カテゴリ:病気で退職後の就労支援
アルバートエリス博士は、心理学の世界でとても有名な先生です。彼は論理療法という心理療法を提唱しました。彼が著した『論理療法』川島書房という本の中で、不安に対処する方法が紹介されています。
エリス先生が虫歯の治療をした時の話です。エリス先生は治療がとてもゆううつでした。そんなときにふと思ったのが ★確かに私はこんなにもゆううつだ。でも虫歯の治療自体で生じる苦痛や痛みはどれぐらいなのだろうか? という発想でした。そこで先生は虫歯の治療を受ける時に、非常に魅力的な異性とのいとなみをしているシーンを回想しながら治療を受けたそうです。すると、治療自体で感じる苦痛がほとんどないことに気づいたそうです。 つまり、人がつらさ、苦しさ、こわさを感じるとき、私たちは想像できる能力を使ってしまい ★きっとこんな嫌なことが起きるに違いない! と自分で作り出すマイナス感情に苦しんでしまうのです。もちろんこの感情は、本当は自分自身が安全かつ幸せに生きる為に、自然と(自動的に)生み出されるものです。でも、私たちは野生の中ではなく、現在は文明社会の中で生きています。ですから、この仕組みを働かせてしまうのは、幸せに生きる上で逆効果になってしまいます。従って、不安に対処する効果的な方法の1つは ★不安問題をなくしたり、やわらげたりするための方法を考え、その実行の集中する ことがおすすめです。 具体例として私のケースを紹介しましょう。私は近日中に福祉施設での実習を控えています。ですが私はかつて福祉現場にて、虐待をするグループなどに正論で対抗した為にひどい嫌がらせを受けてしまい、福祉現場に対して恐怖感を感じる面があります。そんな状態で私は何をしたのでしょうか? 1.就労中の仕事の引継ぎの為に、何をすべきかを具体的にたくさん考え出す。 2.考え出した計画案を実行する(実行しているときは、仕事に集中する) 3.実習でのストレスを減らすために、プライベートで行えることをたくさん考え出す。(遊び、実習準備、学習、交流など) 4.それらをなるべくたくさん実行する。体力的には無理をせず、活動の時は活動に集中する。 その結果、20年前でしたらつらい気持ちや感情になった上に、不眠、不安、胃腸の不調、頭痛、焦りなどの症状が出てしまっていた私ですが、今回そのような感情はほとんど感じなくなりました。症状も殆どでませんでした。なぜなら少なくとも 1.対応策の実行がもたらす効果自体 2.対応策を実行しているという自分への信頼感(自信) 3.実行中は実行内容に集中できるので、不安な想像をする必要がなくなる。 が効果的に働いているからです。もちろん私の場合、自分の心理スキルをいろいろ活用できてしまう面があります。でも皆様ならば、公認心理士や社会福祉士等のカウンセラーにカウンセリングをしてもらう方法があります。(自分で本やサイトなどを勉強してみるのもよいですよ。自分でマインドフルネスを学んでステージ4に打ち克った方もおられました。) まとめましょう。不安や恐怖は、実は不安や恐怖の対象自体から与えられるものよりも、自分でマイナス・ネガティブに想像(イメージ)して感じるものの方が強くて大きくなりがちになる。だからそういうネガティブな想像を無くすと楽になる。その方法の1つが、具体的な対応策を考え出して、それらを実行する事に集中する方法なのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.12.09 18:55:03
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