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テーマ:好きなクラシック(2305)
カテゴリ:音楽
ベートーヴェン交響曲第9番『合唱付き』といえば、年末に欠かせない曲になっている。どういうわけか、私も聴きたくなってくるのが不思議である。
学生のとき、一度だけこの曲の演奏で合唱のテノールを歌ったことがある。それも年末だったから、そのせいかもしれない。 家中にある、第9のLPやCDを集めてみたら、10枚出てきた。 1.ブルーノ・ワルター指揮コロンビア交響楽団 ウェストミンスター合唱団 クンダリ(S) ランキン(A) コスタ(T) ウィルダーマン(B) 録音:1959年(ステレオ) SONY 2.ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 ブリーム(S) ヘンゲン(A) アンダース(T) ヴァツケ(B) 録音:1942年3月(ライヴ、モノラル) ANDROMEDA 3.オットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団 レーヴベリ(S) ルートヴィッヒ(A) クメント(T) ホッター(B) 録音:1957年10-11月(ステレオ) EMI 4.ヘルベルト・ブロムシュテット指揮シュターツカペレ・ドレスデン ドゥーゼ(S) シムル(A) シュライヤー(T) アダム(B) 録音:1980年 ドレスデン、ルカ教会(ステレオ) Brilliant 5.オトマール・スウィトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ ハヨーショヴァー(S) プリーヴ(A) ビュヒナー(T) シェンク(B) 録音:1982年6月 (東)ベルリン、キリスト教会(ステレオ) 日本コロムビア=ドイツ・シャルプラッテン共同制作 6.ヘルベルト・フォン・カラヤン(指揮)ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 トモワ=シントウ(S) バルツァ(Ms) シュライアー(T) ダム(Br) 録音:1976,77年(ステレオ) DG 7.カルロ・マリア・ジュリーニ指揮ロンドン交響楽団 アームストロング(S) レイノルズ(A) ティアー(T) シャーリー=カーク(B) 録音:1972年11月(ステレオ) EMI 8.ヘルベルト・ケーゲル指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 ハーガン(S) ヴァルター(A) ビュヒナー(T) コヴァーチュ(B) 録音:1982-1983 ドレスデン・ルカ教会(ステレオ) CAPRICCIO 9.レナード・バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィルハーモニー交響楽団 アーロヨ(S) サーファティ(A) ヴァージリオ(T) スコット(B) (C)1964年11月 CBS 10.レナード・バーンスタイン指揮6カ国合同オーケストラ アンダーソン(S) ウォーカー(A) ケーニヒ(T) ローテリング(B) 録音:1989年12月25日 東ベルリン、シャウシュピール・ハウス さて、年末にはそのうち2枚しか聴けなかったが、それについて感想を書いてみる。 ●ブロムシュテット指揮ドレスデン・シュターツカペレ 録音:1980年 ドレスデン・ルカ教会 ドレスデン・シュターツカペレの中低音が分厚い重厚な響きがすばらしい。テンポ設定が良く、好感度が高い。 第1~2楽章にかけて、ティンパニが大活躍し、迫力がある。第2楽章は特に、鋭いリズムがスリリングでわくわくするが、中間部のメロディアスな部分はとても丁寧に、美しく奏でられている。 第3楽章は落ち着いた、美しく深みのある演奏。大自然の美しさが音楽で語られる。田園風景に留まらず、心の中の広い世界をも感じさせてくれる。 後半のテンポが速くなるところはうきうきした楽しさもある。 第4楽章は気迫に満ちた演奏。オケは渾身の力で力演する。逞しく、輝かしく、美しい。 ソロ、合唱とも力演であり、まとまりが良く、感動的である。 ブロムシュテットの演奏は、音楽が導くとおりに演奏しているという感じがあり、作品の魅力が余すところなく伝わってくる名演だと思う。 ●ケーゲル指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団 録音:1982-1983年 ドレスデン・ルカ教会 上記ブロムシュテットの演奏と同じルカ教会での録音なので、響きの傾向は同様だ。 やはり、重厚な音。内声部が良く聴こえる。 1~2楽章のティンパニは強く明快で迫力がある。長いクレッシェンドで緊張を高めていくのが抜群にうまい。 2楽章ではコントラバスなど、低音楽器の動きが明瞭なのが特筆物。ベートーヴェン特有の大波が押し寄せる感じがとてもよく出ている。 第3楽章は遅めのテンポになっている。ゆったりと田園風景を描いてゆく。小川のせせらぎを聞きながら、田舎道を歩く気分が心地よい。 第4楽章は声楽が勝った演奏だ。ソロは皆、朗々と歌い、合唱も声高らかにのびのびと歌う。合唱が高い音を延ばす部分は天上の響き。 周到に組み立てられたドラマを見ているような緻密さを感じる。 全体に、興奮する演奏だ。管弦楽は、どの部分にも神経が行き届いた秀演である。しかしそれにもまして声楽が、ソロ・合唱ともピカイチである。第9に声楽を付けた意味が十分に納得できる演奏だ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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