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DJ Kennedy/life is damn groovy

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April 27, 2010
XML
テーマ:NBA(1444)
カテゴリ:DJK Sports



 90.jpg 




NBAを観始めたのは大学時代、ある日曜日にモールを歩いていたら靴屋さんに
当時売り出し中だったMichael Jordanのシューズがディスプレイされているのを
見たのがきっかけだった。以来日本に来るまでは、NYとNJの試合を年間だいたい
50試合程観ていた。そんな、バスケットに夢中だった頃の思い出話である。



「気骨のある」という性質を持った人は見ていてとても清々しい。


プレイオフの試合ではないが、もう12,3年も前に行ったNJ Netsの試合で。


ニュージャージー・ネッツは、正直あまり強くない。一時Jason Kiddという、とても
フェアな名プレイヤーがおり、その頃は随分盛り上がっていた(尤も最近のNetsを
全く知らずに言っているのだが)けれど、とにかくプレイオフで勝ち進むとか今年は
優勝も夢ではないとか、そんな話はあまり聞いたことがなかった。


今夜の相手はあのシカゴ・ブルズ。しかもあのマイクル・ジョーダンがまだまだ活躍して
いた時代である。そんなシカゴにネッツが勝つなど、ファンもさすがに期待できない。


試合の推移はすっかり忘れてしまったが、当時のネッツはまるでシカゴに歯が
立たず、大勢のファンも、地元ネッツを愛するが如く厳しい目で見守っていたのだと
思う。



 2.jpg



点差は離れる一方で、場内には緊張と諦めの入り交ざった心地の悪い空気が流れる。
と、ここでブザー。前半が終わった。


ハーフタイム・ショーはアリーナによって様々だが、ニュージャージーでは時々
こうした、中国雑技団系?のパフォーマンスを見られた。これが、結構人気である。



        3.jpg



後半に入ると、さっきのハーフタイム・ショーが功を奏したか、ネッツが反撃に出る。
20点も広がった点差が第4コーターでナント4点差にまで追い上げてしまう。ネッツ、
久々の大フィーバーである。


そんな中、今夜一番振るわなかったのは、若手で人気も高かったショーン・ブラドリィ。
彼は2.29メートルの長身にも関わらず動きも軽やかでファンはみんな大好きだったが、
最強のシカゴに猛追する最中、彼だけがブロックを試みればすり抜けられるし自分の
ショットは入らないしで精彩を欠いていた。


ショーンは、当時NBA史上最も長身だったマヌート・ボルの引退後一番背が高かった。
NBAの歴代4番目に長身のプレイヤーである。


ネッツはとことんツイていなかった。さんざんチームに迷惑を掛け、ファンを落胆させて
きたショーンが、「ここで追いつけば波が変わる」と誰もが信じて疑わなかったその瞬間
ファウルで得た最初のフリー・スロウを外した。


「役立たず!」


どこからともなく声が上がると、場内一斉に大ブーイングが起こった。NYやNJのファンは
もともとバスケットでもベイスボールでも、辛らつなのだ。容赦が無い。



 4.jpg
          中央右奥、両手をひざについてフリー・スロウを見つめるShawn



ブーイングが響き渡ってから次のフリー・スロウまでの間が長かった。と、その張り詰めた
空間に稲妻のような叫び。


「おい!おまえら全員自分を恥じろ!それでもネッツのファンか!ティームを愛しているなら
プレイヤーの悪口は止めろ!ショーンの何が悪い!」



            Shawn.jpg
     (Click and see Shawn! ヴィデオが始まるとすぐ、真ん中にいます)



声のする背後を振り向くと、シーンと静まり返った場内にひとり立ち上がって訴える
若干15、6歳のブロンドの美少年。ネッツのTシャツを着、何万人という大人達を相手に
ひとり果敢に立ち向かっているのだった。


「ショーン!気にするな!こんなヤツラが何を言ったって、君が良いプレイヤーだって
僕は分かってるぞ!気にするな、ショーン!!」


もうブーイングは起こらなかった。勿論ブーブーとやっていた大観衆は彼の言葉に自らを
恥じただろうが、それだけではない。彼の、勇敢で正しい、コートの向こう側まで響く
透き通った声に胸の奥が洗われたのではなかったろうか。私など、何だか日頃の
ストレスまで吹き飛んでしまうくらい、彼の言葉は潔く、気持ちが良かった。



     5.jpg
            何やかや言ってもカッコイイJordan



ネッツは結局そのまま負けた。ブロンドの少年もおとなしく引き上げていった。けれど
あの夜あの場にいたファンの多くは、前半に味わったような苦い思いを持ち帰ることはなかった
と私は断言できる。ティームを愛し、プレイヤー達を愛し、ファンでいることに誇りを持つ。大人じゃ
そうはいかないよ、と笑われるだろうか。でも、どんな時も何をしていても、自分の信念に従って
その思いをぶつけられる彼は、何と幸せで何と純粋なのだろう。彼は、爽やかな初夏の風みたいに
人の心の美しさを置き土産にして帰って行った。


今も私は、彼を時々思い出す。疲れた夜など、あの時の力強い声を頭の中で聞き直すと、
胸が熱くなるというより、目の覚めるような冷たい風が額に当たる心地良さを感じるのだ。
今夜の私のように、この試合と彼の清潔な心意気を今も懐かしんでいる人がたくさんいると
思いたい。勿論、ショーンにも。



1997年を飾ったGood Music."Don't Speak"は名曲でした。
SmashMouth.jpg TheWallflowers.jpg PuffDaddy.jpg NoDoubt.jpg
(Click and enjoy the music videos!)

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Last updated  April 28, 2010 02:01:28 AM
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