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研究室近くのレコード店が閉店することになった。 先月の半ば頃から閉店セールを始めた。 三割、四割、五割と値が下がっていく。 最終日の今月の四日には七割に下がっていた。 CDやDVDにはシールが上から上に次々に貼られていく。 しかし、七割になると売れ残りだから「はやり」のものはほとんどない。 昔のBGMと言われたCDがやけに目についた。 「魅惑のムードミュージック・テナーサックスの響き・サムテーラー」 「哀愁のトランペット・ニニッロッソ」 ふむふむ、魅惑、哀愁という言葉に惹かれて、私は五枚ほど購入してしまった。 早速、研究室に戻って、次から次へとかけてはゆっくりと聴いてみた。 凄い、せつない、やるせない、儚い、胸がしめつけられる。 うん、最近、味わったことのない素直な感動が押し寄せてきた。 トランペット、サックス、ギターなどアナログの音なのだ。 ベースの響きも泣かしてくれる。 これは私達の青春の響きなのだ。 サックスのハーレムノクターンなどは、もう駄目、参ってしまった。 こんな音楽を聴いていたのか。こんな音楽に参っていたのか。 そうだよな。レコードだものな。何曲か聴いては裏返しにしていたもんだ。 最大に入って表裏合わせて十二曲ぐらいだ。 それがCDでは二十数曲も入っている。それに裏返しにしなくてもいい。 そうだよ。CDを裏返してみたら、私の顔が写っていてドキッとした。 何か買わなくてもいいCDを沢山買った気がするけれど 青春のひとときを買ったようでちょっと嬉しかった。 ただ、これで大分市内の三軒のレコード店が閉店した。 市内のレコード店はとうとう一軒になった。 その現実に寂しさを感じる今年の春である。 そして、私の青春の音の終わりを知る。ああ。 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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