カテゴリ:認知行動療法
自分が持っている考え方・信念・価値観などは、自然と自分の判断や気持ちに影響を与えます。
たとえば、まじめな人がよく持ちやすい考え方(信念)のひとつに 「うそをつかずに、正直であることはよいことだ」 があります。確かにこれは道徳的です。そうした面があるのは事実です。しかし、この考え方(信念)も、全ての場面や相手に適切なわけではありません。 想像してみましょう。あなたにとって大切な人が重病になったとします。生存率も半分ぐらいの重い病です。あなたが大切にしたい人は気弱になっています。ネガティブな傾向がつよくなっています。現実を受け入れる精神状態でもありません。 そんな状態に相手がなっているときに、何の考えもなしにその人に対して重病であること・具体的なリスク等を相手に伝えてよいものでしょうか? もちろん、結果的に相手に対して、事実を伝えるケースもあるでしょう。(インフォームドコンセントなど)ですが、大切なのは事実を伝えたかどうかではありません。 1.相手の気持ち、環境、個性を十分に思いやる。 2.思いやった上で、事実をどのように相手に伝えるかを考える。(伝えない、保留するなどの数々の選択肢がありえる) というプロセスを踏むことです。要は ☆相手のことを大切にした(相手に配慮した)うえで、うそをつかずに正直に伝えてよいケースなのか?考えた上で実行する というのが、現実的かつ道徳的であるといえるでしょう。 ですから、認知行動療法を活用した対応としては 以前「うそをつかずに、正直であることはよいことだ」 修正「うそをつかずに、正直であることは誠実な態度といえる。しかし、相手の気持ちや状況を考えずに言動すれば、自分の気持ちだけを尊重する自己中心的な態度になる。だから、相手の気持ちと状況を配慮した上で、正直かつ誠実に対応するようにこころがけよう」 などと考え方を変えたり、その結果対応の仕方(行動)を変えることで、自分も他人もより生きやすくなるように働きかけることができるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.05.19 22:12:29
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