音屋です

　デイケアのコンサートでした。ここのところ、ハードすぎて自分でもビックリ。1日おいての本番で、疲れもピーク。でも、楽しみにしていらっしゃる方がたくさんという現実に、感謝。

　今日の公演には事前に色々とあった。それは「大きな古時計」。これを歌う予定と聞いたボイトレの先生が、
　「お年寄りの前でこの曲は、私たちも気を使って歌わないわよ」
と言われたことに始まる。歌詞がビミョーらしい。私自身も、この歌詞のような経験をしているので、気持ちはわからないでもない。「千の風になって」も、良い歌として認められているのだから・・・と、部長が施設のSくんにお伺いを立てた。すると、ここの施設では皆さんが歌われているとか。自信を持って演目に。

　そして本番を終え、アンコールという時、おじいちゃんが手を揚げて話してくれた。
　「大きな古時計、もう一度歌って」
嬉しい。この方の大好きな歌らしい。いつか歌って欲しいと、ずっと思っていらっしゃったようで、今日聞けて嬉しいと泣かれてしまった。このおじいちゃんだけではない。みんながこの曲がいいと言ってくれている。人によって曲に対する思いは別だが、いい歌はいい歌。やって良かったな。

　もう1曲。「夕焼け小焼け」では、
　「歌った途端に当時の景色が蘇った」
　「田んぼのあぜ道を歌いながら歩いたのよ」
とか・・・。昔の記憶が映像として頭に浮かんだらしい。音楽の持つ不思議な力を見た。そして、皆さんの涙・・・・。部屋の空気が浄化されてる見たいに変わった。何だか私もつられて嬉しくなった。久々に気持ちよく弾けた。

　終了後、最近恒例の握手会。おじいちゃんたちが握手を求めにやって来る。感謝の言葉とともに・・・・。

　場所を移動して、クリスマスに向けての選曲会議。ここでもう1カ所、病院コンサートの話があり、増えた。年1回、忘れずに呼んでいただける病院なので、予定に組む。音楽家の12月は忙しい。9回の本番、乗り切らなきゃ。