三代目 アトラクス
ビクセンからリリースされた、天体望遠鏡の赤道儀。 初代アトラクスの精度に驚いてから、もう20年近くなるのだが、その間、 撮影上の理由などで、高橋の赤道儀に乗り換えたりしながら、それでも 屋外観測用に、二代目アトラクスを購入し、観望会などで常用していた。 初代アトラクスは、ピリオディックモーションを職人さんが追い込んで出荷 されており、結局、職人さんがいなくなるとともに、二代目に後を譲った。 二代目は、スカイセンサー対応になっており、MT-160を乗せて、 一晩で次々とメシエ天体を楽しむ、「メシエ・マラソン」の時には、ヒュイーン、 ヒュイーンと、次から次へ、快適にメシエ天体を導入してくれた。 機械的に追い込めなくなった精度は、ギアの癖をコンピューターに学習 させ、キャンセルするPEC機能で補ってくれる。 この辺りは、好き嫌いもあると思うが、コストダウンには貢献している。 ビクセンは、子どもの頃から馴染みのあるメーカーなのだが、上位機種の アトラクスでさえ、極軸調整のネジがチャチな樹脂製だったりするので、 親父の工場に頼んで、真鍮で作り直したりした。 そのくらい手をかけないと、本格的な屋外観測にはいまひとつである。 それでも、そのチャチさを越える、デザインの良さ、新規性が業界を活性化 しているのは事実だと思う。 今回の三代目は、ビクセン初の百万超えの架台となる。 今のところ、購入予定はないが、店頭で見てみたいものだ。