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テーマ:DVD映画鑑賞(13979)
カテゴリ:映画野郎Bチーム
ピーター・ジャクソン版キングコングのDVDを購入し、昨夜一通り見ました。
キングコングは、1930年代の原典、1970年代のギラーミン・ラウレンティス版も見たのですが、今作は原典に匹敵する位良くできていましたね。 まず物語ですが、一本筋が通っていると言うことでは原典以上だったのではないでしょうか。原典はとにかく髑髏島につくまでがだらだらしていて見ていて辛いんですが、髑髏島につくまでのシークエンスが良く練られていました。観客を飽きさせない構成をとっていると言うか。 また、原典ではあくまでコングを脅威として描いており、アン・ダロウはコングに対して一切共感を抱かないのですが、今作は70年版と同様にコングに対して愛情を抱くようになっています。この関係で原典と終盤の流れが変わっているのですが、この辺りの改変の仕方も筋が通っていました。もっともこの改変で、カール・デナムのラストのセリフがちょっとだけ違和感を感じてしまうのが残念。原典の流れだとすとんと胸に落ちるのですが。 さらに70年版では面白くも何ともない髑髏島のシークエンスが、原典と変更されていてもかなり面白くアレンジされていたのが良かったです。特に髑髏島でコングが孤独であることを示すシーンがさりげなく入っているのですが(コングやアンの描写ではないです。骨)、これもうまい入れ方だなあと感心しました。 その他では原住民の描写がもろLOTRのオークっぽいところはご愛敬ですが、ブロントサウルスの暴走とか、コング対V-REX×3とか、カメラワークも面白くて、映像も綺麗で良くできていましたね。いろんなところで蛇足だと言われている巨大昆虫の群れの件も含めて、ジャクソンが本作で一番やりたかったのは、やはり髑髏島の生態を描くことだったんだろうなあと思わせるほど、やりすぎで凝っていて素晴らしかったです。正直大好きですw ただ、V-REXはなー。原典と比べるとめまぐるしい戦いになっていますが、正直原典の方があの戦いは好きです。V-REXの数を増やしたせいで、REXの魅力が乏しくなってしまった感じ。原典ではコングよりもREXの方が遙かに魅力的でしたからね。 特にREXが顔をこりこり掻く、愛嬌満点の可愛らしいシーンがないのが不満です。 もう一点、残念かなと思うのが、ラストがちょっと叙情的に過ぎたところ。原典の方がもっと残酷で、それだけに哀しかったのですが。 まあ、いろいろと思うことはありましたが(せっかくキャラが立っていた船員達の扱いもちょっと残念)、それでも全部通して見た感じでは原典に匹敵する面白い怪獣映画になっていたと思います。テンションが最初から最後まで持続する点では原典以上だったと思います。 同じリメイクでも70年版と雲泥の差があったのは、監督が原典をどれだけ好きかによるのではないでしょうか。ギラーミンは完全に勘違いしていましたが、ジャクソンはファンを公言するだけあって原典ファンをにやりとさせる改変を入れていて良い感じでしたね。 冒頭でのフェイ・レイの名前をだす件とか、船内で映画を撮っているシーンでのアンとバクスターのやりとりが、実は原典のアンとドリスコルのやりとりで(原典で一番つまんない部分)、しかもそれを茶化すような流れにしているところなんか嬉しかったですね^^ とにかく、なかなか面白い作品でした。 ちなみに私は二枚組の限定版の方を買ったのですが、こちらには髑髏島の生態観察ノートがついています。これ面白いですよ。ちょっと値は張りますが、生き物わらわらのシーンが好きな人なら二枚組の方をオススメします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/05/28 02:55:17 PM
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