今夜、私の横で寝ている人がいる。
それは彼ではありません。
彼が帰国が決まってから
私は毎晩のように飲み歩いた。
そう、それは彼との付き合いをやめようと決めるのに
どうしようもなく苦しかったから。
苦しいからって淋しいからって
お酒でごまかしても歌をうたっても
何も変わらないのも分かっていたけど
そうやって私は時間が過ぎていくのを待っていた。
今夜、なぜ隣りに違う男性がいるのか・・・・・
彼を忘れようとしているから?
ううん
それは違うと思うけど
じゃあ、もう次を探してるの?
いいえ
それもちょっと違うけど
Rとのきっかけもこんな風だったっけとふと思い出す。
やっぱり思い出すのは彼のこと。
Yとどうしようもない別れが来た時
それを受け入れることが出来なくて
泣いて泣いて過ごしてた時に
Rは優しくしてくれた。
Yを想っている私の気持ちを大事にそして守ろうとしてくれた。
それがいつしか彼の気持ちが違う感情でいることに気がつき
でもすぐに受け入れることが出来なかった私も
気がつけば、彼の腕の中での暖かさを求めてたっけ。
Yを忘れたわけじゃない。
だって恋する気持ちを思いださせてくれた人だもの。
あんなに、心と心でお互いに純粋な感情で
ドラマチックな恋をすることはないでしょう。
あんなにお互いを想い合って涙した別れはないでしょう。というくらいの
一生に2度とない恋だったもん。
それでも、Rと愛し合った。
Yの代わりではなく、Yを忘れたわけでもなく
それでもRと向かい合った。
きっと私は誰かに傍にいてもらわないと
淋しくてしかたないのだろう。
今、隣りにいる人は
韓国人でもなく、年下でもなく、遠距離でもなく
淋しいと言ったら一緒に飲んで歌ってくれた。
Rとの状況を知っているからね
何も聞かないで、飲みつぶれるまで飲んで騒いで
時間を埋めてくれた。
今、少しだけこの人の胸を借りよう。
それは恋人同士になるのではなく
愛し合うのでもなく
ただ
一人に慣れるまで、ちゃんと前向いて歩けるまでの少しの間
誰かにもたれてみたい時もあるから
こんな風に休日の夜は特に空を見上げてしまうから。
空には彼はいないのに
過ぎ去った過去を引きずろうとしてしまうから。
今、ちょっとだけ誰からの胸を借りてもいいよね。
今の気持ち・・・
「ワインレッドの心」(試聴)
【ワインレッドの心 から】
~もっと勝手に恋したり
もっとKissを楽しんだり
忘れそうな想い出を
そっと抱いているより
忘れてしまえば ~
・・・
すべてを何もかも
忘れてしまえたら心が自由になるのかな
もっともっと
すっきりしたいような
したくないような
・・・
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