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カテゴリ:Just Chitchat
DJK's learning: Onde est? o meu hotel? Eu estou aqui. Ele ? bom. Eu n?o falam Portugu?s. 周辺はにわかに騒がしくなる。長く暮らしていてもクマに対するここまでの注意は初めてだった。不安は徐々に過剰なデマを飛散させ、地域住民、特に子供たちにクマ恐怖症が蔓延した。 「歌を歌いながら歩いてはいけない」 「目を合わせると襲ってくるので肌と同じ色のサングラスをかける」 「黒や茶色のバルーンをたくさん持って歩くとクマより大きく見える為、クマが逃げる」 「甘い香りでクマが寄ってくるので朝食にパンケーキやドーナツを食べない」 「Hey!と言うと襲ってくるので、Hello,と優しく声を掛けると襲われない」 「"What A Friend We Have in Jesus" を歌うとクマは寝てしまうようだ」 こんな、有り得ないことを本気で思いこんでいる子供もいた。 ある土曜日、ゴルフに行く途中のパークウェイでこんな車を見かけた。 BEAR SECURITY クマ専用の駆除業者など見るのは初めてだ。その日、私達はゴルフへ行くのを止めた。最初は身近でなかったクマ出没だが、この車を見る機会が増えるにつれ、心なしか外に出ている間、またテラスから外を眺めながら、動物園以外では見たこともないクマを探すようになっていた。 近くの学校では屋外での体育も中止となり、子供達の学校生活を中心に、町から日常風景が消えたようになった。「クマは暗い場所が好きだから、パーキングは気を付けた方がいいよ」と友人に言われ、自宅の地下駐車場に入るのさえ躊躇ってしまう。 こうして、張りつめた空気のまま1カ月が過ぎ、ある日の午後、犯罪など、スピード違反しかないような静かな町に警察のサイレンが鳴り響いたが、私はそれがクマの捕獲だとは露ほども思っていなかった。クマは我が家から歩いて3分ほどの場所にある、大通りに面した書店裏の森から出て来て、麻酔銃で捕獲された。全長2メートルの大きなクマだったとその夜のローカルニュースで知った。クマが本当に近くにいたことと、もしかしたら私達が、あるいは友人知人が出くわしていたかも知れないと思ったら、捕まった後で初めて恐ろしくなったのだった。 翌朝の新聞に捉えられたクマの写真が載っていた。「森のくまさん」という可愛い歌があるが、「あら、くまさん」なんて笑えるような顔つきでは到底なく、また大きな手を見て絶句した。これ以降クマ騒動はないが、私はブームに取り残されたように未だクマ恐怖症が取れないでいる。 「森のくまさん」の代わり…でもないか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 28, 2011 01:41:14 AM
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