人生は流転する/コラボでコラム大作戦 Part.8
「コラボでコラム大作戦」 Part.8 by 林真未&有田リリコ ****************************** 「人生は流転する」****************************** 毎日毎日チビの世話ばかりしていると、本当に、この小さな子がいつか小学生になるなんて、ましてや、あのでっかい中学生になるなんて、とても信じられない。 オムツをかえてご飯を食べさせて公園に連れて行ってお風呂に入れて寝かせてまた起きて……という暮らしが、永遠に続くような気がする。 だけど、本当にそのときはやってきて、たどたどしい歩みも、舌足らずなしゃべり方も、いつかなつかしい思い出になるのです。 私が結婚する時の条件は、なんと「子どもを産まないこと」。 それが、なぜか今では、3人もの小中学生の母親! 私が結婚する時の理想は、じつは「ダンナに稼いでもらって、自分は食べて飲んで寝るだけの飼い猫のような生活をすること」。 それがなぜか、専業主婦の仮面の下で、来る日も来る日も、子どもを抱きながら家庭支援の猛勉強を足かけ十数年。挙句の果てに、36歳でカナダの大学の通信教育を始め、39歳でファミリーライフエデュケーターとして、個人事業を始めていました。 そして、ファミリーライフエデュケーターの仕事が軌道に乗ってきた41歳の時、「そういえば、小さい頃、“がっこうのせんせい”になりたかったんだっけな」と思い出してしまい、 2年間の通信教育を開始。今年3月、43歳で小学校1種と幼稚園2種を取りました。そしたらたいへん!!7月に、ある区立小学校から電話がかかってきて、採用が決定!9月から、小学3年の担任の先生をやることになりました。自分でも、まったく想像していなかったんですよ! こんな人生。ホントに。こんなことを書いたのは、「わたしってすごいでしょ」と自慢したいわけでは決してなくて。ただ、いちど専業主婦になったとしても、ちがう職業についたとしても、21世紀の女の人生は、まだまだ思いがけなく展開することを、私の経験を披露することで、皆さんに知ってほしかったのです。39歳や43歳の再出発を驚いてはいけない。20世紀にも、こんな女性がおりました。アメリカの人気画家、グランマ・モーゼス。彼女は、75歳のときに絵を始め、101歳までに1600点あまりの作品を残し、アメリカ中に愛されて、 晩年には「グランマ・モーゼスの日」まで制定されたのです!人生は長い。そして、絶えず流転する。果てしなく続くような気がする、子どもの世話に追われる毎日の後には、それぞれ一人ひとりに、必ず、ちがう地平が続いている。さあ、これからがたのしみだ。※ちなみに、グランマ・モーゼスの作品は、今ちょうど、新宿の損保ジャパン 東郷青児美術館で見ることができますよ。(参考)生きる喜び 素朴絵画の世界 アンドレ・ボーシャンとグランマ・モーゼス~ 自然を愛した画家からの、心暖まるメッセージ~【会 期】 2008年7月5日(土)~8月31日(日) 【会 場】 損保ジャパン東郷青児美術館 【開館時間】 10時~18時(金曜は20時まで) ※入館は閉館の30分前まで 月曜定休(ただし7月21日は開館) 【入 館 料】 一般1,000円、 大学・高校生600円、シルバー(65歳以上)800円 中学生以下無料 【主 催】 損保ジャパン東郷青児美術館、朝日新聞社 【お問合せ】 03-5777-8600(ハローダイヤル:美術館利用案内)********************************************************************PROFILE林真未=カナダ・ライアソン大学認定ファミリーライフエデュケーター練馬区在住、小2、小5、中2の母。36歳の時に、1才・4才・7才の子どもとワーカホリックな夫をかかえ、パソコンは知らないゎ、英語は苦手だゎという瀕死の状態で、カナダ・ライアソン大学の家庭支援職資格インターネット通信教育を始め、家庭支援を仕事にしてしまった向こう見ずな女。有田リリコ=イラストレーター世田谷区在住、小3の母。のらりくらりとやってきて、ふと気がつけば人生折り返し地点。いままでのだらだら半生を、最近はげしく後悔している女。