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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2007.01.17
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先月、東京に行った際、銀座の本屋で懐かしいテレビドラマのDVDを売っていた。
「月光仮面」と「快怪ハリマオ」のシリーズものが並んでいた。
これは買わなくてはいけない。ふふふふふ、懐かしいひとときを買うことができる。

大分に戻って、100インチの画面でゆっくりと見た。
粉末ジュースを飲みながら、うんにゃ、焼酎を呑みながらね。ふふふふ。

バミューン、バミューン、拳銃音が二発鳴る。
すると「連続テレビドラマ月光仮面」という文字がピロッと現れる。
そしてイントロが流れてくる。あああ、懐かしい。

月光仮面がオートバイで走ってくる。おお、これだ、これですよ。
エッ、スーパーカブのようなやけにちっちゃなバイクだ。
こんなものだったのか。そうかな。
おっと、ガニ股で乗っている。もっと格好良かったと思っていた。

サングラス、白覆面、マント、うん、これだったのかな。
五円で買ったサングラス、風呂敷のマントや覆面、白いパッチ
そうだよな。そして三輪車や自転車に乗っていたものな。

バミューン、バミューン、そうか月光仮面は二丁拳銃だったんだ。
DVDでよく見るとやけに幼稚な拳銃だ。
それもバンドに差しているだけだ。うん、歩きにくかっただろうな。

「私に拳銃をどうか撃たせないでくれ」
月光仮面が拳銃を構えて犯人に頼む。
「今まで、拳銃で人を殺したことはない。頼む。撃たせないでくれ」
うん、頼まれた犯人も困るよな。

そうなのだ。月光仮面のうたい文句があった。
「憎むな、殺すな、赦しましょう」
うん、凄い言葉だ。そうだよな。今、起きている事件の当事者に聞かせたい文句だ。

このDVDには、月光仮面とサタンの爪との戦いを描いている。
パラダイ王国というところに行く。

案内するパラダイに詳しい結城博士が言う。
「パラダイは日本と風景が似ているから歩きやすい」
うん、撮影を日本でしているから、こう言わなくてはならないのだろう。
ああ、重箱の隅をつつく大人にはなりたくない。

サタンの爪の一味を警官たちは追う。追う。追いつめる。
サタンの爪の一味は鉄橋の下に隠れる。

「うぬ、逃げ足の速いヤツらめ。どこに行ったのだろうか」
前ばかりを見ている警官達、一メートル下の足もとにはっきりと一味が見えている。
そうなのか。こんなものをハラハラドキドキ見ていたのだ。

「彼らは金やものに目がくらんで、人の心の幸せというものを忘れてしまっていたのです」
サタンの爪との戦いに勝利した月光仮面は静かに語る。

「月光仮面さんは、これからどうなさるのですか?」
博士や良い人達みんなが質問をぶっつける。
「また大変な事件が起きている、ほら、風が私を呼んでいる、さようなら」
月光仮面はそう言い残して去っていく。

おお、それはそれは懐かしくも少し微笑む一時間三十分だった。
そして、気持ちはすっかり月光仮面になっていた。
「それでは……さようなら」


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Last updated  2007.01.17 09:07:38
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