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February 29, 2016
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カテゴリ:映画・テレビ・本
外科室の手術台に横たわっているだけで
こんなにも美しいと思わせる女優さんは
ほかにはいない。

原作は1895年(明治28年)『文芸倶楽部』に
掲載された泉鏡花の短編小説。
坂東玉三郎の映画初監督作品で、
高貴な夫人と青年外科医の秘めたる恋を描いたロマンス。

外科室


小石川植物園、満開のつつじが綺麗な春の日の散策。

ストーリーテラーの中井貴一さんは、青年外科医の親友役。
玉三郎さんのお眼鏡にかなった美形は加藤雅也さん。

画家志望で、あの日の出来事を、庭師なのかな、
庭園にいる老人に語る、という設定。

本筋から逸れるが、庭師のお役は、
伊井義太朗さんとおっしゃる
この方。

庭園に白蛇が出て、
庭園で遊んでいた子ども達が騒いだ。

その時に、
「殺生をしなかったか?」と
尋ねる調子の穏やかながらも
毅然とした様子も、そうだけど

一人だけ
蛇の姿を見られなかった少年に
かける言葉がとても素敵だった。

外科室


すれ違った瞬間、始まり、
熱い視線を絡ませるけれど
園を出たとたんに終わりのはずの短い恋

外科室

だったはず

再び出会ったのは外科室。
彼女が患者となったことで再会する二人。


妖しく美しい、鏡花の世界は玉三郎さんの舞台で
何度か観たけれど、映画で観るのは初めて。

小説自体は淡々としていた。
そこを玉三郎さんの美意識が膨らませ映画としている。

上流階級も 明治という時代も 
顔を見ただけで恋することも
どれ一つ実感がわかないのは確か。

では、あるが(^-^;


すれ違う人が皆、振り返る美人。
世のサユリストの男性の気持ちがわかる手書きハート

耽美主義というのかな。

玉三郎さんの審美眼というフィルターを通した
美しいものを見られるのは眼福に他ならない。

IMG_4057.JPG

小百合さんの表情も、
毬谷さんの柔らかい言葉も、
建物も、調度も、丈の長いナース服も
病院に集まる上品な人達

なにもかもだ。

50分。集中するのにちょうど良い時間。


回想シーンの庭園の風景など、それはそれで
夢のように美しいのだけれど



秘密があるから、麻酔は出来ない。
麻酔をすると、うわごとを言うと聞いたから。


一番強く心に残るのは、冒頭の短い外科室のシーン

ふだんは従順な奥様だったろうに、
夫の言葉さえも、静かだけど低い声で頑なに拒む。

冷たい外科室、冷たい声

今まで観たことのある
快活で優しい小百合さんではない
暗い声。深い声。

小説の中の「夫人」がそこに居た。

後で小百合さんのインタビューを聞いたら
低い声は、玉三郎さんのアドバイスによるものだって。

さすが!


友情出演というべきか、
勘九郎時代の勘三郎さんが
検校の役でお琴の演奏を聴かせてくれる。

弾き語りなんだけれど、歌は玉三郎さんが吹き替え。

その演奏がそのまま、
小百合さん達のいる庭のシーンの
BGMになったり、音楽の使い方も良かった。


外科室

孝夫さんの仁左衛門さんは、
小百合さんの乗る馬車の御者


これには小百合さんも恐縮したそうです。

玉三郎さんはタブン、
病院に駆けつけた、やんごとなき
お方の一人だったような。

今から24年前なので、皆さまお若い。

貴一さんは、今とあんまり変わらない気がする(*^▽^*)

(2016年2月29日 TSUTAYA DISCAS)





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最終更新日  February 6, 2021 10:20:52 PM
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