kiraruノートの《切れ端》

旧 シングルスレッド版 ver. 0.3.8-1
新 マルチスレッド版 ver 0.3.8-6
での速度を比較してみました。

H/W : CPU - Pentium4 3GHz Northwood, DDR 3200 1GB
avisynth : ver 2.56
ソース : 720x480 huffyuv YUY2 1000フレーム 音声なし
Codec : XviD 1.2 2006/5/1版 〔設定はほぼdefaultでqt=2.5と他に少しだけ変更〕
　　　　　　（ステータスウィンドウは非表示）

テストavs: 1.avs
--------------------------------------------------
OpenDMLSource("J:\20060518-235950.avi").AssumeTFF
trim(0,999)
killAudio()
itvfr(ref="TOP", dimode=1)
return last
--------------------------------------------------

auoenc exavi_vfr.auo testxxx.cfg 1.avs z:\out.avi 0

上記PCで、設定を変えてそれぞれ3回計測した。
なお、出力先のZドライブは1GBのRAMDISKなのでテストでのI/O時間のバラツキはないと思う。

(1) Windows2000
　　これは、シングルプロセッサ用カーネルでの比較が目的です。
　　なので、ACPIマルチプロセッサPCで1CPU指定のカーネルじゃなく、純然たるACPI
PCのHALです。
　　(a) 新　プログレス表示あり(1秒間隔)
　　(b) 新　プログレス表示なし
　　(c) 旧　プログレス表示あり
　　(d) 旧　プログレス表示なし

(2) WindowsXP
　　これで本来のマルチスレッドの性能を見ます。
　　HALは当然ながらACPIマルチプロセッサPCです。
　　新旧比較とさらにXviDのマルチスレッド設定でその差を見ます。
　　(a) 新　プログレス表示あり　XviD 2スレッド
　　(b) 新　プログレス表示なし　XviD 2スレッド
　　(c) 旧　プログレス表示あり　XviD 2スレッド
　　(d) 旧　プログレス表示なし　XviD 2スレッド
　　(a') 新　プログレス表示あり　XviD MTなし
　　(b') 新　プログレス表示なし　XviD MTなし
　　(c') 旧　プログレス表示あり　XviD MTなし
　　(d') 旧　プログレス表示なし　XviD MTなし

■シングルCPUカーネルでの比較

Windows2000	プログレス あり	プログレス なし	備考
新 0.3.8-6	58.905 1:00.437 1:00.247	58.955 1:00.107 1:00.027
旧 0.3.8-1	1:01 1:01 1:00	1:01 1:01 1:01	auoencが表示 した数値なので実際 には新より速いはず

■マルチCPUカーネルでの比較

WindowsXP (HTT ON)	プログレス あり XviD (2 thread)	プログレス なし XviD (2 thread)	プログレス あり XviD (0 thread)	プログレス なし XviD (0 thread)
新 0.3.8-6	00:49.015 00:48.890 00:48.859	00:48.875 00:49.000 00:48.890	00:51.156 00:51.157 00:51.062	00:51.172 00:51.078 00:51.078
旧 0.3.8-1	0:58 0:58 0:58	1:00 0:58 0:58	1:01 1:01 1:01	1:02 1:01 1:01

■この結果から読み取れること

• HTT環境下ではマルチスレッドは明らかに効果的
  
• 旧来の非HTT環境下でも、マルチスレッドのオーバーヘッドは顕著ではない
  
• プログレス表示はそれほど影響しない
  
• XviDもマルチスレッドを使えばさらに効果的
  

■その他

• 新 Its を使い、itvfrの代わりに、24fpsはitを使用すれば処理するフレーム数が減りさらに相乗効果が見込める。
  
• HTT環境よりもDualCore環境だともっと差が現れると思われる。
  
• 今回はプログレス表示で殆ど差が出なかったが、他のケースではもっと差が出ることがあり、非表示の方がやっぱり速い。
  
• 新Itsでフレーム数が減れば減るほど、NRなどの他フィルタを使えば使うほど全体の処理時間は短縮できると思われる。
  

■使用メモリについて

マルチスレッド化により、より多くのメモリを要求するため、メモリの少ない環境ではスワップが発生し性能が出ない場合も出るかもしれない。
　旧0.3.8-1 aouencの使用メモリ 172.5MB
　新0.3.8-6 aouencの使用メモリ 177.5MB

また、H/W環境(Athlonとか)、テストケースを変えることにより、また全然違った結果が出ることも考えられる。

できれば、それぞれの環境でテストした結果をコメントなり掲示板なりで通知して頂ければ大変うれしいんですが。

なお、NT以降でしか使えないAPIを使っているので、Win9xでは動作しなくなってると思われるが、もともとAvisynthもそうなってるし。Win9xで使ってる人います？