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春近しとはいっても、ここ三日ほど寒い日が続く。 コートの襟をたてての通勤の行き帰りが続く。 大分川の土手の上を歩く時は北風が肌にしみる。 夕暮れ時、そんな私の横を近くの高校生たちが走り通り過ぎる。 野球部の連中なのだろう。ユニフォーム姿の若者が次から次へと走っていく。 「走る」ということを忘れた私の傍らをすーっと過ぎていく。 「あああーあっ」 私はためいきを吐くだけだ。 あんなになぜ真剣に全力疾走ができるのだろうか。 昔、学生時代、黄昏、城山の石段を何度も箸って昇ったことを思いだしてしまう。 「鍛える」という一心から汗を流したものだ。 今、「鍛える」という言葉などどこかに捨ててしまった。 無我夢中で走れるという快感を忘れてしまったわいな。 そういうことより、走り去って行く高校生の背中に 「何のために走るのか」と問いかけている自分が寂しい。 「理由などないさ。走りたいから走るだけさ」 高校生からそんな言葉が返ってくるだろうな。 うん、羨ましくなってくる。 そして、私は背中を丸めてよれよれと歩くしかないのだろうか。 おっととと、ふたりの女の子が私を追い抜いていった。 ふたりは手をつないでスキップしながら軽く前へ進んでいる。 ヨシッ!私もスキップしてみよう。 アラヨーッ!アラアラアラアラヨーーーーーーレエッ?! 足がからんでうまくできない。ああ。 今年の冬が終わりつつある。今年の春が近付いている。 私はひとつ完全に歳をとっていく。ああ。 それをしみじみと感じさせられた昨日の黄昏であった。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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