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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2007.02.14
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昨日の昼、暖かかったので外で昼食をとることにした。
春らしい陽射しを浴びながら、なぜか地鶏ラーメンを食べようと思った。
いつもは混み合うラーメン店も早めに行ったのですんなりと食べることができた。

さあ、研究室に戻って、一時間ぐらい本を読もうと思った。

突然、目の前で、ドン、メリメリという鈍く破るような音がした。
驚いた。荷物を積んだトラックが駐車場に入りかかって天井がつかえたようだ。

バックするだろうと思っていた。
運転手は意地になったのだろう。前進しようとした。
タイヤがスリップしてこげた臭いがしてきた。

さあ、どうなるのだろう。私は手助けの仕様がない。
この場合、他人が口を出すと、当人にとってはただわずらわしいだけだ。
とにかくバックしてくれればいいのだがね。
運転手が降りて駐車場の天井を眺めていた。

また乗ると、バックを始めた。
ガリガリバリバリ、なにやらとんでもないことになりそうだ。
高さ制限の看板を壊しつつバックしている。
その看板が付いている柱をこさいでいるらしい。

バリバリ、トタンのようなものをひきつれたままトラックが道路上に現れた。
トラックもかなり傷んでいるようだ。
運転手の心もかなり痛んでいるに違いない。

運転手が降りてきた。煙草を取りだした。火をつけた。ゆっくりと吸っていた。
吸いながら目の前に起きた現状をじっと見つめていた。

写真を撮りたかったけれど、運転手の気持ちに触るかもしれない。
私は静かにその場を去ることにして、もう一度だけ振り返ってみた。
運転手は煙草をゆっくりと吸っていた。
吸っていた……起こってしまったことだものな、それしかなかったのだろう。

世の中よくあることさ。
そう思いながら地鶏が歯の間に挟まっていることに気がついた。
それは、春のような昼下がりのできごとだった。

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Last updated  2007.02.14 07:01:43
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