2019/02/20(水)06:28
ニムロッドを読んでみた
久しぶりに、本のネタです。
先日発売された文芸春秋を買っちゃいました。
今回の芥川賞受賞2作品が収録されています。
上田岳弘さんの「ニムロッド」と町屋良平さんの「1R(いちラウンド)1分34秒」
「1R34秒」は、4回戦ボーイと呼ばれるボクサーの日常の物語。トレーナーと主人公の関係を軸に、ストイックなボクサーを内面から描いている小説だと思います。でも、ボクシングジムに見学に来た女の子に電話番号のメモを渡すだけで関係ができてしまったり、唐突に試合前に別れたり、うーん、よくわからん、というのが還暦まじかのオヤジの感想。
それに比べて、「ニムロッド」は、終わり方が?なところがありますが、全編を一気に読むことができました。
ビットコインという現代の錬金術も興味深いですし、物語の合間に引用される「駄目な飛行機コレクション」が面白いです。
ニムロッドとは、主人公の同僚のハンドルネーム。
主人公とニムロッド(ニムロッドは名古屋勤務)が会う名古屋駅西口の描写も、本当にあるデニーズが出てきて親近感を持てます(文芸春秋 377ページ上段)。
駅から見える風景には家電量販店やビジネスホテルが点在しているが、少し歩けばすぐに、古いアーケードの商店街や昭和の時代からの低層ビルしか見当たらなくなる。
ニムロッドが指定した店は太閤通口側の安い居酒屋チェーン店だった。
そうそう、そんな感じですよね~、太閤口の雰囲気は。
ニムロッドが主人公にあててのメールも共感がもてる内容が多いです。
ちょっと引用してみます(文芸春秋 369ページ下段)。
僕は思うんだけど、駄目な飛行機があったからこそ、駄目じゃない飛行機が今あるんだね。でも、もし、駄目な飛行機が作られるまでもなく、駄目じゃない飛行機が造られたのだとしたら、彼らは必要なかったということになるのかな?
ところで今の僕たちは駄目な人間なんだろうか?いつか駄目じゃなくなるんだろうか?人間全体として駄目じゃなくなったとしたら、それまでの人間たちが駄目だったということになるんだろうか?でも駄目じゃない、完全な人間ってなんだろう?って聞かれても困るよね。
後半は、ニムロッドが書くバベルの塔をモチーフにした小説中小説も登場、村上春樹風。
小説を読んだのは、久しぶりでした。
これで1冊1000円です。
今回は、読みましたが、これまでも芥川賞発表のたびに文芸春秋を買って積んどくになってます。
大分県佐伯市出身の小野正嗣さんの受賞のものもありますが、未読です(汗)。
今夜は、ミーティングで遅くなりました。晩ご飯は、帰り道で。
多治見の四川園です。
あちらの方がやってます。
疲れがたまっているので、ベトコンラーメン(醤油)780円。
揚げたニンニクがゴロゴロと入っています。