NHKマイルカップを制した名馬たち
2012年のNHKマイルカップを迎えるに当たり、今回は2010年のNHKマイルカップを制したダノンシャンティに焦点を当ててみようと思います。ダノンシャンティは、2007年にフジキセキ産駒として誕生。2009年の11月に行われた芝1,800mの新馬戦でデビューしました。2番人気という高い支持に応え、先行策からデビュー戦での勝ち上がりを果たします。そして次走にG1クラスが揃う重賞、ラジオN1KKE1杯2歳ステークス(G3)に出走。オープン戦を勝ちあがってきたヴィクトワールピサ、コスモファントム、評判の高いヒルノダムールなどが出走する中、7番人気となりますが、ある意味期待を裏切るかたちで3着と、馬券内を確保します。1着のヴィクトワールピサからコンマ2秒差と、今後に期待を持てるレース内容でした。年が明け、3歳初戦に共同通信杯(G3)へ参戦し、オープン戦を制したアリゼオに次ぐ2番人気で出走。後方から追い込み、アリゼオをかわすものの、ハンソデバンドにハナ差届かず、2着となりますが、賞金を加算。次走は近年重要なレースとして注目を集めている毎日杯(G3)へ向かう事となります。毎日杯(G3)では、超良血のルーラーシップ、オープン戦を制し、久し振りの競馬となるホープ、リルダヴァルに続く3番人気に支持され、10頭が参戦する中、5番手でレースを展開。直線ではメンバー中最速の上がり3ハロン33秒4というタイムで駆け抜け、見事に重賞初勝利を挙げる事となりました。ダノンシャンティは皐月賞へは向かわず、NHKマイルカップに向かう事を決断。NHKマイルカップでは、僅差ではありましたが、ニュージーランドトロフィー(G2)を制覇したサンライズプリンスを抑え、1番人気で出走します。レースはエーシンダックマンが驚異的なハイペースで逃げる中、ダノンシャンティは後方からレースを進め、向かえた直線では毎日杯で見せた末脚をここでも発揮し、直線で15頭をごぼう抜き。1分31秒4という日本レコードを記録し、G1初タイトルを戴冠します。そして3歳の祭典、日本ダービーへ出走が表明されましたが、骨折が判明し、長期離脱。暮れの有馬記念(G1)に出走するも、久し振りが祟ってか9着止まり。京都記念(G2)、大阪杯(G2)にするもそれぞれ4着となり、安田記念に向け調教をしていましたが、屈腱炎が判明し、引退する事となりました。日本レコードを記録したスピードはやはり脅威で、現在は種牡馬生活を送っています。ダノンシャンティの仔が産まれ、活躍する事を期待して、今年のNHKマイルカップを楽しんでいこうと思います。