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今日、もらった感動へのお礼を綴りたい。
そう思って書いていると嬉しさがよみがえって
笑っているうちに楽しくなる。
読み返した時、また嬉しくなる。
だから、明日が楽しみ!

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April 2, 2015
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​​桜席に座った感じをレポ。

初めて座って感動した時の感想がご参考になれば。
2008年10月のことですが、
見え具合など、2015年の平成中村座も変わっていません。

しみじみ見上げる屋根.jpg


<span class=



一度座ってみたかった桜席

仮設小屋の正面から左右にある階段を上り、
舞台の方へひたすらまっすぐ進みます。
平成中村座の定式幕と同じ柄の幕をくぐって
さらに奥に向かうのは、関係者以外立ち入り禁止の
エリアに入るようで、緊張もし、優越感でもあり。

黒御簾(くろみす)の上の席。
足の下から下座音楽が聞こえる不思議な席です。
黒御簾は舞台の下手にある簾のかかっている黒い部屋。
舞台の様子を見ながら演奏するところです。

ここに座ると、お向かいの桜席と向き合う形、
自然と背筋が伸びる感じ。
客席のお客さんの様子もよく見えます。

Cプロは
Aプロの松の廊下の刃傷事件の時に
師直に斬りつけた
塩冶判官を
止めに入った加古川本蔵(桃井若狭之助の家老)が中心、

本蔵役の仁左衛門さん大活躍です。

「本蔵の視点でみる忠臣蔵」って
面白いことを考えるね。


小判1枚.jpg
(奥山風景で買える小判)

大序

さて、まだ定式幕は閉まっているけれど、
すでに役者さん達はスタンバイ。
Aプロと同じ兜改めの場面です。


そう、登場人物たちは、口をつぐんで頭を垂れていて
名前が呼ばれると頭をあげていく「人形身」です。

人形に魂が吹き込まれるように、人間に戻ります。

幕があがる15分くらい前から皆さん、その姿勢。

立ち廻りなどアクティブな芝居も
このジッと動かない芝居も

両方決まっているのはサスガです。

幕が開く前の口上の時は桜席ご一同様は、大移動。

実際に口上を述べる人形が見える位置から
見下ろします。

そしてユルユル幕が開き、いよいよ・・・

お、置鼓(おきつづみ)でいいのかな。

下手の端で立ったまま鼓をポン、ポンと。

その位置だと
上手桜席のここからしか見えないのでは、

おお、なんと贅沢、桜席!

舞台を飾る七ツ割丸に二引の紋は
足利家の紋でしょうけど

仁左衛門さんとも同じです。

真上からのぞくんですもの、
そりゃあ、よーく見えます。

大体は表情まで見えますが、
役者さんの立ち位置によっては、
背中から見ることも。


そうすると鉢巻だとか、帯だとか
普段はじっくり見る機会のない
衣装の細部までよくわかります。


個人的に嬉しかったのは
戸無瀬役の勘三郎さんの髪型、
「片はずし」が見られたこと。

「鏡山」の時に知った
武家女房や御殿女中の役の髪型。


代表例に伽羅先代萩の政岡や鏡山の岩藤、
そして戸無瀬と資料にはありましたが、
実際どんな髪型か詳しい写真はなく…。


桜席からは勘三郎さんの動きに合わせて、
片はずしがよーく見えました。

オペラグラスでも、
はっきり見る事はできるけれど

アップを見る時は誰か一人に絞り
他は犠牲になってしまうのがネック。


その点、桜席は、全員の動きがちゃんと見える。
その臨場感たるや、他の席との比ではありませぬ。


キャッツのジェリクルギャラリーよりも近く、
回転席より広範囲で見えます。


彌十郎さんの高師直。

挨拶をしようと何度も試みる橋之助さんに
プイ、プイと顔を背けるイヤーなヤツなんですが
そんなところも迫力ありo(*^▽^*)o~

小判1枚.jpg

二段目


ここは34年ぶりの上演となる加古川本蔵の屋敷のシーン。

若い恋人同士の七之助さんと
新悟君が初々しくて可愛らしい。


場面転換。

定式幕が降りた後は、
たくさんの人達が手際よく作業を進めますが、
想像していたより舞台裏は静か。

たくさんの書き割りや小道具を出し入れ、
スムースに運ぶにはどうするのかしらと思っていたら、
舞台の後ろがパカッとひらいて、外が見える。

そうなんだ!終わった物は順繰りに
後ろにずらしていくわけです。

小判1枚.jpg

三段目


松の廊下、Cプロの判官は勘太郎さん。

10人くらいに押さえつけられ、
抗う姿を間近に見ると思わず

お芝居なのに助けに行きたくなります。


クヤシそうな顔がグッとこちらを向いている。

小判1枚.jpg

八段目

ずっと緊迫した場面が続くと疲れるので、
骨休めのような場面だと
イヤホンガイドが解説してくれる。


恋人大星力弥に会いたい小浪(七之助)と
継母の戸無瀬(勘三郎)が

山科に居る大星由良之助をたずねる道中のくだり。

定式幕があがったのに、
桜席と舞台を仕切る黒い幕だけあがらない。

他の席の人は舞台を観ているはずなのに、なぜ?

ふと思い当たったのは、浅葱幕。

定式幕があがっても、さらに
ふわっと水色の薄い幕がかかっていて何も見えません。
それをパッと取り払うと一気に場面が変わる仕掛けです。

これは、たいてい
「わーっ」とタメイキをもらす美しいシーンが

現れることが多いです。

やはり浅葱幕がかかっていました。


目の前の黒い幕が降りたままでは、
何も見えないので
桜席は皆、ドドドドドっと移動して、

花道を観ます。

移動もなにやらユーモラスで良かったけれど、
美味しいところだけ観ちゃってすみませんって
感じもしましたよ。



母と子の踊りのシーン。

クルクル動くので
勘三郎さんも七之助さんも良く見える。


赤い着物のお母さん、
埃よけの角かくしでこちらがお嫁さんのよう。

七之助さんの小浪、娘らしくて可憐で眼福♪


ラストの九段目

幕があがる前、
一番最初に来てスタンバッて居るのは

あ、小山三さん。
小山三さん、ここです!

Cプロは小山三さんを観るために来たのです!と


手を振りたくなるのを必死でこらえて、
目で追うと

小山三さんは孝太郎さんの方を見ていました。

中村屋さんの最古参のお弟子さんのお話に
松嶋屋さんの若旦那が、うなづいています。

先輩女形さんのアドバイス?
それとも、この場で思い出す
名優さんの想い出でしょうか。


もちろん、ここまでは聞こえませんけど。

ここでの孝太郎さんは大星の妻お石。
抑えた演技が印象に残りました。


仁左衛門さん、勘三郎さんの名演技は言うまでもなく。


ちょっとややこしいんですが、
判官役だった勘太郎さんが、ここでは力弥。

高師直の屋敷の図面を見ながら
雨戸をはずす工夫を張り切って披露。

ちょうど桜席の真下にある木のところでの演技だったので
桜席大喜びq(≧∇≦*)

サラサラ雪が降りしきる仕掛けも見えちゃいましたが、
だからといって興ざめする心配は無用。


落ちた瞬間から仕掛けの事は忘れるくらい、
ハラハラと舞う姿は、はかなげで素晴らしいです。


娘の幸せのために、わが身を犠牲にした本蔵の最期。

タブン、客席からは
本蔵の苦しそうな姿が見えるのでしょうが

桜席からは、あまりよく見えませんでした。

その代り、本蔵のうしろに隠れ、
客席からはほとんど見えない部分で

勘三郎さんと七之助さんが、
ずっと悲しく、

切なそうな表情や仕草をしているところとか

仇討ちに行く息子とは、
添わせることができないので
心を鬼にして
戸無瀬と小浪達に冷たく当たるお石のつらさが

手に取るように伝わってきます。

お芝居の中に入り込んでしまった感じ。至福の時。


小判1枚.jpg



こんなに近くで見ちゃっていいんでしょうか?
演じながら、気が散ったりしませんか?

と恐縮するけれど、
ワクワクがいっぱいの桜席でした。


あ、そうそう。これから桜席でご覧になる方!

ここは舞台に近いので照明がほぼ直撃です、
アツイです!

ま、この日が快晴だったこともあるけれど、
私は夏の名残の薄手のブラウス一枚で
ちょうど良かったです。


ha-t.gif


(平成中村座・浅草 2008年10月16日 Cプログラム)

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おまけ・桜席の座席に置いてあったお手紙


Cプログラム

桜席のお客様へ

本日は平成中村座にご来場いただき、
誠にありがとうございました。


『平成中村座十月大歌舞伎 
通し狂言仮名手本忠臣蔵』では、

演出の都合上、桜席と舞台の間の幕を
上げ下げさせていただくことがございます。

何卒ご了承くださいませ。


 また、大道具が手すりのすぐ脇を通ることがございます。

身を乗り出したり、手すりに手をかけたりすることは
危険ですのでお控えくださいますよう、
お願い申し上げます。


 なお、先の定式幕前でも芝居がある際は、
幕より前の通路からの立ち見でもご覧いただけます。

その際には、係の者がご案内させていただきます。

大序 鶴ヶ岡社 頭兜改めの場・人形口上
八段目 道行旅路の嫁入・幕切れ 

 それではごゆっくりお楽しみくださいませ。

平成中村座

                    ​​





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最終更新日  August 28, 2018 11:29:52 PM
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