かみぽこぽこ。

2004/09/02(木)02:27

修士論文(3):先生に考えてもらう余地を残しておくこと。

さて、今日は「うちの学校の1年」。 「修士論文」の3回目。 「先生に考えてもらう余地を残しておくこと」。 前回は、修士論文のタイトルの決定について書いたが、 今回はその続き。 タイトルが決まると、 次は論文の構成や内容を 指導教官と詰めていくことになる。 ここでのポイントというのは、 実はこれまでこのHP・メルマガで 何度も書いてきていることだと思うので、 繰り返しになるかもしれない。 しかし、これはとても大事なことなので、 あえて、もう一度書きたいと思う。 覚えている方もいるだろうが、 私が、対先生のコミュニケーションで 大事なことだと言っているのは、 「先生に考えてもらう余地を残しておくこと」 である。 どういうことかというと、 例えば論文の構成をどうするかを 先生に相談しに行ったとする。 その時に、その構成の最初から最後まで 先生に会う前に自分で全部決めておいて、 先生に会った時に 「はい、これでどうですか?」 と見せてしまうと、 先生はちらっと見て 「いいと思うよ。」 と言って、そこで会話が終わってしまう。 学生の方は、 「先生がいいと言ってくれたからOKだ。」 と思いがちなのだけれども、 実は先生はちゃんと学生が持ってきた物を チェックして答えているわけではないのだ。 「構成を全部考えてきて、 特に疑問もないというなら、 それでいいんじゃないの?」 程度にしか考えてないのだ。 ひどいじゃないかと言うなかれ。 先生の立場に立って考えてみるとわかる。 先生の仕事の中で、 修士課程の学生の面倒を見ることが どれくらいの比重を占めているか。 大学の事務の仕事がある。 学会の関係の仕事がある。 授業の準備もしなければならない。 その上で、自分の研究もしなければならない。 更に、日本みたいに助手という制度はない。 先生は細かな雑務も全部自分でしなければならない。 要は、大学の先生というのは忙しいのだ。 修士課程の学生の論文など、 先生の頭の数パーセントも占めていないのは 考えてみれば当たり前のことなのだ。 それじゃ大学の先生に相談することはできないのか? そんなことはないのだ。 その為の方法が 「先生に考えてもらう余地を残しておくこと」 なのだ。 大学の先生というのは、 ずっと学問の世界にいたわけで、 基本的に人間的に擦れてないというか、 人間的には悪い人はあまりいない。 「すみません。ちょっとここわかんないんですけど。。。」 なんて、学生が困った顔をして聞くと、 「自分で考えろ」と冷たく言えないというか、 意外に真剣に考え始めるのだ。 そして、そのうちに 聞いてもいない部分まで 「ここはこうしたほうがいいよ」 とアドバイスしてくれたりするのだ。 それまで作り笑いで気のない返事ばかりしていたくせにね。。。(苦笑) まあ、ほとんど以前書いた話の 繰り返しになってしまったかもしれないけど、 人間関係において、 「相手の立場で物を考えてみてから行動する」 ということの大切さは、 別に「英国の大学」という特殊な環境においても 何も変わらないということは、 いくら強調しても強調しすぎるということは ないだろうと思う。 ちなみに、先生とのコミュニケーションの取り方については、 昨年書いたこの話も併せて読むとおもしろいと思います。 2003年7月28日 E美ちゃんのしたたかさとこれからの真剣勝負 2003年8月24日 おそるべし!E美ちゃんの指導教官懐柔策 それでは、また。

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