現代劇の「桜姫」が難解だったので、二の足を踏んでいた
歌舞伎版の「桜姫」



いつもブログを愛読させていただいている
中村橋吾さんが粟津七郎役に大抜擢されたので
それはぜひとも拝見したい、
そしてもちろん勘三郎さんや橋之助さんを
拝見したいのは山々です。

チケットはすでに完売。
頼みの綱のチケット救済サイト。
お高い席しか残っていません。

高いのに後ろじゃ、ちょっとと
思っていたら、なんと、
ベンチシート最前列のチケットが
一枚、出されたじゃありませんか。

当日、素敵なご夫妻から譲っていただいた
ベンチシート。ベンチといってもゆったりした
まずまず座り心地のいい椅子が並んでました。

実際のベンチっぽいのはちょうど舞台の後ろ、
幕の奥に役者さんや、大道具、小道具などが控えた上、
その２階の席が野球場のスタンドみたいな席だよね。

真後ろのその席は現代劇の時のように可動式ではなく
終始、舞台の真後ろに位置していて、正面から見る
普通の席のお客さんと向かい合う形。



私が座ったのは、赤いマークをつけたところ。
ステージの真横。裏方大好きの私にはワクワクの席。
御簾のすぐ近くでいろんな音響がよく聞こえ、
出演者が目の前を通って行く。舞台袖にいる感じ。

舞台の裏から車をつけた台に乗って
出演者が入れ替わり、立ち替わり、現れたり引っ込んだり、
また、出たら出たで、多方向から見えるように
クルクル位置を変えるもんだから
中腰で動かしている役者さんかな、スタッフの方
相当大変そう。
どうみても電動ではなく、人力にみえたもの。

肩の凝らない歌舞伎を！
来たお客様に心ゆくまで楽しんでもらいたい！

そんなパッションを間近で感じる
エキサイティングな歌舞伎。
平成中村座の桜席よりもっともっと近いんだもの。
ヒシヒシ、緊迫感も伝わってくる。

狭い舞台の上、少しでも気を抜いたら、手順が狂ったら
テンポが遅れるだけじゃなく、怪我もしかねない。
ホント、プロの仕事！ハンパじゃない！

権助、あらすじを読んだ限りでは
相当悪い人のはずなのに、
橋之助さんだと爽やかに見えるもんだから
本当は悪い人じゃないのかも、なんて思えちゃった。
（熱演で、ヘタなわけじゃないの。男前だからでしょ♪）

やっぱり歌舞伎版のほうがわかりやすくて楽しめたわ。

私達の列を水色にしたのは、
「７０分後に水がかかります」って
お手紙とビニールの風呂敷が配布された席だから。

そして、２幕目はさらに広範囲に水がまかれるからと、
大きなビニールシートにみんなでくるまって
ワクゥO(ﾟ▽ﾟo)(oﾟ▽ﾟ)oワクゥ♪　ドキドキ　ハラハラの
お楽しみの席でした～。

勘三郎さんが寝てる！
あ、彌十郎さんが通った！
あ、橋之助さんだ！

本物がたくさん！って当たり前だけど、興奮も緊張も。

ひとつだけ残念だったのは、粟津七郎の橋吾さん。
出番もカーテンコールも常に上手（かみて）で一番遠く。
お姿がほとんど見えず。お声だけ。

そして、二度とこんな幸せな機会はないだろうと思うのは
桜姫の七之助君をずっと近くで観られたこと。
後半、黄色くマークした位置で、向きもこちらだった時は
心臓が飛び出しちゃうかと真剣に思いました。

美しすぎます。正面を向くと桜姫と向かい合っちゃうので
気が散ったら、申し訳ないので思わず、こちらを向いている
間は集中してもらおうと目をそらしちゃいましたが。
（いや、気が散ることはないとは思うけどねo(*^▽^*)o）

冒頭、白菊丸と清玄が心中するシーンが
紫でマークした二階の席の奥のほうなので、
そこが全く見えず声だけだったので、
一度一番後ろの席でいいから正面から観たいな、
とも思いましたが、こ
れ以上望んだら贅沢だからバチが当たるかも。

七之助君、観るたびに上手になって、
華もあるし、声も張りがあって好きです。
娘らしい楚々とした役はホントお似合いです。
次はどんな役かしらと楽しみです。

あー。やっぱり見て良かった♪



Bunkamuraは２０周年です♪



（桜姫　Bunkamura シアターコクーン　７月２１日）