きざし昇の雑記帳

2007/10/20(土)17:21

オタク  アニメ「げんしけん」

  「げんしけん」というアニメをご存知でしょうか。  都内から程よい距離にある大学のサークルを舞台にしたアニメで、 サークル名を「現代視覚文化研究会」といいます。略して「げんしけん」です。   現代視覚文化研究会という立派な名称ですが、アニメ関連の趣味人(オタク)がサークル部屋にたむろしているだけで、外部に対する意欲的な働きかけをしない学生生活が上手く描写されています。  趣味人(オタク)のサロン(たむろ)はいつの時代にもあることです。 人間の強い行動欲求の一つに、「快感の希求」がありますから、生活環境、もっと言えば生命維持環境次第では、趣味という精神活動が個人の人生のウエートに多くを占めるようになっても、なにも不思議ではないことです。 環境次第でオタク化するのは、人として当然といえば当然、正常といえば正常です。 現実は、自他共にオタクと認められるには、それなりのものが必要です。ほとんどはオタクとも呼べない中途半端な状態です。他人が一目置くようなオタクになれば、オタクとは呼ばずに先生になります。さらに職業として成立すればプロですからオタクと呼ぶには大きすぎます。 どんな方面でも、職業として成立するまでの道のりは厳しくて、サラリーマンであっても、プロのサラリーマになるにはそれ相応の社会訓練を必要とします。 人にはそれぞれに選択の自由があります。これは与えられた権利ではなく、人そのものが根源的に持つ性質です。人は選択の自由が阻害されたとき、阻害するものに対しての対処を、また各々が選択します。  近年の「引きこもり」も、引きこもれる環境があるから、引きこもりを選択する人口が増えただけのことでしょう。環境がいいのです。 生存弱者の比率を考えたとき、現代が過去の時代に比べて客観的に大きく変動した要因が思い当たりません。 自分の価値観の天秤に載せて、自分にとってのメリットがあったから「引きこもり」を選んだというのが、大多数の「引きこもり」ではないでしょうか。労働力として期待されてなければ、無理をして働こうとしない選択もアリです。 この現象を社会問題として扱うなら、 「救済の原理」 から扱うべきです。 決して 「公平の原理」 を軽んじるこ発想を受け入れてはならないでしょう。軽ろんじるとさらに大きな、致命傷になる問題が生まれてきます。それは、現代の教育問題を考えれば、容易に想像できることです。  昔昔、「エコノミック・アニマル」と、当時の日本の風潮を欧米からネガティブに言われたことがありました。 当時のイケイケの日本は、欧米からすれば嫉妬の対象であったり、はた迷惑な存在であったのでしょう。  確かに、国内で消化できないイケイケエネルギーの結果を、「そこそこの品質の物を、安い値段で輸出しているのだから、輸入国の人達もいいはずだ!」と、輸入国のバランスも考えずに放出されたら迷惑ですし、悪意すら感じても不思議ではないです。 それから時代が経ち、欧米からの非難に反応したのか、日本が成熟したのか、昔ほどの「エコノミック・アニマル」ぶりはなくなった結果が現在の世相です。 どちらもどちらですけど、これからの人達にとっては、根拠のない期待が持つならイケイケの方がいいかもしれません。  よくよく考えてみれば。。。 「エコノミック・アニマル」に対して、「フリーター」が出てきたのも一つの知恵です。  働き過ぎが問題であるなら、労働を時間を自分でコントロールできる(ハズ)のフリーターは一つのアイデアです。これも社会実験の成果といえます。  バランスは悪いですが、働き過ぎの人がいるなら、引きこもって働かない人が日本全体の働き過ぎの部分を薄めているとも考えられます。 マクロで見れば、目に見えないバランサーが働いているのかもしれませんね。 引きこもりや、フリーターが生息できるまったりとした環境は、これはこれで理想です。  アニメ「げんしけん」での台詞に、「オタクになろうとして、オタクになっていたんじゃない!」「気がついたらオタクになっていたんだから、    今更オタクをやめるわけにはいかない」    というのがありました。なかなか説得力があります。  好きな方向なら、今更やめるわけにはいかないでしょうね。 結果的に惰性で生きるなら、好きな方向で突き進めるのも幸福なことです。  ただ、サークルでたむろしているレベルより、せっかく大学で学ぶ時間を買ったんですから、自分のオタク分野と履修している内容が融合できれば、オタクの集中力・探究心と学問形態がリンクする可能性が高くなります。 例えば、法学系の知識とオタクで何か新しいジャンルの職業がありそうです。 そういえば漫画大好きの政治家いましたね。新しい政治のアイデアが生まれる可能性があります。  

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