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「うーっす。」
衛が3日ぶりに院生室に顔を出した。 「あ、お帰りなさい。ディズニーランドはどうでした?」 圭が笑顔で迎える。 ―――なんだ? 「ああ、楽しかったよ。」 衛は答えながら不思議そうに圭を見た。圭が暁と2,3語会話を交わす。圭の腕が暁の背中にちょっと触れた。 ―――ふーん。 不自然なことは何も無いように見えたが、衛は眼鏡を上げるとため息をついた。 「お前ら俺のいない間に何かあっただろう。」 圭が自分の席に戻ってヘッドフォンをするのを確認して、衛が暁に小さく聞いた。暁はギクッとして衛を見上げた。 「ニシハラ見てるとわかるぜ、あいつ、お前に夢中じゃん。」 衛は左手を机に、右手を暁の椅子の背もたれにかけると、さらに暁に近づいて耳元で囁いた。 「・・・そんなこと。」 そういいながら、暁は圭を盗み見た。圭は微かに鼻歌を歌いながら、キーボードを打ち込んでいる。 「お前、どうすんの?」 「どうするって・・・」 暁は自分の机に向き直って頭を抱えた。衛は、このあほたれが。と言って暁の頭をはたいた。 --- 君が思うほど僕は君のこと好きじゃない・20 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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