カテゴリ:■CONTENT■
頭が痛い。どうしてだろう。わかった。二日酔いだ。 キクッコ姉さん、マユッコ姉さん、ユタカ兄さん、あまり呑まない。 宴は早めに終わって、それぞれホテルの部屋に戻った。 部屋に戻って片手に持っていたビールと焼酎と肴をベッドに投げ置いた。 窓のカーテンを思い切り開けた。 おお、新幹線が走っている。向こうに丸の内の夜景がある。最高の個人バーだ。 しかも、ビールと焼酎と肴がある。フフフフフフフ。 ひとりで夜景を見ながらちびりちびりと呑んだ。 旅に出ると、いろんなシチュエーションが起きるから楽しい。 寄席で呑めなかったけれど、このような夜景を肴に呑める。うん、いいではないか。 ひとりで呑むとね、歳をとったせいか昔を思い出す。 それにね、五十を過ぎてから、先輩や同僚の訃報を多く聞くようになった。 「キータンさん、今晩暇ですか、ちくっと呑みませんか」 そう語りかけてくる呑み友達が減ってきた。 歳を重ねるということは、そのような寂しさが多くなることなのかもしれない。 そしてその寂しさを癒すために、人は旅に出るのかもしれない。 う~ん、せつないひとりの宴となっていく。 そんなこんなで呑んでいるうちに、ベッドで寝ていた。ああ、だらしないよな。 おっととと、旅のコーディネーターは二日酔いに負けてはいけない。 早速に起きてホテル前の東京フォーラムに出かけた。 今日、晴れていれば、東京フォーラムの前広場で掘り出し物がある。 そう、ヨーロッパの旅が楽しいのは教会前などでの広場の市だ。 そのようなものを、三人に体験して欲しかった。 広場に行くと大勢の人達がうろうろして準備をしていた。 古着、骨董、絵画、古本、ふむふむ、オッ焼鳥屋も準備をしている。 私の情報は確かなようだ。ふふふふ、三人は喜んでくれるかな。 ホテルに戻ると、私は朝風呂に入った。二日酔いを飛ばすためだ。 とかなんとか言ってね、風呂上がりに冷蔵庫に入れておいたビールを呑む。 ああ、旅は最高だよね。 来年からは酒を控えよう。そう健康第一の年にしましょう。 そう、この旅を呑み納めの旅といたしやしょう。 そして、結局、お三人を掘り出し市そして相田みつを美術館にご案内した。 掘り出し市の話はしたらキリがない。やはり市は楽しい。 相田みつをさんの詩には多くの元気を戴いた。 私の気持ちは秩父宮ラグビー場へと傾いていた。 お三人さんとはここでお別れだ。 ユタカ兄さんはドイツへ向かう。 キクッコ姉さんはお孫さんが生まれるとかで心配していた。 マユッコ姉さんは飛行機で故郷に戻って仕事らしい。 みんな、それぞれに真剣に頑張って生きている。 私、私しゃあ、これからラグビーを観戦して ふふふ、夕方にはカオル姉さんに会ってお食事をするんだべえ。 こんな人生でいいのだろうか。自分ながら不安になっていった。ああ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|