好き嫌い
ラブ爺はかなり卑しいヤツだが、だからと言って何でも食べるわけではない。例えばフルーツの類はあまり好きではなく、みかんやバナナなどは差し出してもふんと鼻で小突いて食べようとはしない。「わし、猿やないで」とでも言いたげだ。(バナナケーキは好きです。←念のため)りんごもやればしぶしぶ食べているが、あえて欲しがりはしない。これは”お腹に良さそうだから”仕方なく食べている、と言う感じ。と言うわけで、テーブルに置いてあっても見向きもしないものもあるにはあるのだ。しかし、一度食べて”これは好かん”とレッテルを貼られたブツはともかく未知の物体Xに関しては、ラブ爺がどうするかわからない。わからないのだから、隠しておけば良いのだが「まあ、これは盗らないでしょう」と安易な予測をして失敗する、と言う事もしばしばあるのだ。「こ、これは食うのか」と意表をついて盗まれたのは、こんにゃくの煎り煮。こんなものは盗らないだろう、とかあちゃんが台所のカウンターに放置してしまった。しばらくして来てみると、器が床に伏せて置いてあり中身はからっぽ。「なんでこんにゃくなんか食べるの?!」たぶん油で炒めてあったので、油のにおいにつられて食べたのだろう。ただの煮物だったら食べなかったかもしれない。それから2,3日、ラブ爺はこんにゃく入りのうんpをした。マンナンライフで、さぞかし腸がすっきりしたに違いない。「それはないだろう~」と思ってしてやられたのは、別のもの。”それ”は、盗ってはみたものの、お気に召さなかったらしい。しかも、私は”それ”に気が付かず踏んづけてしまった。何故気が付かなかったかというと、柄の絨毯の上にそれが落ちていてもぱっと見にはわからないような色をしているからだ。”それ”を踏んだ瞬間、私はいや~な感じがした。「もしやうんpを踏んだ・・・?それともゲロッパか・・・?」そのくらいおぞましい感触だったのだ。恐る恐る足元を見てみると、そこには蕎麦が落ちていた。「なんじゃこりゃ~!」気に入らないなら盗らなきゃ良いじゃないか!財布を盗んだものの、中身が少ないので腹を立てて財布を捨てた。そんな感じなのだろうか。以来、爺は蕎麦は盗まない。我々が食べていてもたかりに来ない。結構好き嫌いがあるラブ爺である。今日のラブ爺。盗人と言うより、変なおじさん。