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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2007.06.24
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杉原さんの領事館を見てホテルに着いた。
午後八時、外はまだ明るかった。

「午後九時にレストランの食事がセットされています。
 部屋でしばし休んで時間前に降りてきて下さい」
添乗員のキーコさんが言った。

「今から食べたい。食べて早く眠たい。すぐに食事をして欲しい」
あの金持ちのB夫婦のオヤジがまたしゃしゃり出た。
「こちらのレストランは時間に合わせて料理の準備をしていますから
 すぐには無理と思います。一時間ですから、部屋に戻って、ゆっくりされてから」
「いや一時間くらいだから言っているのだ。一時間ぐらいなら早くなるはずだ。
 私達は客なんだからな。あんたはまずそこを考えないかん」

クソーーーーオッ、私の怒りは絶頂に達した。
杉原さんのお話しを聞いてやさしい気持ちになっていたのに、
クソーーーーオッ、怒ったぞ、一番後ろにいた私は前に出た。

「そこまで無理を言ってはいけませんよ」
「なにが無理なのか、当然の要求だよ」
「当然も何もありません。団体行動です。一時間ぐらい辛抱して下さいよ」
B夫婦と私がやりとりとしている間に、みんな、エレベーターに向かった。

B夫婦が乗っていなかったエレベーターの中での会話。
「あんまり無茶を言ってはいけないよな」
「いつか誰かが言わんといけんと思っていた」
「我が儘ばかり言うと気分が悪くなるわな」
あなた方の誰かに注意して欲しかったですよ、私は疲れていた。

顔を洗ってベッドでしばし横になって、階下に降りた。
ななんとレストラン前の椅子にはB夫婦がくつろいだ格好で待っていた。
ヤバイナと思いながらも、私は横に座った。

「よお、先程は失礼」
オヤジが片手を挙げた。
私は手を横に振った。

「あなたはこんな旅は初めてなの?」
おっと、奥さんが話しかけてきた。
私は曖昧な笑顔を見せた。
「ツアーでは、言うことだけは言わないと駄目なのよ」
ああ、夫婦とはこうなるものなのか。私は黙った。

ただ、それからB夫婦の無理難題は減ってきた。
うん、減ったというよりも、B夫婦が旅に疲れてきてのだろう。
無理を言う元気がなくなってきたのかもしれない。ああ。

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Last updated  2007.06.24 09:41:31
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