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うっかり熊公のガラクタ箱ブログ

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2009.06.15
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カテゴリ:アート


 大塚芳忠さんの声が聞きたくて『ショーシャンクの空に』をレンタルし初鑑賞。


 『ショーシャンクの空に』は今も名作として揺ぎ無い地位を保っている様子。


 封切り直後に私の母が「とても良い映画だった!」と力説していたのを思い出す。


 「どんな話なの?」と尋ねてもネタばらしを避けたのか「刑務所の話」としか教えてくれなかった。


 「あなたも観なさい」と言われたがピンとこなくて観ることは無かった。


 さて、そんないわく?もありつつ実際に鑑賞してみると・・・


 何だか当時20歳の自分が観たらおそらくキョトンとしたのではないかという気がした。


 あるいは的外れにゲラゲラ笑ったかも知れない。


 この作品に練り込まれたユーモアとウィット、そして痛快さにばかり目が行っただろう。


 それとも呑気に、かつ無作法に人の災難を笑っただろうか。


 


 ティム・ロビンス演じるアンディ・デュフレーン(吹き替え:大塚芳忠さん)の淡々としたたたずまい。


 モーガン・フリーマン演じる調達屋レッドの温かみと諦観。


 刑務所の規律という詭弁のもとに踏みにじられる囚人。外道のヒエラルキー。


 濁った思惑、地質学的な策略。塀の中の友情。


 作品の観客として塀の中の20年を垣間見るのは容易いが・・・


 囚人として数十年を生きるという事は想像を絶する。


 刑務所の様子は作中と現在の日本の刑務所ではまるで違うにしても、


 目を逸らしたくても逸らせることができない気の遠くなる時間の重石は変わらぬ苦痛であり


 その重しが人格や思考を健全に保つに極めて困難に仕向けるであろうと否応にも感じる。


 まして服役の原因が冤罪であったら?


 おりしもしばしば冤罪事件がニュースとなる昨今。


 再捜査に漕ぎ着ける例は一部に過ぎないとも言う。


 死者に着せられた濡れ衣も含めれば更に冤罪の件数は増えるのか。


 裁判員制度が導入された今の時期に観るのに相応しい映画と言えそうな気もする。



 この作品を観て、感じ、思いがぽつぽつと浮かぶのは、それなりに齢を取ったからだとも考えるし


 同時に20歳の頃の自分が現在にもましてふてぶてしかったことにうんざりする。


 母は『ショーシャンクの空に』を観て何を感じたのだろうか。


 どのような点を素晴らしいと思ったのだろうか。


 字幕で観たのか、吹き替えで観たのか? 


 小学生の時に連れて行かれた『風と共に去りぬ』は字幕だったような気もするから字幕派だったかも知れない。


 

 映画は好きだけれどもあまり観る機会を作ってこなかった。


 でも、今、芳忠さんが、スクリーンに続く扉を開けて下さる。


 知らない世界への寄り道が始まる。 その寄り道のいくつかは、いつか母が歩いた物語の世界・・・






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Last updated  2009.06.17 01:32:49
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