彫刻家の友人の穴窯の初窯焚きを手伝う。3年ほど前に吉田明のミニ窯の本を偶然に見付け、小さな窯で小さなやきものをというのを勧めて以来、彼は実際に最初に小さなのぼり窯を作リ、またいくつかの穴窯を作り、石を彫るのもほっぽりだして時には一日三度も窯詰、窯焚き、窯出しを繰り返して夢中になって取り組んだが、とうとうもう少し大きな彫刻の焼ける窯をということでレンガを積んでもうミニ窯とも言えないような窯が出来上がった。彼が夢中で窯作りに取り組んでいる間自分はそれを側で見ていたし、いくつかの技術や構造上のアドバイスもしたので自分の窯であるかのような気持ちもしないでもなかったのである。
初窯なのでまずはレンガ自体をゆっくりしっかり焼き込んでそれでほんとうに窯が完成となるのである。という訳でゆっくり一日かけて温度を上げて高温を丸一日と計48時間ほど焚き続けた。技術的な詳しいことはここには書かないが、いわゆるミニ窯と普通のサイズの穴窯では焚き方の原理に多少の違いがあるのだが、今回のこの窯はサイズ的にもその中くらいのものなので一体どのように焼けるものなのかはやってみるまでは何ともわからなかったのだ。そして実際に試してみた結果は、いくつかの問題点がはっきり見えて次の試みへのヒントが掴めたという点でも有効なものだったという気がした。この窯はいくらかの修正が必要だ。
21日正午に点火して、23日正午頃まで焚く。小さな窯でも同じだけ疲れてぐったりする。薪を割ながらの窯焚きだったので腕や肩が張る。終わって、やはり手伝いに来ていた別の友人が帰るときに駅まで送って行くときに、ちょっとどこかまで出掛けたいという気がしたのだが先日の白磁の仕事の時にようやくデルフト調の柔らかい白い釉薬のテストに目処がついてやる気になっているところなのでやはり家でしっかり取り組むことにした。
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Last updated
2004.05.24 23:01:39