『上海トラップ』内山安雄の、アジア物の、2冊目を、読んだ。
この作品は、上海となずけながら、上海の、Sも、出てこない、ほとんど、東京の、新宿、新大久保あたりが、舞台である。とうぜん、そのあたりをすると、中国マフィアと、暴力団、をテーマとする、『新宿鮫』大沢 在昌の、テリトリーである。いぜん、『フィリピン・フール』で、フィリピーノと、日本人のハピーエンドの、アジア物小説を読んで、それの、上海ものかと、期待したが、それを、よい意味で裏切ってくれた、これを、ハピーエンドと読んでよいかわからないが、安心して読める、エンターテイメントであろう。ぐっと、一気に読めそうなくらい軽いタッチなのだが、なるべく、ゆっくり読んだ、具体的なストーリーは、全然、書かないでおこう。やはり、いききと、描かれていたのは、残留孤児というハンデイを、持った龍道であろう。そして、主人公の飛鳥、 そして、密入国の中国人女性、ヒロイン彼女の生き方に、共感できたら、あなたは、かなり日本人離れしているということだろう。後半に出てくる、妹は、多くの人に、認められるだろうが、アジアの女性と、付き合うと、実は、こんな感じを、味合わされるのである。とまれ、次の内山安雄の、小説を、十分読みたくさせる力作であった。アジア物では、あるリアリティと、文章の良さがあり、最後まで、一気に読める作品だった。ふと、これを、どんなところで、取材して書いたのだろうかと考えさせられた。これも、作者の経験の一部とは、さすがに言えないかもしれないが。次に読む作品が、楽しみである。内山安雄 作品一覧:紀伊國屋書店から、URLハルキ文庫 上海トラップ ISBN:4894566087349p 15cm(A6)角川春樹事務所 (1999-12-18出版)・内山 安雄【著】[文庫 判] NDC分類:913.6 販売価:\819(税込) (本体価:\780)http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9973114000