カテゴリ:オペラ
オペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を、
オペラパレス(新国立劇場)で観てきました。 HPは、こちら 原作はニコライ・レスコフの同名の小説 (レスコフの原作は岩波文庫「真珠の首飾り 他二篇)。 ドミトリー・ショスタコーヴィチの若き日(20代半ば)の力作。 彼の豊かな才能と芸術性を思う存分発揮したと言ってよい作品では、なかろうか。 このオペラを観るのは、人生で二度目。 以前観たのは、キーロフ・オペラで指揮者はゲルギエフだった。 作品自体、目をおおうばかりに悲惨で救いようのない物語でありながら、 観劇後、それほど重い気持ちにならないのは、演出で戯画化された 使用人たちや警察官たちが、どこかユーモアをたたえているからかも しれない。 殺人を次々とおかし堕ちていく女と、 金と女、おのれの欲望のまま生きる男、 歌手陣もオケも合唱も充実の出来で、演出もあきさせない。 オケは、客席、あるいは、舞台上の金管も含め迫力で、 観客をひきつけていました。 これは、指揮を予定していた若杉弘が健康上の理由により出演できなくなり、 急遽代わったシンケヴィチが全体をだれることなく引き締めた功績も大きいよう な気がします。 タイトルロール・カテリーナ役のフリーデは 体当たりの演技と歌唱で目と耳を奪う出来栄え。 最後の深い絶望の淵に突き落とされた歌唱も圧巻。 また、女たらしの愛人・セルゲイ役の ルトシュクもセクシーな雰囲気がありぴったり。 カテリーナの夫を殺した後、ベットに腰掛け、 何食わぬ顔でテレビのプロレスをみながら、 血ぬられた手でハンバーガー?にぱくつく姿の毒々しさが凄かったです。 (カテリーナは、ベットの上で踊っているし) 演出では、舞台転換の見事さに加え、 観客に壁紙をきれいに張り替えるシーンなどをみせて、 おもしろかったですね。 最近は、ニュースなどでこういった話(舅殺し、夫殺し)が、日常化されて いて、現実が物語を凌駕してしまう驚きは、何ともいいがたいのではあります。 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」 【作 曲】ドミトリー・ショスタコーヴィチ 【台 本】アレクサンデル・プレイス 【指 揮】ミハイル・シンケヴィチ 【演 出】リチャード・ジョーンズ 【美 術】ジョン・マクファーレン 【衣 裳】ニッキー・ギリブランド 【照 明】ミミ・ジョーダン・シェリン 【芸術監督】若杉 弘 (指 揮) ミハイル・シンケヴィチ (演 出) リチャード・ジョーンズ キャスト 【ボリス・チモフェーヴィチ・イズマイロフ】 エカテリーナの夫ジノーヴィの父:ワレリー・アレクセイエフ 【ジノーヴィー・ボリゾヴィチ・イズマイロフ】カテリーナの夫:内山 信吾 【カテリーナ・リヴォーヴナ・イズマイロヴァ】商人の妻:ステファニー・フリー デ 【セルゲイ】愛人、イズマイロヴァ家の使用人:ヴィクトール・ルトシュク 【アクシーニャ】出来田 三智子 【ボロ服の男】高橋 淳 【イズマイロフ家の番頭】山下 浩司 【イズマイロフ家の屋敷番】今尾 滋 【イズマイロフ家の第1の使用人】児玉 和弘 【イズマイロフ家の第2の使用人】大槻 孝志 【イズマイロフ家の第3の使用人】青地 英幸 【水車屋の使用人】渥美 史生 【御者】大槻 孝志 【司祭】妻屋 秀和 【警察署長】初鹿野 剛 【警官】大久保 光哉 【教師】大野 光彦 【酔っ払った客】二階谷 洋介 【軍曹】小林 由樹 【哨兵】山下 浩司 【ソニェートカ】森山 京子 【年老いた囚人】ワレリー・アレクセイエフ 【女囚人】黒澤 明子 【ボリスの亡霊】ワレリー・アレクセイエフ 【合 唱】新国立劇場合唱団 【管弦楽】東京交響楽団 本日のきもの:見知らぬ若い女性から絶賛された胴抜き訪問着。 菖蒲の刺繍が上品な山○美術のもの。帯は捨○の名古屋帯。 帯留は、銀細工に真珠のブローチ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
May 16, 2009 08:05:48 AM
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