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テーマ:仮面ライダー響鬼(317)
カテゴリ:響鬼
仮面ライダー 響鬼 放送開始当時2歳で、とにかく怖がって響鬼を見たがらなかった子熊1号ですが 5歳となった今では好きなヒーローのひとつとして忘れずに響鬼を挙げます。 特に好きなエピソードは河童との戦いのようです。 分裂して増える河童に悲鳴をあげながら笑っています。 最近では1話~4話までをよく見ています。 ミュージカル調で始まる序盤とフェリーでのヒビキさんと明日夢の出会いを一緒に歌いながら楽しんでいます。 劇場版の響鬼も好きで、色々な鬼達の個性や颯爽と馬を乗りこなす響鬼がたまらないようです。 一方、2歳を待たずして響鬼に心酔してきた子熊2号 神秘的な光沢をたたえる紫色の鬼にあこがれ、音叉の構えも、音撃棒さばきもすっかりなりきっております。 そんな子熊1号2号ですが、どちらもディスクアニマルの活躍は口を開けて見入っております。 あと、たちばなでおだんごを食べたいと思っているのも同じです。 子熊1号2号が他に同じく響鬼で気に入っているのが劇場版のメイキング映像です。 これも飽きずにたびたび見ています。私がそのメイキング映像を見る度に感動してしまうのが 視聴者100人+ α による扮装エキストラ。 "ハイパー時代劇 " というコンセプトを汲んだ戦国時代風の扮装を 視聴者の有志が自前で用意し参加したその撮影。当日のわずか一週間前に告知があったそうですが 100人の枠に300人以上が名乗りをあげ、またそのレベルの高さから予定を十数人上回る採用に至ったとか。 そして、採用された方々の衣装の素晴らしいこと。粋であったり、傾いていたり、たおやかであったり、渋かったり・・・ 和装の形を守りつつ、伝奇ロマン的作品に沿うようなドラマティックな趣向を凝らす見事さ! 朝8時という集合、強い日差しの中での撮影のために時間を工面し、足を運び、衣装に気を使い、一人一人に芝居も付けられて・・・ 実際の戦国時代の市の活気がどんなものであったか知りませんが、このシーンは本当に奇跡なんじゃないかと思います。 響鬼の為に労をいとわないファンの情熱と洗練された美意識を見せつけられるたび 圧倒され、どうしようもなく涙がこみあげます。 私は響鬼の世界の美しさを味わうに至るまでに少し目が利かなくて遠回りしてしまったけど こんなに作品の手触りを・・・しかも劇場版というイレギュラーな設定にも関わらず的確に捉え 鮮やかな息吹を与えた皆さんを尊敬して止みません。 子熊1号に拒まれた経緯がありながら我が家で響鬼を視聴するようになったのは 高校時代の同級生に薦められたから。彼女が「響鬼おもしろいよ」と言うので、子熊1号の目を盗んでは見てみるようになりました。 まず私が気を取られたのは村田充氏と芦名星嬢が演じる妖かしの童子と姫で、 童子と姫は両名の声を入れ替えて吹き込まれているキャラクターだったのですが、それを知るまでは まさしく面妖な、しかし美しくもある姫と童子に注意を奪われ通しでした。身のこなしも達者で なんと魅力的な敵役であろうと感心したものです。 テレビではなぜかお目にかかる機会が少なかったのですが、響鬼の変身も身震いする美しさでした。 そして磨かれた身体能力からなる躍動感あふれたアクションに見惚れました。 背景に流れる音楽も良く、鼓動を刻むような早いテンポの曲には緊張感が高まり 勇壮なテーマ曲には痺れました。 響鬼という戦士のデザインは見れば見るほどその質感の美しさにため息が出るほどですが もう一つ、見れば見るほど魅了されるのが鬼達のアジトである甘味処 " たちばな " ご近所の人の良さそうな中高年の男女が連れだって甘いものを楽しみに訪れるというその店のたたずまい。 表も床も気持ち良く掃き清められ、花生けには花を絶やさず、 その日その日に拵えた季節や天候に応じた和生菓子で客をもてなす。 年代を感じる木造ながら、家人達が愛情を注いで暮す手入れの行き届いた様子。 親しみやすさと凛とした気概が調和した、まっすぐな店と人のなりが美しい。 響鬼は選りすぐった美しいもので織りなされた作品であったと思う。 でも、美しいけれども、その色調は明るいばかりではなく、むしろ陰の気が強かった。 陰湿なよどみから生じては人を食らう化け物、人目を忍んで魍魎を封じる鬼という生業、人の世から滲む穢れ、 己との戦いである孤独な鬼の鍛練、戦いで追う傷の深さ、魍魎に己や肉親の命を奪われる恐怖がつきまとう心の闇、憎しみ・・・ 鬼という存在は魍魎と対極の陽の存在というよりは、陰と陽の境界で己を保ち、力を顕すもののように見えた。 その肌も葉陰や夜の闇に紛れるような色合いで、その暗さこそが、2歳の時に1号を怯えさせた。 響鬼の世界に、唯一、陽の中の陽、光そのものを象徴するような人物がいた。 甘味処たちばなを実質的に切り盛りしていたであろう立花姉妹の次女 日菜佳 姉の香須美は負けん気が強く、一線の鬼達にも時に手厳しく、現場に出ていることが多い。 やや癇癪持ちであるかのような設定のせいで、鉄の女のように描かれることも一度ならず。 関東支部長の父が奈良吉野の本部へ呼ばれ留守になれば、おのずと支部長代理だろう。 父の勢地郎は見た目も懐も温厚だけれども、揺るがない強さは砦の風格。 みどりも柔和な印象だが、鬼の装備の開発と改良に全力を注いでいる姿は職人の気迫が漂う。 好青年イブキの印象は爽やかな風のようであり、飄々としているし・・・ 明日夢は希望と可能性を見出すことはできたが、幼く、迷いの多い存在だった。 ひとみの明るさは、人を照らそうという優しい意志は絶えることなかったが、劇中ではぼんぼりのような柔らかな光にとどまっていた。 日菜佳ほど、はっきりと陽ざしのような明るさを振りまいていた人物は他にいなかった。 大学に通いつつ、店を賄い、鬼達の裏方として統計・資料・日程表を作成し、真剣に交際する恋人がいて・・・ 恋に華やぐ年頃の娘さんというだけでも充分に輝くものだが、日菜佳に至っては更に ”学び、働き、支える ”という 堅実さを兼ね備えており、揺るがない強さのある輝きだった。 しかし、そんな理屈を感じさせない 若さと善良さにあふれつつ茶目っ気の垣間見える活き活きとした存在感。 日菜佳の笑顔こそ、響鬼の世界における、陽の中の陽。万が一彼女がいなかったら・・・響鬼の世界はもう少し温度の低いとっつきにくいものになっていただろうし " たちばな " でお団子たべたいな・・・と感じられるだけの和やかさは表せなかったかも知れない。 砦のような勢地郎、チャキチャキの香須美、実務をこなしつつも屈託ない日菜佳・・・という家族だったからこそ " たちばな "はずっと前からそこにあった気がするし、ずっとそのまま暖簾を揚げ続けて欲しいと思う。 実は・・・日菜佳の輝きは、その役どころだけで輝いていた訳ではなかった。 演じる神戸みゆきさんが、彼女自身の命を燃やして輝かせていたように思われる。 女優として "全力" をモットーとされていたという神戸みゆきさん。 命懸け、一所懸命、全力で・・・という言葉を用いる場合、 "自分の行く末の命運を賭ける" という意味合いの人もいます。 しかし、神戸さんを知る方々の言葉からは、命そのものを燃やして役に命を吹き込んでいたような神戸さんの姿が浮かびます。 神戸みゆきさんの悲報を受けた時、私はまるで光が消えたように感じました。 そして、その感覚は正しかったようです。寂しい、悲しいという感情も呑み込みそうな、太陽が消えてしまったような絶望の闇。 こんなことになってから思い知るとは愚かですね。 でも神戸さん、多くの同輩があなたは今も、いつまでも日菜佳ちゃんとして " たちばな "で元気にしていて 大好きな人達と幸せな時間を刻んで、そのキラキラした笑顔をほころばせているのだと、祈りを捧げているのです。 とりとめもなくすみません。貴女の笑顔に感謝と敬意を表し、心のなかで花一輪献じたく候。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.07.02 17:02:38
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