カテゴリ:ガキの頃
研究室への通勤路として路地裏を歩く。 私にとっては、ただの路地裏ではない。 小学校の時、よく通った路地裏である。 小学校一、二年を過ごした母校に続く路地裏だ。 あの頃は広く感じたのに、今はやけに狭く感じる。 狭く感じるというより、歩きにくい。 あの頃は、この路地をよく走った。 遅刻をしそうになった、忘れ物を取りに戻った……。 当時の一心不乱に走っている自分を思い出して ふふふふ、思わず苦笑いをしてしまう。 あの頃は、コンクリート舗装などしていなかった。 水たまりがいつもあった。 陽が当たらないのでいつまでも残っていた。 冬などは、その水たまりが凍った。 すると凍った氷で遊ぶのが子供の常だ。 割ったり、破片の上に乗ったりと、そして遅刻しそうになる。 この路地の先の左に正門がある。 そこから校長先生が心配そうに顔を覗いていたのを思い出す。 うん、左の柵に沿って桜が何本も植えられている。 路地も周辺の家も立派になった。 しかし、桜の木だげは変わっていない。 四月、春になれば花をパーッと咲かせてくれる。 風に乗って可憐な舞を見せてくれる。 人それぞれの「あの頃」に戻してくれる。 さあ、今年も桜の季節、この路地裏を歩ける。 生きている、生かされている、そう「生きていけ!」 人気blogランキングへ←ランクアップのために良かったらクリックして下さいな! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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