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カテゴリ:市場動向
世界の再生可能エネルギー導入量は、2015年に前年比30%拡大し、風力発電が64GW、太陽光発電は57GWに達した。1月14日に発表されたブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンスの数値によると、化石燃料の価格下落にもかかわらず、中国、アフリカ、米国、ラテンアメリカおよびインドで投資が急増し、過去最高の3,293億ドルと2014年の総額3,159億ドルに比べて4%増加、2011年の記録に比べて3%増加し、2004年に比べて6倍に増加した。
再生可能エネルギー投資の阻害要因は、(1)太陽光発電コストの低下により、同額で導入できる設備容量が増えたこと、(2)米ドル高のため米ドル以外の投資によるドルの価値を下げた、(3)これまで再生可能エネルギー投資が盛んだった欧州経済の弱まり、(4)化石燃料価格の急落である。 このうち、化石燃料価格は2015年末までの18カ月間にブレント石油価格がバレル当たり112.36ドルから37.28ドルへ67%急落、北西欧州拠点への国際一般炭価格はトン当たり73.70から 47.60ドルへ35%低下した。米国の天然ガスはヘンリーハブ指数で英国熱単位当たり4.42ドル から 2.31ドルと48%下落している。 各国のトレンドをみると、2015年のクリーンエネルギー分野の投資額が最も大きかったのは中国。中国における推定額は前年を17%上回る1,105億ドルで、他国をさらに引き離した。中国に続き、米国では2014年を8%上回る560億ドルの投資が行われた。これは2011年にグリーン経済促進プログラムの時代が始まって以来最も高い数字である。「イルドコ」による資金調達、新規太陽光および風力発電プロジェクトに対する推定額の堅調な成長が背景にある。 欧州の2015年投資額は、2014年よりも18%低い585億ドルで、2006年以来最低。その中で圧倒的に強い成長を見せている国は英国で、昨年の推定額は前年を24%上回る234億ドル。ドイツの推定額は前年を42%下回る106億ドルで、同国の太陽光発電向け支援額の低下、陸上風力発電の認可ルールへの変更がされたためと考えられる。フランスにおける投資額はドイツよりも53%低い29億ドル。 ブラジルのクリーンエネルギー分野における投資額は2014年よりも10%低い75億ドル。一方、インドは23%増加し、2011年以降最大となる109億ドルを記録した。日本は継続的な太陽光発電市場の成長を背景に、前年を3%上回る436億ドルが投資された。カナダのクリーンエネルギー投資は前年を43%下回る41億ドル、オーストラリアは16%増加し29億ドルに近づいた。 メキシコ、チリ、南アフリカ、モロッコを含む「新市場」で、数十億ドル規模のクリーンエネルギー向け投資が行われた。メキシコは42億ドル(114%上昇)、チリ35億ドル(157%上昇)、南アフリカ45億ドル(329%上昇)、そしてモロッコは2014年のゼロから20億ドルにまで増額した。 人口増加が続き、太陽光および風力資源が豊富なアフリカおよび中東の2地域は、クリンエネルギー市場成長の潜在力が大きく、アフリカには電化率の低い国々が多い。2地域の2015年のクリーンエネルギー投資額は134億ドルで前年を54%上回った。 市場動向の関連記事 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2016.01.19 12:02:30
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