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テーマ:ニュース(99441)
カテゴリ:市場動向
中国に主要生産拠点を置く太陽電池メーカーの2016年第3四半期業績は、モジュール販売量の増加を背景にハンファQセルズ、JAソーラー(晶澳太陽能)が売上高で前期および前年同期を上回り、ジンコ・ソーラー(晶科能源)が前期比減少ながら前年同期を上回ったが、トリナソーラー(天合光能)、カナディアンソーラー(阿特斯陽光)、インリーグリーン・エネルギー(英利緑色能源)、レネソーラ(浙江昱輝陽光能源)は前期および前年同期のいずれに比べても減少に転じた。さらに、モジュール価格が低下する中でジンコ・ソーラーとハンファQセルズが営業利益で前期および前年同期を上回ったものの、その他メーカーは軒並み大幅な減益に見舞われ、インリーグリーン・エネルギーとトリナソーラーは赤字に転じるなど一転して収益悪化に陥った。
![]() ![]() ジンコ・ソーラーは、売上高が前期の59.6億元から4.4%減少したが、前年同期の41億元から39.0%増加となる5,700億元(8億5,300万ドル)。前期比減少は、主に需要の減少および太陽光産業における熾烈な競争による第3四半期のモジュール販売価格の低下によるもの。 前年同期比増加は、平均発電価格の低下よりも高いペースの発電および太陽電池モジュール出荷による売上増加が主な原因。 トリナソーラーは、売上高が7億4,110万ドルと前期比22.9%減少し、前年同期比6.5%減少した。売上粗利益は1億2,560万ドルで前期比28.8%減少し、前年同期比9.1%減少、売上粗利益率は16.9%で前期の18.3%および前年同期の17.4%に比べて低下した。売上高は、自社の川下の太陽光発電プロジェクトにより発電された電力収入6,060万ドルを含む。売上高の減少は主に、平均販売価格(ASP)の全体的下落と、6月30日までの補助金政策の調整を見越した受注の急増による中国の出荷減少によるもの。 カナディアンソーラーは、世界の太陽光発電市場の後退と9月の韓進海運倒産による物流混乱に加え、上半期末に発生した竜巻による江蘇省の工場破損などの影響を受け、第3四半期売上高が当初見通しの6億6,000万~7億1,000万ドルに対し6億5,730万ドルで、前期比18.4%減少、前年同期比22.7%減少した。トータルソリューション事業の売上高比率は、2016年第2四半期の8.5%に対して10.4%であった。 JAソーラーは、売上高が6億2,430万ドルと前期比0.9%増加、前年同期比3.9%増加したが、粗利益は8,610万ドルで前期比8.9%減少、前年同期比19.2%減少し、粗利益率は前期の15.3%、前年同期の17.7%から13.8%に低下した。 インリーグリーン・エネルギーは、太陽電池モジュールの外販量が大幅に減少したうえ、中国の需要減少と供給過剰にともなう製品価格下落の影響を受け、売上高は14億5,960万元(2億1,890万ドル)と前期比42.4%減少、前年同期比37.7%減少した。売上粗利益は8,030万元(1,200万ドル)で前期比82.6%減少、前年同期比78.6%減少し、売上粗利益率は前期の18.2%および前年同期の16.0%から、5.5%に低下した。太陽電池モジュールの売上粗利益率は6.2%で、前期の18.1%および前年同期の19.0%から大幅に低下した。 レネソーラは、製品出荷量の大幅な減少と外部顧客向け製品販売価格の低下により、売上高が1億8,700万ドルと前期比25.2%減少、前年同期比30.3%減少した。売上高粗利益は1,890万ドルで前期比54.2%減少、前年同期比58.5%減少し、粗利益率は前期および前年同期の16.5%から10.1%に低下した。また、第3四半期の営業損失は1,190万ドル、当期損失は2,050万ドルに終わった。 市場動向の関連記事 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2017.01.06 20:14:48
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