音屋です

　今日は1年に1回お招きいただく、敬老コンサート。介護保険施設ということもあって、いつも行くデイケアとはまた違った雰囲気。横になられている方や、車いすの方が多い。

　ここの施設で働くＳさんは、昼はケアマネ、夜はジャズシンガーという異色の方。彼女の紹介でここに歌いに来るようになって2年目。広い会場に響き渡らせるような声になりたいと、ボイトレに通うようになった歌姫達。去年とは打って変わって、よく響くようになった。日頃の訓練の賜物。

　ピアノは相変わらず、ステージから離れた場所に置いてある。事前打ち合わせをしなかったため、ピアノの位置を動かそうなんて思いもしなかった私。歌姫達のそばに移動しておけば良かった。しかし、重いグランドの足にしっかり吸音板がはまっていたため、容易には動かせなかったのかも・・・・。軽くてとても響くピアノ。もしかして歌よりも音がデカイ？と思いながらの演奏。集中できない。

　今日は敬老会と言うことで、懐かしいラジオ歌謡から。時代を代表する歌というものは、その人の歴史のＢＧＭ。私たちもそうだが、そのメロディーを聴くことで、その当時の想い出がうわ～っと蘇る。ケアマネのＳさんにあとから言われた。
　「あの方は普段、ほとんど反応しないのよ。あの人は声が出なかったのに、今日は口ずさんでいたなんて、素晴らしい・・・」
そう。音楽って不思議な力が宿っているんだと改めて思う。そして何よりも、ケアの仕事をされている職員の方達の心も癒されたと言われたことが、とても嬉しかった。

　司会進行のＦさんのトークも絶好調で、とっさのクイズも盛り上がり、お年寄りの方々の記憶力のスゴサには驚いた。とても痴呆が入った方とは思えない・・・・・。

　「川の流れのように」、今回はあの信長氏の編曲。ピアノの練習不足でかなり適当になってしまった・・・・。反省。しかも、ソプラノの2人、伸ばすのを2拍忘れて早くなり、途中で焦る。彼女たちは自分たちのミスとはまったく気付いていない。適当伴奏で切り抜けるが、アルトの2人があとで告白。
　「ソプラノが早くなったときはどうしようか困った。おじゃるちゃん、うまくごまかしてくれて合わせてくれたから私たち入れたけど・・・・」
　よかった。ちゃんとわかってくれていて・・。

　最後にはみんな涙を溜めながら全員で合唱。ささやかなお礼として皆さんが作ってくれたストラップを頂いた。貝にリリアンを巻いたもの。5色あった。
　

　私は紫とピンク。細かい作業をされるみなさん、私よりしっかりしているかも・・・・・。