カテゴリ:読書
……今年も貧弱な読書記録ですが、とりあえず覚え書きとして。
前回に続き読んでいる大江健三郎は、やっと第一部を読了。 些末な場面ではあるが感動したので引用しておく。 サッチャンに幸あれ! 私は、まず自分で子供を生むようにやってみるつもりです、と私はいった。 胡さんは、白皙という中国語の見本のような、スベスベと白く肉の薄い丸顔に、しかし複雑な翳りもある微笑を浮べて私を見られた。魚の眼がさらに新しい興味とユーモアも浮べるようだった。それから、やはり薄いが輪郭は鋭いほどはっきりした脣が、 ―Why not? とかたちを表していた。隆君に、と声に出して胡さんはいった。最初の難局をしっかり闘って乗り切るようにつたえてください。 ―大江健三郎『燃え上がる緑の木』第一部 救い主が殴られるまで より ……で、前回予告したのは『告白』でしたね。 湊かなえ『告白』 告白★湊かなえ★2009年本屋大賞第1位★みなと/rika【中古】楽オク中古品 松たか子主演で映画も公開されていましたが、かなり面白かったです。 もともと、松たか子演じる女教師の独白部分だけで何かの賞をとった作品だそうですが、それも頷ける。 映像も、その教室のシーンが原作そのままに印象的でした。 いまどきの中学生って、携帯とか使って壮絶ないじめがあるんですね。 むしろ、そっちの方に背筋も凍る思いをしたものだが…… 同じ著者の、ベストセラーになってた新刊も買ってみた。 『夜行観覧車』 夜行観覧車 いろいろと身勝手な人間生活のなかで、家族の愛情、数少ない本物の友情に救いを求めようという書きぶりでした。 これからこんな世の中に娘たちを投じるかと思うと……やはりオソロシイ。 次。 またまたりおちゃんの新刊も、売れてましたね。 島本理生『あられもない祈り』 あられもない祈り タイトルに惹かれたようなもんでしたが、また切ないくらい背伸びしたラブストーリーで、大人の一面を(そして妙に悪ぶってみるのに若さが露呈するあたりも)見せてくれた新境地(?)でありました。 しかし世の中、小説になるのなんてダメな恋愛ばかりだねぇ。嘆息。笑 ちょっと古いが、こちらも読んだ。 川上未映子『わたくし率イン歯ー、または世界』 わたくし率イン歯ー、または世界 いまちょっとセクシーな歯科医(ただし壮年。爆)のいる歯医者に通っているので、タイムリーに共感するところもないではないが、基本的に苦手な作風だ。 近作で、「作風の変化」が話題になった著者なので、古い方をあえて読んでみた、という程度。そのうち新作にいってみるつもりです。 とりあえず、ひとまずこのへんで。 もんたまさん、『滝山コミューン』の文章の下手っぷりに難渋してます。内容は面白いんだけど、まったく進まない……もうちょっとお待ちを。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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