくないので私は外へ。母ちゃんの悲鳴を聞きながら、駐車場付近でラジオ体操や足の屈伸などしていました。私の腰と左足も診てもらえたらいいのですが、そう無理は頼めません。小１時間で終わるだろうと思っていたら、延々２時間以上の治療です。腰は相当重症のようで、施療後も痛みは続いています。しかし、母ちゃんはなにやら元気になったようで、帰路は車の中で眠れるほど寛いでいました。段差の移動はまだ無理ですが、水平移動は比較的スムーズにできるようです。また、床や椅子に座るのも少し楽になったと見受けられます。「くわさ」治療のあと。首にムチ打ち症の印が出ています足ツボマッサージについては、最近話題になっていますのである程度は分かりますが、「くわさ」については私も知りませんでした。中国で古くから伝わる民間療法だそうで、メノウ（玉）や水牛角のへらで頭・首・背中などを軽く擦って表面に老廃物を浮き出させる療法だとか。老廃物の溜まった箇所は赤くなり、ひどい場合は黒ずんで赤紫から黒紫になるといいます。母ちゃんは首から背中にかけて真っ赤になっています。「まるでＤＶだよ。ピリピリする」などと言いながらも、心地よさげです。それにしても不思議なのは、足ツボや「くわさ」で母ちゃんの体の状態などピタリと言い当てること。母ちゃんも感心していました。詳しいことは「若石館」鬼怒川のＨＰを読んでみて下さい。http://www.jakusekikan.com/また、創始者・呉若石神父のことなどは「呉若石神父足部健康法協会」ＨＰを読んで下さい。http://www.hm3.aitai.ne.jp/~jakuseki/index.html外で待っているときに、品川ナンバーのトヨタセンチュリーが相次いで到着。運転手さんがドアを開けると、セレブ風の熟年男女数名が降り立ちました。予約のＶＩＰなのでしょう。挨拶を聞いていると、この人たちは何度も通っている様子です。わざわざ東京から定期的に通ってくるとは、玉川先生はすごい人かもしれません。

  2008年06月06日

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• 男鹿川　モラルハザードをどうする？

  6月4日付の「男鹿川釣り情報」に『これでいいの？』と題する問題提起がありました。以下のような趣旨です。 ゲートの鍵を貸借・売買「横川集落。ワイルドフィールドおじかキャンプ場にある男鹿林道遮断機です。これより先は車両通行禁止ですが、地元・横川集落以外の方が南京錠の鍵を開け、遮断機の特殊な鍵を開け車で入って行く。昨日、車で入った方に聞いた所、鍵は自分で用意し南京錠の鍵は開いていたと言い、横川集落の方に言えば貸してくれると言っていた。昨年会った方は、地元の釣りの会で鍵を持っていると言う他県ナンバーのオフロードのバイク2人乗りの男性と女性。違う日には危うく引かれそうになる事も有った。 林道は日光森林管理署の管理の元、鍵を横川自治会が預かり、遮断機より上に有るわさび田や、山に関わる数名の方が鍵を持っています。 先日、地元の有る方から遮断機の鍵が売買されているとの話しも有りモラルやマナーの悪さに嘆いておられ、事故が起きても一切助け等には行かないと言っていた。 鍵を貸している方はわざわざ遠くから来てもらい歩いて行くのも大変だから、いつもうちの店に来てくれているから、という善意の気持ちで貸しているようです。 ただ、借りる方がその善意を当たり前ように借りて入り、釣りや山菜、きのこ採りをして鍵を返すだけの方だとも限りません。事故、わさび泥棒、不法投棄。人煙がない所ですから何をしても、遭っても解らない。 上流域の一部の区間ではまったく魚がいない？「バッテリー」と言う話も耳にする。この実情に意見を頂きたい」日本中でモラル崩壊三依では、ゲート問題だけでなく、昨年は投網・夜釣り問題もありました。そんな中で男鹿川流域ではどうあるべきなのか、部外者が発言できる問題ではないかもしれませんが、釣りという接点を持つ１人として発言させていただきます。先日、只見の黒谷川に行ったとき、倉谷集落の先の山道に監視小屋がありました。早朝にもかかわらず監視のおじさんがいて、この先で山菜など採取は禁止であること、遊漁券を確認して１５センチ以下は放流すること、帰りにはチェックすることなど告げていました。見間違えかもしれませんがナンバーを控えていたような。それから初めてチェーンを下してくれたのです。私たちは谷が深すぎるのでＵターンしましたが、奥まで行く釣り人は、その説明を了解して進入していました（数は少なかったです）。併せて、川では釣り人の遊漁券もチェックしていました。つまり、三依だけでなくあちこちでモラル低下（崩壊か？）が起こっているのです。日本中がモラル崩壊しています。最近の事件を見ても耳目を覆いたくなるようなものばかりです。今回の件も、地元の人が関与しているというのはショックでしたが、起こるべくして起こったのだと思います。やりたい放題のツケは地元に鍵の貸し借り・売買などに地元が関与（利用され？）、自分さえ良ければという連中のやりたい放題に目をつぶるという選択もありかもしれません。最近は生命の危険すらありますから、見て見ぬふりも生活の知恵でしょう。売買すれば多少の金銭が動くのでしょうから生活の足しになるかもしれません。しかし、その代償（財産権・生活権侵害、環境破壊など）は、将来地元だけが払わされるのではないでしょうか。通過者でしかない侵入者は、何の痛みもなく他の場所で同じことを繰り返すだけです。たとえ善意で貸してあげたとしても、そのことが招く結果は地元の負担になってしまいます。各地でモラルハザードとの闘い監視を厳重にして住民の財産と生活・自然環境を守る、黒谷川の集落が選んだやり方（三依では車をシャットアウトするのだからもっと徹底している）は地元民にとって負担かもしれません。また、善意の釣り人や登山者にとって面倒なことに違いありません。しかし、モラルハザードが現実問題として発生している以上、放置できません。そして、その対応策は個人的努力の域を超えているといえるでしょう。個人的にできることは当然やっていく必要はありますが…。サクランボ被害の山形では関係者が巡回監視しています。また、東伊豆などではアオリイカ保護のため厳しい監視活動が行われており、アサリ密漁船を海保と漁協が連携して取り締まっているところもあります。内水面関係でも、飛騨の蒲田川では監視のおじさんが「びくの中見せてくれるかな」と稚魚持ち帰りの違反者を摘発していました。力を合わせ防御対策を横川地区の住民が、自分たちの山（所有か入会権かは知りません）での権益を守り、将来への財産として自然との持続可能な共生を望むのであれば、自治会が結束し、漁協やキャンプ場、私たち釣り人などの協力を得て、防御対策をしなくてはならないでしょう。たとえば、ゲートを通過できる車は登録車両だけにする。２４時間監視はできませんから、都会の駐車場のようにセンサーで車体ナンバー識別する。あるいは指紋識別機を管理等の軒下に設置する。人件費問題が起こりますが監視体制を作る･･･。設置費用や維持管理費用は必要です。遊漁券の値上げ、キャンプ場使用料に上乗せ、漁協や関係団体での事業収入、寄付金、補助金折衝…。私は今の年券・日釣り券は安すぎると思います。男鹿川流域が将来残す価値のあるものと信じますから、無法者への対策は地域、関係団体、関係者（釣り人も）、そして「じねんと倶楽部」を愛リバー栃木の団体として認定してくれた役所etc.が、物心両面で力を合わせて行うべきなのではないでしょうか。それでも新たな手口で犯罪的行為が行なわれるでしょうが、ささやかであってもできることやっていくしかありません。「じねんと倶楽部」の先駆的役割住民にも観光客にもキャンパーや登山者にも、心地よい環境と経済効果をもたらすために、意識変革が何より大切ですが、そうなるまで無法者を放置しておくわけにいかないと思います。つまり、無法者を排除しつつモラル向上を意識づける、関係者の（それぞれができる範囲での）行動が大切なのでしょう。「じねんと倶楽部」が行っている河川清掃も、「ゴミを取り除く」行動と「捨てちゃまずいよな」という意識喚起を併せた取り組みなのではありませんか。「ごみがごみを呼ぶ。きれいな川にはゴミは捨てづらい」「きっと地元も協力してくれる」。そんな思いで１個ずつであってもゴミを拾ったのです。やっている間は、そんな目的より私たち自身が楽しくなってしまったのですが。中国に「愚公、山を移す」ということわざがあります。日本では「半日村」の絵本が同じ趣旨です。山が日を遮り作物がまともに育たない山村で、一人の老人（半日村では子供）が、邪やまを崩そうと山の土を取り除き始めました。村人は、そんなことできるわけない、と馬鹿にして笑っていました。そのうち、一人また一人と参加するようになり、ついに山は崩され、作物が実るようになったという話です。「じねんと倶楽部」の実践にほんの少しでも協力したい、そう考える人は少なくないと確信しています。人々を癒す男鹿川を守るために付言すれば、観光客や釣り人、無法者であっても、三依に来てくれる人が増えることは地元経済には必要かもしれません。でも、豊かな自然が訪れる者に癒しを与える三依で、渓流に無法者がのさばり環境を荒らしている、車・バイクが我が物顔に走り落ち着かない、そんなことが起こってしまったら…。いずれ釣り人も観光客もキャンパーも遠ざかり、結果的に経済的な圧迫を受けるのではないでしょうか。滅多に三依に顔を出さない奴が、何を言うかと叱られるかもしれません。また、月１も行けない私に、いかほどの協力が可能か分かりません。でも、気持ちは「営林署、地元、釣り人、山師、等々、それぞれの立場を思いあい、考えや意見をすり合わせていければ今以上、も～っと素敵な三依になれるかも。そのお手伝い、私にもできるかなぁ～　できるといいなぁ～　させていただきたいなぁ～」と冒頭の問題提起にコメントしたシャコタンさんと同じなのです。

  2008年06月05日

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  母ちゃん、九死に一生！事件

  唐突に行くことになった多摩川源流域。場所は奥多摩湖の先、山梨県丹波川村を流れる丹波川での釣行です。多摩川水系をベースにしている杉山さんの釣りビデオを見ていて「行きたい」と言い出したのが発端。ここで事件が発生しました。母ちゃんが一緒なので源流域といっても、右の写真のような開けた場所を選択。それでも流れがけっこうきつく、川を渡るときには母ちゃんの腕を取って、イチ・ニ、イチ・ニの掛け声をかけながら２人３脚です。稚魚放流が盛んな地区らしく、ちびヤマメの猛攻に遭い、私はキープなし、母ちゃんは１５センチくらいを数匹。釣り場所を写真の下流部に移動して釣りを開始。事件は朝１０時ごろ起こりました。母ちゃんが流れに足を取られて転倒、１５０メートルくらい流されて九死に一生を得た話です。現場は一見チャラ瀬。浅い瀬です。私が上流側の早瀬から淵の駆け下がりに立ち（下の写真Ｂ。写真では距離感がないので左の略図を参照。写真の赤線は母ちゃんの流されたコース、青線は私が走ったコース）、母ちゃんはそこから５０メートルくらい下流の浅瀬で釣っていました。母ちゃんはさらに下流へ移動しようと、この浅瀬を渡り始めたところ、深さのある流芯が浅瀬の中央にありました。遠くからでは分かりづらいのですが、実際にわたってみると膝上から腿くらいの深さがあります。母ちゃんは、この太い流れに足を取られて、転倒してしまったのです（下の写真Ａ）。突然「パパ～ッ！」の叫び声。大物でも釣れたかと振り返ると、母ちゃんが仰向けで流されています。「やばい、死ぬぞ」と思った次の瞬間、私は駆け出しました。母ちゃんは早くも浅瀬から段差に向かって流されています。胸まであるゴム長（ウェーダーといいます）を穿き、背にリュック、腰にビクとタモをぶら下げた重装備なので、走るといっても大変。しかも流れを突っ切っていくのですからスピードも出ません。母ちゃんは、段差の白泡に吸い込まれ、明らかに水を飲んでいる様子。腕をバタつかせもがきますが、全然効き目がなく流されていきます。私が追いつきそうになったときには、母ちゃんは次の危険ポイントに近づいています。大岩が２個あって大きく落ち込み、激しい白泡が立っています。あそこまで行くと確実に、母ちゃんは岩に頭をぶつけ、その先の深い淵に飲み込まれ、加速して流されるでしょう。私は、手に持っていた６メートルの竿を母ちゃんに突き出して「竿をつかめ！」と叫びました（下の写真Ｃ）。母ちゃんが竿にしがみつきましたが、流れが強く、私のほうが引きずられそうです。地面に座り込んで体勢を確保して「絶対手を放すな」「がんばれ！」と叫びながら徐々に母ちゃんを引き寄せました。母ちゃんが転倒してから私が竿を出すまで、時間にすれば２～３分のことでしょう。その間に２人ともいろんなことを考えたのでした。母ちゃんは「流れが速くなり、水を何回か飲んでしまったとき、ああ死ぬんだな」と考えたといいます。走りながら見た母ちゃんの恐怖の表情、目に焼きついています。私は助ける方法ばかり。追いついて飛び込んでも、１００％助けられるとは限りません。最悪２人ともアウトでしょう。リュックに入れてあるロープを出して投げるという時間的余裕はありません。竿だけが助ける道具だと考え、持ったまま走り続けたのです。母ちゃんは顔面蒼白。体が動かせません。転倒するとウェーダーは袋になって水が溜まり体の自由を奪います。さらに腰にぶら下げたビクに水が入りオモリの役を果たします。加えて、流されながら沈み岩に体をぶつけており、動けないのです。水際まで引きずり、リュックを取り、腰ベルトをはずしてビクやタモをはずしました。　母ちゃんは痛みと恐怖で体が震え、立つこともママなりません。無理やり立たせて、釣りベストを脱がせ、ウェーダーを脱がせました。着ていたシャツを脱がせて水を絞ります。腰、左足は打撲と擦り傷、左右の手は打ち身で腫れています。物の被害はたいしたことがなく、母ちゃん愛用のダイワの竿１本、携帯電話、タバコ、リュックのわきに差してあったお茶、リュックの中のおにぎり･･･くらいのもの。キープしてあった魚はビクの水を捨てたとき一緒に流れ出してしまいました。一息入れて、怖がる母ちゃんを叱咤して車まで戻る準備。もう一度ウェーダーを着させ、荷物を持って移動、どうにか車にたどり着きました。今回は、たまたまついていました。なにかみえないが力が働いて母ちゃんを助けてくれたような気さえします。奉納した観音様のお身拭いをする母ちゃん。京都・大原三千院にて普段、私たちは別々の場所で釣りをするため遠く離れています。このときは５０メートルくらいのところにいたのです。釣りに集中すると近くで笛を鳴らされても気付かないのに、今回は母ちゃんの叫び声が水音に負けないではっきり聞こえました。さらに、母ちゃんが腰ベルトをしっかり巻いてビクなど提げていたため、ウェーダーへの水の浸入が少なかったので体を引き寄せることができました。リュックが浮き袋とクッションの役割を果たしたのでしょうか、首から上はほぼ水面に出ていましたし、背中や肩は打撲から免れていました。戻るとき気がついたのですが、私自身あの流芯と石だらけの中州を転ばずに、よく走り抜けられたと思います。観音様が、いつもお身拭いをして奉仕する母ちゃんに手を差し伸べたのでしょうか？とは言え、家に戻ってから、さらに体の痛みが激しくなったようで歩くのも困難。「腰の筋肉を切り裂かれているようだ」と動くたびに悲鳴を上げています。明朝一番で病院へ連れて行きます。私も左足から腰にかけて痛みがあり、そろそろと歩いています。走っているときか、母ちゃんを引き上げるときにひねったのかもしれません。母ちゃんを助けた「シマノ銀渓」は永久保存するために、きれいに洗いました。渓流用の竿ですからすごく細いのです。母ちゃんが、もがいて横に力を加えていたらきっと折れていたでしょう。うまくまっすぐに掴んだことで折れずに助かったのです。川で流されたら、まず助からない。ヘタをすると救助者も巻き込まれる惨事になる。みなさんもご注意ください。

  2008年06月01日

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  雪代激しくキツイ釣行　奥会津・伊南川支流黒谷川

  ２４日は天気予報に振り回された釣行。関東南部ほど朝から雨、イチ押しの男鹿川も早くから雨というので、午後まで大丈夫と「お墨付き」の会津へ行くことに。うちの母ちゃんは雨の中で釣りたくない（スキーも吹雪の中で滑りたくない）人なのです。ちなみに、この天気予報のせいで、実際には１６時頃まで降らなかったのに運動会を中止してしまった学校も少なくないと聞きました。金曜日いつもながらの遅い帰宅。シャワーを浴びて車に釣り道具を積み込んで０時３０分出発。東京外環＝東北道＝日光道路を爆走。今市からR121、R289経由で只見町に入り、目的の伊南川支流黒谷川へ。走行距離280キロ、5時すぎに発電所上流の倉谷に到着しました。谷が深く母ちゃんには入渓できないと判断して、発電所まで戻りました。下流白沢集落から倉谷集落は里山の風情。背後の山は高いですが農家の入会が確立しているようだし、集落と山の境界には針葉樹が植林され、野生動物との結界の役割を果たすように整備されていました。集落の標高は約500メートル。水田と畑がきれいに配置されています。まるで日本の原風景を見ているようです。只見町HPによると、この町も高齢化は進行しており約20年後65歳以上の人口比率が50％を超えると予測されています。残雪多い新潟県境の山さて、黒谷川は伊南川支流のわりには川幅が広く開放的で、虫や覆いかぶさる木々が怖い母ちゃんにはもってこいのロケーションです。5時30分頃の気温10度、念のためホッカイロを背中に貼り、発電所にかかる不動橋から入渓しました。しかしながら、新潟県境の山々は雪をたっぷりと蓄えています。雪代が5月いっぱい続き、好釣期は6月からという情報のとおり、水嵩も高く流れも速くてビックリ。水温は計ってはいませんが、手が切れそうなほどの冷たさ。大丈夫か、と思いつつ竿をだしました。目標は母ちゃん1匹、私3匹。「イクラじゃ無理と思うよ。虫を付けてあげようか」とアドバイスしましたが、母ちゃんは「付けてもらっても、竿を上げるたびに虫がこっちに飛んでくるのだから怖いでしょ」と、イクラで上流の荒瀬を攻めています。私は、対岸から入渓し流れを横切ってきた釣り人とタイミングが合ってしまい、中州に立つその人と向かい合わせで流してしまいました。バカな意地の張り合いですが、すぐに「失礼しました」とばかり、私は土手に上がり下流へ300メートルほど移動しました。そのポイントで、まずは手前のたるみにキャスティング。軽いオモリでは全く沈みません。オモリを1号に替えて何投目かにヒット。「？」という感じのアタリのあとグーッと引き込まれました。魚の抵抗に流れの速さが加わってなかなかヨセられません。糸を切られるかと思いつつ、何度か空気を吸わせてキャッチ。30センチを少し超えるイワナです。次は流芯の向こう側にある巻き返しを狙いますが、6メートルの竿でも届かない。流れに徐々に立ち込み、腰あたりまで水につかったところで辛うじて届きます。大きく足を開いて流れに逆らって立ち、巻き返しを狙います。しかし、竿を目いっぱいネカセているため、高波が来るとサッと持っていかれ、思うように巻き返しに乗せられません。そのうち左足が痛みはじめ、痙攣し始めました。ガマンして何回も挑戦、巻き返しが流芯に合流するあたりで予想通りヒット。ヤマメではないかと思ったのですがイワナ。ずいぶんと泳ぎの達者なやつです。約28センチ。あまりに辛いので、そのポイントはあきらめて上流側の中州を挟む2本の流れがぶつかるポイントへ。激しい荒瀬を岩につかまりながら移動してやっと竿の届く場所へ。数十メートル歩くのに長い時間かかりました。岩の裏に立ち大股開きで体勢を確保。合流のたるみを狙ってキャスティングを繰り返します。やっとヒットしました。なかなかのサイズで約27センチ。母ちゃんが「釣れない。根がかりばかりだ」といいながら移動してきました。さすがに疲れたようで、たばこを吸っておにぎり食べてお茶飲んで、しばしの休憩です。私も足の痛みが治まらず、寝不足のせいか腕までだるくなってきました。この時点で私が3匹で目標達成、母ちゃんはまだ釣果がありません。時間はすでに9時。黒谷川下流域から上流を望む下流に移動しようということになって、万歳橋上流部、民宿みなかわ付近で入渓。ここも広々としていて上流の景色は明るく両岸を緑が包んでいます。さすが「ブナの町」を自称するだけはあります。こんな下流なのに川岸や中州はごみが少ないのに気付きました。まだ本格的シーズン前だからでしょうか。下流域とはいえ浅瀬でも流れが早く、母ちゃんを支えながら2人3脚状態で中洲へ。母ちゃんは積極的に流れのはやい瀬を攻めていきます。私はちょっと疲れ気味で落ち込みを狙いますが集中できません。どうしても1匹釣りたいと頑張る母ちゃんのところへ行き、タバコをふかし休憩。魚を処理する準備をしようと車に戻りかけたときに、母ちゃんの竿がしなりました。きれいなヤマメです。やりました、23センチほど。それで勢いづいた母ちゃんはさらに別のポイントを探ります。私も、それじゃあ付き合うかと改めて竿を伸ばして瀬を狙い25センチのイワナをゲットしました。その後、立ち込んで大きなたるみを流しましたが、昨年放流でしょうか１０～13センチくらいのヤマメが食いつきます。釣ってはリリースを繰り返し、3匹で飽きてしまいました。母ちゃんが立ち込めたら喜ぶのに…。この場所では1時間くらい。魚を処理して、われらが男鹿川へ向かうことにしました。横川集落近くの男鹿川渓流会事務所前に建立された魚の供養碑途中、舘岩村の「曲屋」でそばを食べ運転再開。ところが眠くて眠くてガマンできません。結局、栃木県に入る手前、「道の駅たじま」で沈没し爆睡してしまいました。３時過ぎていたので、釣りはせず横川第４固床周辺をウロウロ、魚の供養碑に灯明を上げ、サイカチ橋から橋ごとに川の様子を見て（監視人みたいです）、降り始めた雨のなか東京へターンしました。

  2008年05月28日

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  千曲源流・川上村VS男鹿源流・三依地区（後編）

  私と母ちゃんの一番のお気に入り渓流――男鹿川。毎年、中三依中心に釣行を重ねています。男鹿川の源流域に位置する栃木県日光市三依地区には、南から五十里、独鈷沢、芹沢、中三依、上三依、横川という６つの集落があります。産業らしい産業はなく、しかも高齢者が目立ちます。三依に訪れる人は、ほとんどが蕎麦と名水、美しい緑の景色が目的の観光客。名水と関わりのあるワサビ、豆腐。ささやかではあるけれど温泉設備。そして豊かな自然の中で釣りやキャンプ。なかでも、蕎麦は新聞・雑誌などでも紹介される美味しさです。三依は寒冷地で昔から米が育たず、ソバなどを主として栽培してきました。三依の寒暖差で鍛えられたソバは甘みが強く、そば通にはこたえられない風味とコシがあります。地元では地域振興策として五十里から横川まで「みよりそば街道」（写真）を組織、各店が独自の味を提供して観光客、釣人、登山客などを楽しませてくれます。でも、それとて家族経営の規模を脱しきれないため、雇用創出とはならず人口流出は止まりません。荒地に強いソバ。甘くてコシのあるソバは三依の厳しい環境から生まれる三依はずっとこんな村だったのでしょうか？地場産業として、戦後間もない時期までは炭焼き。今でも当時の窯跡がたくさん残っていると聞きました。木炭が石油に押され産業として成立しなくなった後は、高原大根栽培で成功。６０年代後半から７０年代は全盛期でした。収穫期は午前２時ごろから畑に出て作業、１日に大型トラック５台分も首都圏へ出荷していたそうです。市場でも評判がよく飛ぶように売れたと言います。それも全国的な道路整備などで北海道産が首都圏に大量に流れ込み、いまは土産物用の高原大根栽培が塩原・三依で続けられている程度です。なにか、長野県の川上村の話に似ています。レタス収穫期の川上村へ釣りに行くと、未明の畑は煌々とライトが点けられ、人海戦術で収穫作業が続けられ集荷場にすぐさま持ち込まれます。ずらりと並んだ１０tトラックが梱包されたレタスを満載して各地へ。横浜港に届いたレタスは台湾に向けて出荷され、約1週間後台湾の市場に並びます。国内シェア拡大と海外進出を図る川上村役場は、さまざまな外国語で電話する職員、販拡戦略を立てる職員など、活気に満ちており、さながら巨大商社のようだと言われます。川上村の繁栄は永遠なのでしょうか。国内外で強力なライバルが出現したとき、どうなるのでしょう。横川集落には放棄された家屋があちこちにあります三依地区に話を戻します。いま三依地区は「限界集落」。６つの集落に差はありますが、独鈷沢・横川は６５歳以上が５０％を超え、もっとも少ない芹沢でも４０％を超えています。地元に産業がないため、若い人たちが流出しつづけているのです。それだけではありません。林業が廃り、植林した針葉樹の間伐は進まず、三依の森林は荒廃が目につくようになってきました。３０年前４０人もいた山の番人「マタギ」は、今や３人しかおらず、しかも高齢。開発のため追い立てられた野生動物が三依で繁殖して食害を起こしていても、十分な管理（駆除）もできない、また森林保全もままならないと、マタギの老人たちは嘆いています。食害対策を徹底すると１本１００円の大根が１０００円にもなる状況。野生動物とのバトルに疲れ耕作放棄された畑が増え、三依では農業さえ衰退しているのです。（男鹿川釣り情報「またぎ談義」）うっすらと畝のあとも残る耕作放棄された畑。男鹿川沿いにはこうした農地が点在しているいったん人間が手を加えた自然は、林業であれ、農耕であれ、狩猟であれ、人間が関与しなくなってしまうと荒廃していきます。時には元の自然に戻ったかのように見えることもあるでしょうが、原状回復するわけではありません。マタギの老人は「あと10年もしたら三依から森はなくなる」と。そうなれば、保水力のなくなった山から土砂が川に流れ込み、男鹿川の清流は消えることでしょう。いっそ、三依も高原大根や高原野菜で大々的に農地開発して、北海道に負けない市場を獲得した方がよかったのでしょうか？　あるいは首都圏に近いですから一大工業団地を開発して工場誘致を進め、流通のために道路整備を徹底的に進めれば良かったのでしょうか？　そうなっていたとしたら三依の自然は崩壊していたでしょうが…。釣人を魅了する男鹿の渓谷。釣れればうれしいが釣れなくても大きな癒され効果に満足三依の人々は結局そうはせずに、今日まで自然と共生してきました。おかげで私たちはきれいな水と豊かな自然に包まれて釣行を楽しむことができるのです。Googleの航空写真で確かめました。三依は緑に覆われています。中央下に中三依集落、右上には横川集落。その右には横川放牧場も見えます。しかし、もともと耕地が少ないうえ狭いので、写真ではほとんど判りません。山深く耕地を広げ経済的に繁栄して若い人たちも居付く川上村。荒廃はジリジリと進んではいるけれど自然を守ろうと努力してきた三依。経済的に困難な状況に陥り、若い人たちの流出が加速して限界集落となってしまっている三依地区の各集落が再生する道はあるのでしょうか？住民でもない人間が、それぞれの集落のあり方に軽々しく是非の判定を下すことはできません。この日記で書いたことも私個人の感想でしかありません。しかし、何らかで関与する者（釣りだけの関わりであっても）は、将来に向けて、持続可能な生態系回復、経済活動と自然保護などの見地から考えることが大切だと考えます。特に、釣行の頻度が高い三依に関しては、どんなに小さい（例えば１個のゴミを拾う）ことでもいい、私にできる地元への協力をしようと思います。

  2008年05月25日

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  千曲源流・川上村VS男鹿源流・三依地区（前編）

  繁栄集落と限界集落を見て、どうあるべきか思案がまとまらないまま（そんなに簡単に答が出る訳ないか）書いてみます。長野県川上村は標高1300メートルの高地にあり、日本一の高原レタスの村としてあまりにも有名。千曲川に沿って拓かれた畑地、周囲は緑の山なみ。レタス畑を渡る風は涼しく「南の軽井沢」とさえ呼ばれています。川上村のレタスは冷涼な気候を活かして栽培され、ビタミンEやKが豊富で、その他にもミネラルをバランスよく含んでいます。まさに日本一の高原野菜です。3年ほど前からは台湾に輸出を開始、これからも香港、シンガポールなどに輸出する計画が進んでいます。そのほか全国的キャンペーンやプロ野球スポンサーになり宣伝を強めるなど、「守りから攻めへの農業に転換」を全村挙げて推進しています。しかも、耕地面積は年々拡大し、機械化された大規模農法を展開しています。全国的に農村人口が減り高齢化している中、川上村の主力は40～50歳代。後継者問題も全く心配ないということです。GWに川上村に行ったとき、風が強くて釣りにならなかった話は、５月１０日ブログで報告しました。そのとき、風のなさそうな支流を探して山道に車を乗り入れたのです。細いけれどもしっかりと舗装されていました。広々とした高原野菜の畑が途切れ、山中に入り込むと車の前をリスが横切ったり、さまざまな鳥の声が聞こえてきたり…。ナビはこの先に渓流があることを示しています。ところが、いきなり視界が開け、眼下の色彩が赤茶色に変わりました。車から降りて呆然。「＊＊組」の現場事務所、重機があちこちに配置され、山を拓き広大な畑が造成されていたのです。千曲川の川原からは全く見えていなかった光景がそこに展開されていました。なぜか、見てはいけないものを見た気持ちになり、写真を撮るのも忘れて大急ぎで車をターン。「見たな！」と誰かが追いかけてきそうな恐怖感すらあり、一目散に山を駆け下りたのです。車は赤茶色の土ぼこりだらけになりました。友人宅に戻って相木出身のダンナに尋ねました。彼の説明は次のようなものです。「南牧村、川上村では当たり前。どんどん山のなかに耕地を広げて大規模農法に切り替えている。日本一の高原野菜の村で、若い人でも年収１０００万から２０００万円はザラ。トラクターなど莫大な借金を抱えて設備しても大儲けだ。だから、相木などとは違って若い人も残れる。そのかわり、耕地を広げると収穫期は大変で、夜中の２時頃からライトを点けて作業を始め夜まで作業する。地下足袋を脱ぐのも惜しんで上がり框でそのまま寝てしまう。1年を4～５ヶ月で暮らすのさ」耕地を広げて収穫を増やせば、住民も村も潤う。これはいいことなのでしょう、きっと。でも大規模農地開発（全国的には工場や住宅、レジャー等のための大規模開発）によって、山が消え、森林が消えてしまうのも事実。Googleの航空写真で川上村を見てみました。山深く耕地が拡大している様子がわかります。農地開発による森林伐採を進めつつ、同時に森林保護を進めるという政策を進めている川上村。ここでもシカなどによる食害が進行、樹木の立ち枯れがジリジリと広がっています。台風などで大水が出たとき、千曲川水系の濁りを見てみたいと思いました。そこまで計算しての開発なのでしょうか。また、山奥に広がり続ける農地。川上村の野生動物たちはどのように生息しているのでしょうか？　私には調べようもありませんが、心配になります。川上村にまつわる嫌な話もあります。インドネシア人など不法滞在者を就労させていたとして２年続けて摘発されています。収穫期の人手不足を補うため「研修」の名のもとに大量の中国人が入村。「研修生」は未明からの長時間労働など劣悪な条件で就労し、生活費込みで月に７～８万円を受け取ります（受け入れ停止処分を受けたJA八ヶ岳は、今年から少し条件を改善するとのこと）。相木出身のダンナの補足説明「中国人にとっては、こんなに安い賃金でも国内での年収の４倍以上。少しでも送金したいから生活費を節約している。米だけ支給しておけば、おかずは現地調達すると聞いたことがある。うそかまことか知らないが、地元の人の話では、川上村からヘビもカエルもいなくなったそうだ」。台湾で売られている「川上村ブランド」のレタス＝農水省HPより昨年、武蔵野市交流市町村協議会の研修会に参加した方がブログに書いています。「畦畔管理の手間を省くために除草剤を使っているところが目につきました。『武蔵野市自然の村』のすぐ下のレタス畑でも使われていました。除草剤は、基本的にはダイオキシンです。千曲川最上流域でこうした農薬の使い方はこの地域のイメージを損ねます」。また、価格を安定させるため豊作のときは何千トンにもおよぶレタスが廃棄されているとも報じられています。効率、収入、自然･･･難しい問題が現実にはありそうです。豪華な家、豪華な車、豪華な鯉のぼり…。「老後は川上村か？」などと冗談を言うくらい繁栄する村の素晴らしさにも、どこか釈然としない私です。（つづく）

  2008年05月23日

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• 深夜の社員研修

  いま会社では、ES（社員満足）経営めざして、クレド作成プロジェクトを進めています。クレドというのは、「信条」を意味するラテン語で「企業の信条や行動指針を簡潔に記したもの」を指します。経営理念を実現するための具体的な行動指針を社員自らが作り出し、自主的自覚的に実践しようという取り組みです。右上写真は、ESクレド経営を指導していただいている有限会社人事・労務の書籍（九天社刊）私の勤める会社は、典型的な同族経営の吹けば飛ぶような中小企業です。この会社が他社にすぐれている（と私が信じている）のは、男女・国籍などでの待遇差別をしない、一生懸命働く社員に恵まれている、派閥のような足の引っ張り合いがなく社員同士仲がいい、社長が（たとえば私）血族でなくても人材を大事にしている、苦しいながらも社員の生活を守ろうと努力している…といったことでしょうか。５年前に若い２代目社長が創業者の後を継いでいますが、印刷関連全般の不景気のなか、厳しい経営環境にもかかわらず、かろうじて業績を維持しています。こんななか、社員が「自分の会社」と言い切れるような、会社づくりをしていこうと、ESクレド経営への取り組みを開始したのです。クレド作成の第１歩として、全社員（正社員もアルバイトも）参加で「自分史シート」を記入、その中から自分の価値観を見つけ出して、会社の価値観と結びつける作業をし、それらを小グループごとに発表しあいます。それを踏まえて、全員が宿題として「成功体験記」（４００字×４点）を作文するのです。先日、プロジェクトメンバーと10数名の社員が参加して、先生方の指導のもとキックオフミーティングが行なわれました。それをビデオ撮影して当日参加できなかった社員研修に使用します。ただ問題は、２４時間操業と各職場の激しい時差出勤・交代休日で、一堂に会してのミーティングができないというつらさ。全員に参加してもらうために、出勤時間帯ごとに社員を区分し、しかも公休日を考慮して小さなグループごとにミーティングを開催していきます。２時間弱の予定で、最初は講師のビデオを見て趣旨を理解し、その後私が説明しながら自分史・価値観結合など作業を進め、発表しあいます。これを繰り返し開催するという作戦です。開催回数は１０回になるでしょう。早い時間は１６時から。そのあと１９時半もしくは２０時半から。２２時半から２４時半というのもあります。今日は延長戦があり、先ほど研修が終わったばかり。余韻に浸りながらの書き込みです。明日も深夜開催になります。極端なのは朝６時半開始。私の自宅まで車が迎えに来ます。こんな厳しい状況で作り上げていくクレド。成功させたいものです。これまで行った数回の中で、社員同士が知らなかったお互いの人生を知り、生きざまに共感しあっている光景や、先輩社員が若者に会社での働き方をアドバイスする光景が見られ、世話役の私としては、なにか晴れやかな気分になっています。

  2008年05月21日

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