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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2007.03.16
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研究室近くのレコード店が閉店することになった。
先月の半ば頃から閉店セールを始めた。
三割、四割、五割と値が下がっていく。

最終日の今月の四日には七割に下がっていた。
CDやDVDにはシールが上から上に次々に貼られていく。
しかし、七割になると売れ残りだから「はやり」のものはほとんどない。

昔のBGMと言われたCDがやけに目についた。
「魅惑のムードミュージック・テナーサックスの響き・サムテーラー」
「哀愁のトランペット・ニニッロッソ」
ふむふむ、魅惑、哀愁という言葉に惹かれて、私は五枚ほど購入してしまった。

早速、研究室に戻って、次から次へとかけてはゆっくりと聴いてみた。
凄い、せつない、やるせない、儚い、胸がしめつけられる。
うん、最近、味わったことのない素直な感動が押し寄せてきた。

トランペット、サックス、ギターなどアナログの音なのだ。
ベースの響きも泣かしてくれる。
これは私達の青春の響きなのだ。

サックスのハーレムノクターンなどは、もう駄目、参ってしまった。
こんな音楽を聴いていたのか。こんな音楽に参っていたのか。
そうだよな。レコードだものな。何曲か聴いては裏返しにしていたもんだ。

最大に入って表裏合わせて十二曲ぐらいだ。
それがCDでは二十数曲も入っている。それに裏返しにしなくてもいい。
そうだよ。CDを裏返してみたら、私の顔が写っていてドキッとした。

何か買わなくてもいいCDを沢山買った気がするけれど
青春のひとときを買ったようでちょっと嬉しかった。
ただ、これで大分市内の三軒のレコード店が閉店した。

市内のレコード店はとうとう一軒になった。
その現実に寂しさを感じる今年の春である。
そして、私の青春の音の終わりを知る。ああ。


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Last updated  2007.03.16 06:47:48
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