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沢木遥の「幸せ力をつける練習日記」

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2004.09.24
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「曼珠沙華九月の花のその九月」

時実新子が好きだ。
易々と楽しげに、でもしみじみと、言葉たちを玩んでいる時実新子が好きだ。
俳句よりももっと軽く、コロコロと、そしてちりんちりんと、心が揺れる音がする。
なんとなく、「白い花散った」(時実新子、NHK出版)をめくっていたら、

「九月新涼。風が新しくなる。死ねばこの風に逢えなくなる、
だから生きていたいと毎年思う」

という一文があり、ああ、とため息をついた。

暑さ寒さも、彼岸まで。
今年は夏が暑かった。頭がヘンになるかと思うくらい、暑かった。
だから、この風がとても、とても、とても、愛おしい。

暑い夏が過ぎて、フッと涼しくなる瞬間。
こじらせた風邪が治りかけ、体から抜けていく瞬間。
ずいぶん煩悶した悩みが遠のき、心が軽くなる瞬間。

その心地よさ、なんだか似ている。

暑さ寒さも、彼岸まで。

「死は対極としてではなく、私たちの一部として存在している」
と書いたのは村上春樹だけど、

遠くに近くに、寄せては返す。
恐れるでもなく、憧れるでもなく、ただ、寄り添っている。
ときに、心に染みてくる。
そんなものだと、この季節はとくに思う。

好きな人と、岸部に並んで腰掛けて、向こう側を、ぼんやりと眺めている。
ただ、静かに、穏やかに。
時々言葉を交わすけれど、その声がどこから聞こえてくるのかよく分からない。
もしかしたら、以心伝心かも……

そういうのがいいな。

「旅に出て背中の仏様おろす」
「夢二つ三つ命足りませぬ」
「たくさんの心が通る夜がある」
「愛そうとしたのよずっとずっとずっと」
(『白い花散った』より)





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Last updated  2004.09.24 08:31:31
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