カテゴリ:日常
何事も始めが肝心と申します。今年の虫採りの皮切りを華々しく飾るべく、4月29、30日と道南地方のせたな町と松前町に出かけて来ました。この辺は過去に何回も訪れ、北海道初記録の報文を書かせてくれたり、標本箱に賑わいを与えてくれたりしたとっても験の良い場所。今年も絶対に素敵な虫達に出会えるに違いない、と思いいそいそと出掛けた。なのに・・・・・ 最初の採集を終え、次の採集地に向かう途中の道はずっと追禁だったため前をトロトロ走っていた車を煽り気味だった。直線に入ってトロトロ車が左に寄ったため「走り屋の俺様に負けを認めたんだな、ヘッ!」とばかりに一気に「サッ!」と追い抜き、感謝の意を込めてハザードをピッカピカ~、「これが走り屋のマナーってもんよ~、へっへぇ~」。すると突然「ピーーーッ!!は~い、ちょっと速かったですねぇ~」。22キロオーバー、2点減点、1万5千円の納入切符を頂きました。 そんなことは忘れようと次の場所で必死に材採集を試みるものの全部ハズレ。「ま、ライトトラップがあるさ、この場所は縁起が良いしぃ~」っとばかりにライトトラップを設置。翌朝の成果に期待しつつ車内に乗り込み運転していると、「モァ~~~ン」と何やら漂い始める異臭。「ン?」 モァ~~ンが「ウッ!」っという激クサに変わるには時間はかからなかった。いつの間にかキツネのウン●を踏んでいたのだ。それが微妙な右足のアクセル操作とともに悪臭に強弱を生んでいる。遠のく意識を必死にこらえ、駐車場で車を降り、草や縁石に必死にこすりつけるも敵もなかなか粘り強く、諦めてホテルで洗うことに。ホテルのフロントのオバサンと話しながらも気になって仕方がなく靴をゴシゴシこすりつけていた。すると信じられないことに、ソール(靴底)が「ガバッ!!」っとはがれたのだ!!「エーーーッ!!」。やはりヨルダン製のナイキ、なんといい加減な作り・・・。 幽体離脱しそうになる自分を押さえながら、「今までのは神の試練だ、ライトトラップで大逆転することになっているんだ」、と自分に必死に言い聞かせた。去年数々の珍しい虫を集め、北海道初記録を量産した伝説の最強マシーン。朝になれば見事大逆転し、誇らしげな勝者となるのだっ!!・・・・・朝起きてみると雨が降っていた・・・・。「いや、夜は晴れていたに違いない、これは恵みの雨だ!」。ホテルを出てコンビニで朝食を買う頃には雨も上がっていた。「ふふっ、これはもらったな・・・・」不敵な笑みを浮かべつつ大逆転への強い確信を持った。ライトトラップの場所まで軽快に車を飛ばす。ライトトラップは小高い場所に掛けたので、回収するため坂を登った。「えーーーッ倒れてるぅーーーっ」。しかもそれだけではない。大事な回路が入ったケースのフタが外れ、雨が溜まっていた。声が聞こえた気がした。「もはやお前は死んでいる」 3分間の無呼吸症候群から喉をかきむしりながらやっとの思いで息を吹き返した後、夢遊病者のような足取りで車に乗り込み、再び採集地に向かった。僅かに残った最後の気力で狂ったように材採集に挑戦するも当然の如く狙ったものは全て。もはや能面のような笑いしか出ない。「完膚無きまでに打ちのめされるとはこういうことか・・・・」。ボーッと見上げるとタラの木が目に入った。いつの間にか差していた薄日で芽がみずみずしく光っている。早春の柔らかな日差しの中、草原でのんびりとタラを取っている自分がいた。「俺、一体ここまで何しに来たんだろう?」って思いながら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 2, 2006 12:48:02 AM
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