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キータンのひとりごと~昭和せつなく懐かしく

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キータン.

キータン.

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2007.10.14
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さあ、店の中に入った。

そこのあんた、店内を見渡したらいけないよ。
すぐカウンターに近寄るんだ。
カウンターの上に無造作にチケットを放り投げる。

ただ、チケットを裏返しにせずに、表をはっきり見せるんだよ。

ここで間違うと、店員の「チエッ」という舌打ちを聞くことになる。
品名を店員に確認させるためには、ちゃんと見せておくことが肝要だ。

チケットも「ざる」「かけ」「きつね」「天ぷら」と大きく書かれている。
書かれている、そう、それしか書かれていない。

そうそう、だから、ここで大分というか西日本の人間は注意しないといけない。
何も言わなかったら蕎麦が出てくる。
うどんを喰いたい場合は、ひとこと言わなければいけない。

「うどん」

それだけでいい。

「うどんでお願いします」などと丁寧に言わなくてもいい。
「うどん」とぶっきらに低く言うだけでいいのさ。

ただ、間違っても叫んではいけない。
周囲の人から「やかましい」と言われるのがオチだろう。

ぶっきらぼうでいいのか。いい。店員もぶっきらぼうだ。
「いらっしゃい」などの挨拶はない。
「うどん」と言っても、「あいよ」などの返事もない。

白い汚れの染みた服を着ている。白い長靴を履いている。
頭には紙でつくった小さな帽子を被っている。
それになにより無愛想だ。

店員の笑顔などを見たこともない。
「ありがとうございました」
そんな言葉など忘れたかのような顔をしている。

おっと、躾がなってないとおっしゃるのかい。
おっと、おもてなしがなっていないとおっしゃるのかい。
おっと、おっとのおっとせい、愛想がないとおっしゃるのかい。

それでいいんだべえ。
それが立ち食い蕎麦屋なんだよ。

それだからこそ、東京の立ち食い蕎麦屋なんだ。

ああ、懐かしいな。東京の立ち喰い蕎麦屋よ。
一度、喰ったら忘れられない、あの味、あの早さ、あの安さ
それになによりあの雰囲気がたまらなく愛おしい。

おいしいかって……誰もおいしいとは言っていない。
まずいのかって……誰もまずいとは言っていない。
あの味が懐かしいと言っているだけだんべえ。

ふふふ、立ち食い蕎麦屋談義を続けやしよう。(つづく)

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Last updated  2007.10.14 08:52:16
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