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2016/03/08(火)16:55

京都大学、世界初のフラーレンC70に水分子閉じ込めに成功

政府・自治体・関連機関(251)

 京都大学は、JST戦略的創造研究推進事業で炭素原子が球状に結合しているフラーレンの一種であるC70の内部に水分子を閉じ込めることに成功した。今回開発した技術を用い、有機薄膜太陽電池の性能向上、生理活性素材の開発、生命現象を解明するためのプローブ分子への応用などが期待される。  水は生命にとって最も身近かつ重要な物質で、水分子(H2O)から構成されているが、1個、あるいは2個の水分子を取り出して、その基礎的物性を明らかにする研究はほとんどなかった。今回、京都大学の研究グループでは、フラーレンC70に開口部を構築し、そこから1個、あるいは2個の水分子を内部に挿入し、その後、開口部を元通りに修復することにより、水分子を内包したフラーレンC70を合成した。  さらに、水分子を内包したC70の構造を解析して1個の水分子が単独で動いている様子を明らかにし、また、世界で初めて2個の水分子だけを他の水分子から孤立させ、その挙動観測に成功した。今後、この技術を利用して、水の単分子や2個の分子の物性研究を詳細に行うことが可能になり、生命に最も関係の深い水の挙動解明を進める事が可能になる。  また、内部の空間に金属イオンや分子を持つ内包フラーレンは、さまざまな新しい機能を発揮する機能性分子として大きな注目を集めている。今回開発した技術を用い、有機薄膜太陽電池の性能向上、生理活性素材の開発、生命現象を解明するためのプローブ分子への応用などが期待される。  政府・自治体・関連機関

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