はじめて、ゆるるが「学校にいきたくない」といいだしたのは、

昨日の晩のことだった。

少し様子が変。

「どうせママだって、僕のこときらいなんでしょ！」

この「ママだって」が気になった。

「なあに？どうしてそんなこというの？」

「もういいんだよ、僕なんかさ。」

ゆるるはそう言って半べそかきながら布団をかぶり

「もう、がっこうに、いきたくない。」

そういった。

そうっと起こして話をきくと。

どうしてだかその彼は、僕が嫌いみたいだ。

後ろの席で、ちょっと体格がいい彼は、

机を前に（ゆるるの方に）押し出している。

だからゆるるが椅子をひくと、彼の机にぶつかる。

「なにすんだよ！」

けっとばしてくるんだという。

ボール遊びの仲間に入れてくれない。

せっかく遊んでいたのに邪魔をしてくる。

一緒に遊んでいる友達を連れていこうとする。

たまに「一緒に遊ぼうぜ」というので

また意地悪されると思い、「やだ」といったら

ものすごく怒って「許してほしければ、１００円もってこいよ！」などという。

・・・

びっくりした。

おいおいそれってさ…。

色んな思いがよぎった。

先生にいうか、どうするか。

その彼のママも家族構成も知ってる。

一晩おいて、考えた。

もうちょっとゆるるの話を聞こう。

されるには、されるだけの理由もある。

受け取り方の違いも考えられる。

どうしてゆるるがそうされたのか、

ちゃんと聞いてみなくてはならない。

そしてそれを聞いて、ゆるるを

責めてはいけない。

一緒に怒ってもいけない。

でも、ママもパパも、ゆるるの味方だということを、

わかってもらおう。

心に決めた。

よくよく聞いてみる。

なるほどゆるるにも悪いところはある。

だいたい蹴ってくるタイミングがわかるから、

その足をつかんでやったら、ひっくり返った。

それをみていた3年生に笑われたことがある。

よくよく考えると彼はそんなに悪いやつじゃない。

たぶんだけど、ボール遊びが得意なゆるるの

やり方が気に入らなかったりしたのかもしれない。

勝負となると熱くなるゆるるの性格もある。

さらにそんなゆるるは

ちょっとのちょっかいを真に受けてしまうところがある。

それが「仲良くしようぜ」のサインだったのかもしれないのに。

好きなものが同じなだけに、ちょっとのずれでかみあわないだけだ。

もうすぐ席換えがあるという。

ちょっと距離をおいたら変わるに違いない。

ゆるるも少し落ち着いたようで。

「誰とでも仲良くしたいけど、難しいやつもいるんだな。」

と、うっすら感じたらしい。

しばらく、この件は要注意事項。

学校公開では全く気がつかなかった。

（机の位置は、わかっていたけど）

まだ先生には言わない。

こうやって、友達づきあいを覚えていくんだ。

親の出番じゃあ、ない。

ただ、ゆるるの話は、毎日しっかり聞くことにしよう。