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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2007.03.15
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春近しとはいっても、ここ三日ほど寒い日が続く。
コートの襟をたてての通勤の行き帰りが続く。
大分川の土手の上を歩く時は北風が肌にしみる。

夕暮れ時、そんな私の横を近くの高校生たちが走り通り過ぎる。
野球部の連中なのだろう。ユニフォーム姿の若者が次から次へと走っていく。
「走る」ということを忘れた私の傍らをすーっと過ぎていく。

「あああーあっ」
私はためいきを吐くだけだ。

あんなになぜ真剣に全力疾走ができるのだろうか。
昔、学生時代、黄昏、城山の石段を何度も箸って昇ったことを思いだしてしまう。
「鍛える」という一心から汗を流したものだ。

今、「鍛える」という言葉などどこかに捨ててしまった。
無我夢中で走れるという快感を忘れてしまったわいな。
そういうことより、走り去って行く高校生の背中に
「何のために走るのか」と問いかけている自分が寂しい。

「理由などないさ。走りたいから走るだけさ」

高校生からそんな言葉が返ってくるだろうな。
うん、羨ましくなってくる。

そして、私は背中を丸めてよれよれと歩くしかないのだろうか。
おっととと、ふたりの女の子が私を追い抜いていった。
ふたりは手をつないでスキップしながら軽く前へ進んでいる。

ヨシッ!私もスキップしてみよう。
アラヨーッ!アラアラアラアラヨーーーーーーレエッ?!
足がからんでうまくできない。ああ。

今年の冬が終わりつつある。今年の春が近付いている。
私はひとつ完全に歳をとっていく。ああ。

それをしみじみと感じさせられた昨日の黄昏であった。


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Last updated  2007.03.15 07:23:37
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