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March 12, 2014
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カテゴリ:舞台【音楽あり】
渡辺美佐子さんが一人芝居の「化粧」を演じているのは知っていた。

なんの作品が最初だったか、思い出せないくらい昔から
大女優さんでたくさんのドラマを見てきたから。

2010年が最後だったらしく、
1982年の初演から648回も演じてきたそう。

最近では、「舟を編む」主役の松田龍平の下宿先の大家さんで
彼の仕事が順調ならば、男があがったとほめ、
元気のない時もめざとく見つけ、夕食をともにしたり、
甲斐甲斐しくて包容力のあるおタケさんを好演していらした。

観られなかったことが残念だ。

観たい芝居はたくさんあるけれど、
観られる芝居には限りがあるから
出会えた舞台にはご縁があるんだろうな、
感謝

化粧 平 淑恵
化粧 平 淑恵 posted by (C)kikimimiya

さて、その「化粧」の五月洋子を引き継いだのは、
品行方正で清楚なイメージの平さんというのだからビックリ。

大衆演劇の座長さん、パッと浮かぶのは浅香 光代さんだったから。

鏡に向かって舞台化粧をしながら、
付き人やテレビ局の人など何人もと会話をする。

舞台の上には化粧道具の乗った机、
そばには舞台衣装の着物がかけてあり、
五月洋子の名前の幟が何本も横やうしろに見える。
舞台の上が芝居小屋。

鏡に向かう=客席に向かう設定。

一人芝居だから時間も短いし、一幕。

だから、ギュッと中身が濃くて、
セットの殺風景さから漂う寂寥感と
目の前の役者さんから発せられる熱さの
ギャップからくる不思議な空気感に
引き寄せられた。

時々、ドーンと屋根に残った雪が
まとまってすべり落ちるような音が響き、
なんの音なのか、わからないこともあり、
こわいような悲しいような。

最後に音の意味がわかった時が衝撃的で、
涙がとまらない。

五月洋子=平淑恵さんの女優魂というか覚悟が見えるような芝居だった。


その日はアフタートークショーがあり、
演出家と所作指導、主演女優の三人が登場。

着替えの為、少し遅れて平さん。
五月洋子でなく、元の清楚な女優さんで登場。

井上ひさしさんの書いた旅まわりの役者の話は
高畑淳子さんの「雪やこんこん」を観たことがあるけれど
鵜山さんは、この作品の初演の時に
初めて井上作品に関わり、沢竜二さんとも出会ったそう。

鵜山さん、文学座では平さんのひとつ後輩で、
役者としてはそれほどでもなかったと、ご本人の弁。

1989年に「雪やこんこん」などで芸術選奨新人賞を得ている。
「雪やこんこん」この時の主演が市原悦子さん。

その後、こまつ座では「父と暮らせば」「兄おとうと」など、
私の好きな作品の演出を手掛けている。


1964年、開場だから紀伊國屋ホールは、劇場も椅子も年季が入っている。

文学座、民藝、俳優座など、日本演劇界を代表する劇団はもちろん、
つかこうへい、野田秀樹、鴻上尚史、三谷幸喜ほかを送り出し、
「新劇の甲子園」とも呼ばれていたと知ると、この古さもありがたかったりして。

歌舞伎座がない今、他に古いところはどこだろうと頭をひねり、
日生劇場を調べたら、1963年だけど、日生はキレイなので、
何度かリニューアルされているのでしょう(資料にたどり着かず、(ーー;)

トークショー。
真逆のイメージの大役に挑戦した平さんのまじめさ、
熱心さを沢さんが称えていた。

髪を染めたり、三味線を習ったりと役作りに没頭している平さんの
良き理解者。

信頼のトライアングル。

演出家と所作指導の飴と鞭がほどよく功を奏し、この素晴らしい、かつ
凄まじい舞台が出来たのだと、納得。

一人芝居、
紀伊國屋ホールは、後ろのほうに座った人もみんな、
ガーっと芝居に集中できるちょうどいい大きさ。いいな、このホール。

(2014年3月12日 紀伊國屋ホール こまつ座 「化粧」)





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最終更新日  March 31, 2014 01:03:29 AM
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