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ＢＬＣＤ「君の体温、僕の心音　～右手にメス　左手に花束２～　感想

この原作は、だいぶ昔に読んだのですよ。そしてなぜか手元にないんですね。好きなお話なんで、捨てるはずないのにないのでよく考えたら、友人に貸したんですよ。この話腹立たない？って同意を求めるために。そこまでは覚えているんです。それからが覚えてません。原作、古本でも探してまた買おうかな・・・。１巻で両想いになって、２巻では同棲している篤臣と江南。でも江南は外科医で忙しく、なかなか一緒に時間を取れないことを寂しく思う篤臣。「ゴッドハンド輝」とか「ワイルドライフ」（これは獣医）とか読んでたら、自分の時間なんていらないとばかりに、患者さんに人生捧げていますもんね。それだけ江南が患者想いのいいお医者さんってことで。それは判っていても、やっぱり寂しいのは仕方ない。お昼までに帰ってくるとメモ残していれば、ご飯作っちゃうし、少しでも顔見たいから、帰ってくるまで起きて待ってしまう。健気です。健気過ぎです。なんか、新婚の奥さんみたい・・・。確かにちょっと重いかな？先に寝てくれていた方が気が楽かも・・・。なんて言う事は、数年前この本を読んだ時には思わなかったのに、今回このＣＤのこの冒頭のシーンを聴いて思ってしまいました。私も少し大人になったのか？それでも、その次のシーンの、酔って帰って来た江南の態度と、留守電で浮気疑惑をかけられて、殴った上で「出てけ」発言は、やっぱりかなりムカつきました。・・・けど、疲れて帰ってきたときに、身に覚えのない嫌疑かけられて責められるのは気の毒かなあ・・・とも今回思ってしまいました・・。どうしたんだ私！でも、殴るのは良くないですね。しかも「出てけ」ですからね。あんたどこの亭主よって感じですね。私でも出て行きます。自分からは絶対に帰ってきません。しかも篤臣、上着も財布も忘れてしまって、夜中歩いて帰ったんですよ。しかも殴られた痛み、一週間も続いたんですよ。ああやっぱりムカつく。しかも追いかけても来ないし、三日間、迎えにも来ないし。大西が同窓会の後、宿直の江南の所に連れて行って、浮気現場（偽装）を目撃させなかったら、江南迎えに来てたのかなあ。それとも篤臣が折れてマンション帰ってたのかなあ。そこが気になります。何しろ浮気現場を目撃したものだから、そっちの方が大事になって、殴られた事とか、暴言とか篤臣すっかり忘れてますもんね。それとも、そこにこだわる私は心が狭いですか？（たぶんそう）篤臣、１巻でも思ったんですけど、篤臣大人すぎて、ちょっと不満です。江南がすごく恵まれている気がするんですよ。今回、鈴村さんのあの素直そうな声と演技は、ほんと篤臣そのものでした。さすが楽俊です。鈴村さんと言えば、楽俊だった私ですが、今度からは篤臣を思い出すことでしょう。（シンは？）置鮎さんは、やっぱり低い・・・。低い声の大阪弁は怖いんですよ。でも１巻程じゃなかったですね。口説くところなんて、甘くて素敵でしたけどね。（その後、不機嫌な声はやっぱり怖かったですけど）ＣＤではなかったのですが、原作では先輩が「江南君はそんな人じゃないでしょ」「ちゃんと話し合いなさい」みたいなアドバイスをくれるシーンがあった様な・・・。それがカットされて（篤臣の台詞の中にはありましたが）、浮気現場（偽装）目撃の後、篤臣のアパートを訪れた江南を、あっさり部屋に入れていたので、ちょっと違和感がありました。で、一度は仲直りするものの、「仕事を辞めてアメリカに付いて来て欲しい」発言に伴う暴言のせいで部屋を追い出された江南というか、置鮎さんの演技は、原作ではいい気味だと思った私が思わず同情してしまったくらい、いい演技をされてました。思わず哀愁に満ちた背中が見えましたわ。その後、大学で落ち合って、篤臣が大西と会う約束をしているのを知った後の一言も、なんか情けない感じが良く出てて、上手かったなあ。そのせいでしょうかね。私基本的に江南好きじゃなかったんですけど、ＣＤを聴いた後はわりと好きになったかもしれません。なんか、仕方ない人だなあ、可愛く感じました。それにしても、この話って江南すごく恵まれていますね。篤臣の様な人に愛されてさ。今回も、最後に美味しいところ持っていってさ。やっぱりなんかちょっと不満です。こないだ発売された最新刊でもラブラブな2人だったんですけど、なんか一波乱起きてくれないかなあ。（鬼）２巻で江南に浮気疑惑が起こったから、今度は篤臣に横恋慕する人が現れるとか。（大西は役者不足）しかも、江南よりも大人で魅力ある人が希望です。江南一筋の篤臣が、無視できないくらいのね。嫉妬する江南が見たいです。

ＢＬＣＤ「右手にメス　左手に花束」感想＆椹野道流先生語り

椹野道流先生の本との出会いは、「奇談シリーズ」です。ＢＬ要素十分ですが、メインは現代の陰陽師と人間と精霊？のハーフの少年の、怨霊退治物なんですけどね。ここ何冊かの読んでいないので、今はどうなったかは知りませんが、私が読んでいた頃はキス止まりの二人でした。その後、講談社ノベルズの。「鬼籍通覧」シリーズを何冊か読みました。最初ミステリー？推理物？のつもりで読んでいたら、ミステリーはミステリーでも、オカルトというか怪談っぽかった・・・。でも面白いです。好きです。最新刊読んでいないけど。この二つのシリーズは実はリンクしているのが、また楽しいんですよね～。というわけで、ＢＬ要素はありつつも、ＢＬメインじゃない作品から入ったせいか、実は椹野道流先生のＢＬがメインの小説は苦手というか、あんまり読んだ事がなかったりします。「建築探偵シリーズ」の篠田真由美先生の耽美小説を、読んだ事がない、というのと、なんとなく同じ理由な気がします。具体的に説明するのは難しいんですけど。単に読まず嫌いなのかな。でも、買って読んでみて、合わないと思って読むの止めた本もありますからね。椹野先生のＢＬメイン本で。でも、この「右手にメス　左手に花束」シリーズは大好きなんです。特にこの本とこの続編の「君の体温、僕の心音」は特に好きなお話です。３冊以降になると、二人の仲が安定しちゃうんで、「春抱き」の様な安心感はあるんですけど、ハラハラ感がなくなっちゃって、実はちょっと物足りないんですけどね。そのＣＤ化ということで、楽しく聴かせていただきました。鈴村健一さんの篤臣君。ぴったりイメージ通りです。鈴村さんと言えば、あんまりＢＬＣＤ聴かない私は、実は「十二国記」の楽俊しか浮かばなかったんですけどね。江南役は置鮎龍太郎さん。置鮎さんの大阪弁。違和感はないんですけど、低かった。そして怖かった（笑）。ああでも１巻２巻の江南ってこんな感じ・・と思い出しました。小説読んだの大分昔だったんで。親しみやすくて、声をかけやすい雰囲気を持っている篤臣君と、カッコ良いけど、なんとなく怖くて声をかけにくそうな江南を、見事声で表現されてらっしゃいましたね、お二人とも。大分前に読んで、手元に本がない（押入れのどこかにあるのかもしれませんが）ので確認は出来ませんが、記憶に残っているエピソードは全部入っていた気がします。小説でこの話を読んだ時は、篤臣君にものすごく感情移入して読んでいたので、レイプされた後彼と一緒に江南に対して怒りを覚えたり、先輩に対して理不尽さを感じたりしていたのですが、ＣＤで聴くと客観的に受け止めれるせいか、そんなに江南に怒りを覚えませんでしたね。先輩の言うとおりだと思ったし。１巻２巻読んでいた頃って、江南あんまり好きじゃなかったです。篤臣君ばっかり我慢してる気がしてね。どーも篤臣君に肩入れしちゃうみたいで（笑）音声で聴くとまた違った印象持つもんなんですね。怖いとは思ったけど、彼の苦しみなんかも感じれて、嫌いにはなれなかったです。最後篤臣が彼の部屋へ駆けつけるシーンで、素直にホッとしました。あ、最後にＢＬＣＤで聴いて、一番インパクトあったのは、あれですね、実習先の老人ホームでの「ロミオとジュリエット」。これはＣＤの方がその面白さが伝わってます（笑）