テーマ:お勧めの本(7263)
カテゴリ:読書の楽しみ
納税者もしくは選挙権保有者なら是非一読を。
北尾トロ・著、「裁判長! ここは懲役4年でどうすか」 (文春文庫) ![]() 著者が裁判の傍聴を始めてから2年目までの記録をまとめた書籍です。 一昔前の日本人でしたら「一生涯裁判所とは縁のない」人が 多数でしたでしょうが、 欧米にならって日本も訴訟社会となって来ていますし、 裁判員制度が導入されれば、裁判所は だれもが一度は縁のある場所、となるかもしれません。 この本を読むまでは裁判員制度に選ばれて、 「半落ち」や「ぼくは絶対やってない」のような重く苦しい裁判に かかわる羽目になったらどうやって逃げよう!?と 逃げ道を探っていたワタシですが、 そういう裁判ばかりじゃないんですねー。 マスコミなんてまったく傍聴していない裁判が多数ですし、 傍聴人さえいず、被告、検察、国選弁護人、裁判官とで まったりと裁かれる判決もあるんだ、とか、 傍聴席が社会見学の女子高生で一杯になると ついついハッスル(死語でしょうがあえて)してしまう裁判官とか、 時間ばかり気にして被告の話をロクロク聞かない裁判官から、 身を乗り出して被告の心情を聞き取ろうとする裁判官まで どの裁判官にあたるかで判決も1年ぐらい変わってきてしまうかも? (もちろん、控訴という制度で救済されるのでしょうが) 1回8万円の法廷料金目当てに裁判を引き伸ばす 売れない国選弁護人の話。 この辺は納税者としては太い釘をさしてやりたいですね。 世間では「弁護士」というのは華々しい職業と扱われていますし、 ドラマでは検察は悪役のケースも多いですが、 高い志をもって、検事の務めに当たっている人々の存在にも気づかされます。 巻末の、傍聴マニア座談会までぜひとも一読していただきたい1冊。 ただし、被告、弁護士、裁判官等のイラストは あくまで著者の印象表現ですから、一部ちょっと不愉快になるかも・・ また、著者コメント(雑誌連載→単行本化にあたって追記したと見られる)にも、 原告や被告をここまでこき下ろさなくとも良かろう?と 感じる部分もあります。 それでもなお、気に障る部分は飛ばし飛ばしでも、 一読の価値はあるとお勧めできます。 ![]() 続編、「裁判長!これで執行猶予は甘くないすか 」(文芸春秋)も 読んでみようかと思います。 楽天トップに戻る シンガポール日記の 目次へ きららん日記の 目次へ ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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