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夏に猛威を振るったサルモネラ、腸炎ビブリオをはじめとする細菌による
食中毒が一段落し、 秋空が広がる10月に入った頃から新聞紙上を賑わす 食中毒があります。 代表的なものは生ガキによる、ノロウイルスの集団食中毒です。 カキの中腸腺に蓄積されたウイルスがヒトの小腸で増殖して引き起こされる 急性胃腸炎です。 ノロウイルスによる急性胃腸炎は食品によるほか、水を介する場合やさらに 人→人で伝播し、主に小児や老人で流行することが明らかになってきました。 同じ生のカキを食べても、食中毒になる人とならない人がいます。 このような不思議な疫学的事実は昔から知られていましたが、その理由に ついてはよく分かっていません。(O型の人は罹りやすいとか?) ノロウイルスを含む食品などを摂取した後1-2日の潜伏期間を経て、急性 胃腸炎の症状が現れる。この潜伏期間は、他の細菌性の感染型食中毒に比べ ると短い部類にあたり、多くの場合、嘔吐、下痢、腹痛が見られ、微熱を 伴うこともあります。 症状の始まりは突発的に起こることが多く、夜 床についていたら突然腹の底 からこみ上げてくるような感触がきて吐き気を催し、吐いてしまうことが多い。 しかもそれが一度で終わらず何度も激しい吐き気が起ったり吐いたりして、 吐くためにトイレを離れられないといったことも起き、吐き気が収まった後は 急激且つ激しい悪寒が続きます。 これらの症状は通常 2、3日で治癒し、後遺症が残ることもないそうです。 患者が増える冬は、インフルエンザの流行シーズンと重なって「今年の風邪は 腹に来る」などと思っていたら、実際は感染性胃腸炎の場合が少なくない と言われます。 通常、 ウイルスについての詳細な研究を行うには、適切な動物培養細胞を探して感染 させ、ウイルスを増殖させることが必要ですが、ノロウイルスについては 実験室的に増殖させる方法がまだ見つかっていません。 このため、 検査や治療方法に対する研究が他のウイルスと比べて遅れているのが現状です。 国立感染症研究所は「法的に届け出義務がないのは、ノロウイルスで毎年 患者はたくさんでるが、2、3日すれば治っているのが一般的だからと。 今年の罹患者数は平年並みで、すでに感染症胃腸炎は全国で約8000人で、 その内75%がノロウイルスと見られています。 今回のように7人もの死者を出した福山のケースはむしろ特殊事例だ」と 指摘されています。 厚労省によれば、感染症胃腸炎の死者数は2003年で約1400人にのぼるが、 ノロウイルスが原因で亡くなったという報告例は1999年と2002年の女性各 1人の計2人だけです。 2003年は死者はゼロだったのが、今冬の死者はすでに現在14人です。 感染症としてはSARSをはじめ、鳥から人に感染する新型インフルエンザ の登場の可能性を指摘されていますが、対策は色々考えられています。 だが「今回の福山のケースは油断していたとしか思えない」(中原教授)のが 実情で、深刻な感染症に対し不安は尽きませんね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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