カンタベリーパーク競馬場
カンタベリーパーク競馬場は、シドニーターフクラブが運営する競馬場。シドニー郊外にあり、電車で30分足らずと街からとても行きやすい場所にあります。 カンタベリー駅。事前調査では、ここから歩いてすぐだという話でしたが… 目の前にしっかり標識が出てる。結局は、この標識の通り道なりに行けば競馬場に着くことができました。 ドンドン歩いていくと、閑静な住宅街の中に競馬場発見!1~2コーナーあたりから遙か向こうに競馬場のスタンドを望む。 今日はここの競馬場でナイター開催。開門6時、レースが7時開始ですが、サマータイムのシドニーで7時というのはまだ夕方前の明るさです。 スタンドからコースを望む。コースの向こうに見える住宅地も含めて、少し郊外に出ると本当に緑豊かなところです。 ただ、ここは都市の郊外でオーストラリアの中では「わりあい大きな」競馬場なので、さすがに「原っぱにラチだけが建ててある」といったワイルドな作りではなく、敷地もちゃんと区切られて整然とした「競馬場」になっていました。 もっと地方の、いわゆる「カントリー」の競馬場では、もっと素朴なつくりのところももあるのかもしれません。 装鞍所。レースに向かう準備に余念なし。オーストラリアでは、装鞍所の目の前で馬にさわれるところまで近づけると聞いていたのですが、少なくともこの競馬場ではさすがに柵で仕切りがされておりました。 パドック。オーストラリアのファンも、レースの前には熱心に馬の様子に見入ってる…と思いきや、何となく馬の近くに人が集まっているだけという感じが強いです。ちゃんと馬を観察しているファンもいますが、夜になると、酒に酔ってひたすら馬を引く厩務員に大声で話しかける(っつーか、野次?)人々もいました。 だって、メインスタンド1階のバーラウンジでは、1レースが始まる前からご覧のように集まって「チアーズ!!」ですもん。日本では、博打とタバコは切り離せないようですが、ここオーストラリアでは、酒と博打は「つきもの」みたいです。私はタバコが嫌いだから、そっちの方がいいんだけど…。 ちなみに、オーストラリアは喫煙ルールが厳しいので、建物の中ではタバコは吸えません。スタンドの外では吸ってもいいみたい。 馬券は、窓口に行って日本と同様のトータリゼータ方式(当該買い目の売り上げ比率に応じてオッズが決まる)の「TAB」で買うことも出来ますが、単複ならばご覧のように居並ぶブックメーカーから買うことも出来ます。 ブックメーカーは店毎にオッズが異なりますし、その店での各馬の買われ方によってオッズは変動しますが、TABと違って買った時点で表示されていたオッズでの払い戻しが保証されるのが特徴。ですから、発走直前までオッズを熱心に見比べる人々は非常に多く、レースの発走間際になると買う方も売る方も修羅場になります。 買い方は簡単。金を差し出し「ウィンいくら、プレイスいくら」と言えば、小型プリンターからブックメーカーの名前入り(当然当たればその店で払い戻すわけだから)の券を出力してくれます。券には買った時点でのオッズがしっかり書いてあります。 なお、シドニーが属するニューサウスウェールズ州でトータリゼータ方式の券の発売を担当しているのは、日替わりコラムで取り上げたUniTABとは別の会社。全く別系統で券を売っているので、当然オッズも異なります。場外発売用に次々と各地のレースを放映するチャンネルでは、常に3系統の単勝オッズが表示されており、発売票数の少ない例えば田舎のトロッターのレースなんかでは、オッズにかなりの差が出ていることもありました。 午後8時に夕日が水平線に向かって沈み始め、本当にナイターの雰囲気になるのは9時過ぎ。時間が進むにつれて来場者も増え、老若男女入り交じって、それぞれがレースに、食事に、お喋りにと楽しい時を過ごしていました。 年齢問わず女性の姿が多いのは、競馬場が人との交わりの場でもあるからでしょう。また、小さい子供の姿(勿論親が連れてきている)も目立ち、子供たちは無邪気に芝生で走り回ったり、馬の姿に声を上げたりしておりました。 いずれにしても、レースが始まってしまえば、競馬に洋の東西はなし。とにもかくにも馬券を買って、楽しむことが出来ます。シドニーに行かれる競馬ファンの方は、日程を調べた上で是非とも立ち寄ることをお勧めします。日本とは違った雰囲気に、また競馬というものの良さを再認識できることは、間違いありません。 オーストラリアにはまだまだ、大小様々な競馬場が無数にあると聞いていますので、今度は田舎の小さな競馬場にも、足を運んでみたいなと思っています。