海外旅行紀行・戯言日記

2017/12/11(月)10:18

イスラエルの首都エルサレム宣言の行方

Politics(731)

米国のトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの「首都」と宣言したことを受け、抗議行動やテロが頻発して、中東地域が不安定するのかと懸念していましたし、国連でも米国は四面楚歌の状態ですが、現状は予想に反して至って平安にも見えます。 米国がエルサレムをイスラエルの「首都」と宣言したことを受け、国連安全保障理事会は12月8日、緊急会合を開いたが、普段は米国に歩調を合わせることの多い英仏など欧州の理事国もと批判に回り、米国の孤立ぶりが浮き彫りになった。 それに呼応して、アラブ諸国が加盟するアラブ連盟(21ヶ国・1機構)は9日、カイロで緊急の外相級会合を開き、エルサレムをイスラエルの首都として認めたトランプ米政権への対応を協議、「国連安全保障理事会決議に違反している」として、米国に対して決定の撤回を求めた。 小学館新書の対談集「悪の指導者論」で碩学山内氏は次の様に述べています。 中東の構図で、シオニズム対アンチシオニズム、アラブ対ユダヤ等と言う古典的パラダイムは最早機能しない。イスラムは一つ、アラブは一つだと言うのが単なる理想に過ぎなかった様に、複雑な国際政治が絡むとイスラムも当然一つではありません。 シーア派の担い手でペルシャ帝国の復権を目論むイラン、スンニ派の中心であるサウジアラビアやトルコには大きなズレがある。 況して、伝統的なパラダイムでは考えられない「サウジアラビア・イスラエル」枢軸が、新しい世界観では実現します。中東と言う地域システムに於けるワイルドカードを持っているのは紛れもなくイスラエルなのです。 結局は、EU側の懸念があるとしましても、エルサレム地域のイスラエル実効支配と言う現実を追認することで、治まってしまうのではないかと思われてなりません。

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